JR北海道は、石勝線(新夕張~夕張間)の鉄道事業廃止を夕張市長に正式に申し入れしたことを発表した。これは夕張市長が望んだ「将来的に持続可能な交通体系の構築」に応えたもので、JR側の考えとも合致する。夕張線は、民営化直後からの輸送密度は10分の1に減少、2億円近い経費に対し14百万しか稼げない赤字路線で、100年近い経年のトンネルなどインフラの老朽化も問題になっている。また、鉄道と並行してバス路線が運行されており、南清水沢以南ではほぼ同本数、以北では倍の本数になっている。
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7月下旬にJRが『持続可能な交通体系のあり方』を発表してから、3週間後の申し入れ。夕張市長が、JR側が動くのを待っていたかのようだった。財政破たんした自治体を走る距離の短い盲腸線ということを考えると、いつ廃止になってもおかしくないと思っていたのだけどね。
7月の連休に新夕張1159発に乗ったのだけど、単行でボックスに誰か乗っているくらい、つまり20人ぐらい乗っていた。下手なローカル線より乗っていると思っていたけど、前の列車より4時間も空いているから、1時間半毎だとしたら6人ぐらいしか乗ってない計算だ。折り返しの列車は、その半分ぐらいだったし。
札幌からだと、千歳で快速エアポートから乗り継いで2時間20分2,160円かかる。それに対して高速バスゆうばり号は1時間40分で1,750円と早くて安い。ゆうばり号は3往復と少ないが、新さっぽろ行のバスも設定されているので、それを合わせると本数は夕張線を上回る。ショートカットできるのは大きい。千歳空港からの需要も少ないのだろうな。リゾート開発で失敗したくらいだし。
一部リリースでは、早ければ2018年度末に廃止するとのこと。その根拠として、2019年度に清水沢にバスターミナルを整備するからだそうだ。このターミナルを中心にバス路線網を再構築され、新夕張と結ぶバスも設定される。新夕張停車の特急8往復に接続するように設定されるといいのだけど、乗り換え客が少ないというデータもあるからな。
4年前には、廃止区間を走行するDMVも検討されていたのだけど、地域公共交通協議会のホームページで去年の会議資料を見ると、DMVの文字が消えて、代わりに夕張支線の現状と方針についてという項目が入ってきてるからな。今回の廃止は地域公共交通協議会の会議を開くまででもなかったのだろうか。
個人的には、この前行ったばかりだから、乗りおさめに行く必要がないわけで。廃止時期が正式に判明したら、乗りおさめする葬式鉄で混むのだろうな。
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