釧路発6時38分、釧路湿原を見ながら走行する。鹿とぶつかって5分遅れたが、標茶に着く頃には数分遅れに回復していた。駅巡りした順序は以下の通り、括弧数字は駅ナンバリング。
釧路638-(61)標茶735着858発-(59)茅沼911着933発-(66)川湯温泉1029着1107発(バス)(65)美留和1114着1207発-(58)塘路1302着1445発-(68)札弦1612着1628発-(67)緑1637着1747発-(62)磯分内1847着1908発-1924着(64)摩周
標茶、茅沼と続けたあと、摩周をスルーして、川湯温泉、美留和とつぶし、釧路行で塘路へ7駅飛ばし、さらに札弦まで逆に10駅飛ばししたあと、折り返し緑で一本落とし、摩周の隣の磯分内で折り返すといった具合になっている。運転間隔が4~5時間開く釧網本線だが、一番長い滞在時間で塘路の1時間43分、長距離を移動することで待ち時間を減らしている。普通のきっぷだったら、やらない芸当なのかと。なお、遠矢は去年に釧路の方から往復することでクリア、釧路湿原から細岡まではそれより前に駅間を徒歩移動してクリアしている。そのため、今回は塘路から先が駅巡りの対象となる。
塘路は完全な交互配置の相対式、駅構内は緩やかにカーブしている。両ホームはホーム端の構内踏切で結ばれ、ホームは構内踏切の後ろにある。そのため、列車が発車するときは両方向とも構内踏切を渡る。交換は多く、朝と夕方以降に2回ずつ、計4回ある。駅舎は左側釧路方面ホームの釧路寄り、入り口には『ようこそ湿原に出会える塘路駅』の看板が掲げていある。その前には駅名標と並んで、顔出し看板がある。駅舎から少し離れて、簡易扉の臨時出口があり、団体客に対応できるようになっている。1998年に改修された駅舎はロッジ風、事務室のあった部分には『ノロッコ&8001』が入居、待合室とはカーテンで仕切られている。周辺は民家が点在しており、郵便局もある。コンビニはないが、ハンバーガーやいもだんごなど軽食を売っている店が何か所かある。また、駅前広場右手には公園が整備されており、ノロッコ号の折り返しの間に子供が遊具で遊べるようになっている。ノロッコ号は駅舎のあるホームに停車、有効長が足りないため機関車はホームの外に停車する。機関車の付け替えは行わず、機関車を最後尾に付けたままで釧路へ戻ることになる。1時間40分以上の折り返し時間で、展望台から釧路湿原を見ようと思っていたが、先日塘路湖で泳ぐ熊が発見されて、遊歩道は通行止めになった。代わりに、旧塘路駅逓所や北海道集治監釧路分監本館といった古い建物を見物した。塘路駅は国鉄時代に急行が停車していたから、交通の要所だったのかもしれない。塘路駅を出た釧網本線はS字カーブで国道から離れ、シラルトロ沼の近くを走るようになる。
茅沼は右片面の棒線構造、ほぼ網走寄りに1989年に改築されたログハウス風の駅舎があるが、塘路駅の半分以下の大きさだ。冬場にはタンチョウが訪れるためか、駅舎入口にはタンチョウの来る駅の文字がある。また、ホームと逆側の入り口の両脇にはタンチョウのオブジェクトが刻まれている。ホームにはベンチが2か所あるが、両方とも駅名標と一体化しているのが特徴的だ。駅舎の中にはタンチョウの写真の他に『青空しょって』などのコミックが置いてあり、時間がつぶせるようになっている。駅前広場は未舗装、その外れに説明書きの車輪が置いてあった。国道の外れにあるためか、周辺の民家が少なくペンションが何軒かあるだけだ。
茅沼から次の標茶までは13.9キロも離れており、釧網本線では3番目に長い駅間になっている。茅沼駅から5.4キロ、標茶から8.5キロのところに、車掌室駅舎に五十石駅があったが、2017年に廃駅となった。神社近くあった駅舎は国道からもストリートビューで確認できるが、2018年のストリートビューでは姿を消している。国道はその先で、釧網本線だけでなく釧路川も超えている。標茶駅前の通りは厚岸と虹別を結ぶ県道だ。
