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*toi et moi*

時々、なんとなく思いついたいろいろなことについて...

べべちゃんの本棚 (後編)

2012-02-03 14:52:59 | bibliotheque
べべちゃんの本棚(後編)
前編では日本語の絵本を紹介したので、後編では外国語の絵本を。
コチラの絵本は、ほぼ私の学生時代の趣味。

【英語】
「GUESS HOW MUCH I LOVE YOU」Sam McBratney
 邦題は「どんなにきみがすきだかあててごらん」だったかな。
 大きいうさぎと小さいうさぎの掛け合いがかわいらしいのだけれど。
 べべちゃんはあまり...だったらしい。

「Today Is Monday」 Eric Carle
 邦題は「月ようびはなにたべる?」
 アメリカの童謡にイラストをつけたものらしい。
 食いしん坊なべべちゃんは、いつも最後のみんなの食事シーンをながめてます。

「My Very First Book of Numbers」 Eric Carle
 上下半分のところに切れ目が入っていて、別々に開ける仕組み。
 上部の各ページには、数字と、その数だけ書かれた四角
 下部は10種類の果物のイラストが、それぞれ1から10こずつかかれている。
 上部の数字と、下部のイラストの数を合わせることによって、1から10までの数を学べる仕組み。
 果物のイラストが好きなべべちゃんは、結構頻繁に眺めていました。
 ただ、名前を聞かれても、日本ではあまり見られない洋ナシやプラムの説明が難しい...

「The Tiny Seed」 Eric Carle
 邦題は「ちいさいタネ」
 一時期かなりお気に入りで、一日に何回読まされたことか...
 男の子が女の子に花をプレゼントするところが一番のお気に入り。

「Draw Me a Star」 Eric Carle
 邦題は「おほしさまかいて!」
 後半の絵描き歌みたいなところで、歌いながらべべちゃんの手を取ってなぞってあげたら、それがかなり気に入ったみたいで。
 そのページを開けて持ってきては、指を持ってなぞれとせがまれる。

「Little Cloud」 Eric Carle
 邦題は「ちいさなくも」
 雲が形を変えて育っていき雨を降らせる話。
 特にここが気に入っている!という箇所はなさそうだけれど、エリックカールつながりでよく持ってきた本。

「The CATERPILLAR and the POLLIWOG」 JACK KENT
 青虫とおたまじゃくしの話。
 「大きくなったら、違うものに変わる」と言いふらす青虫と、それに取り合わないほかの生き物たち。
 おたまじゃくしだけが興味津々で...
 蝶になった青虫と、かえるになったおたまじゃくし。ホントは蝶になれると信じていたのに。
 でも、かえるの姿もまんざらではない様子。
 まだ、内容を読んで欲しいわけではなさそうだけれど、一応パラパラとイラストを見て楽しんでいる様子。
 べべちゃんは蝶とかえるが好きだから。

「Animals should not definitely not wear clothing.」 Judi Barrett, Ron Barrett
 どうして動物が服を着てはいけないのかが、それぞれの動物の特徴を使っておもしろく紹介している。
 べべちゃんはパラパラとイラストを見るのがおもしろいみたい。

【フランス語】
「Le livre des bruits」 Soledad Bravi
 日本語で言うところの擬音語が見開きで1つずつイラストと言葉で紹介してある。
 結構気に入っていて、好きなページを開いては眺めてみたり、実際のものと照らし合わせて確認してみたり、読んでと持ってきたり。

「Le livre des cris」 Soledad Bravi
 いろいろな動物の名前と鳴き声が紹介されている。
 上のbruitsと同じシリーズなんだけれど、こちらはイマイチ受けが悪いみたい。

「La chenille qui fait des trous」 Eric Carle
 邦題は「はらぺこあおむし」
 やはり食いしん坊のべべちゃん。穴が開いた食べ物のページを触ったり、眺めたり。気になるご様子。

「Petit Ours Brun et le pot」
 こぐまがおまるを使う話。途中、座りながら遊んでみたり、お菓子まで食べて、最後はお母さんに見せに行く。
 これに出てくるおまるも、うちのとおそろいの形。
 でも、イマイチ触発されない...

「Petit Ours Brun dit Non」
 こぐまが、お母さんに何を言われても「いやだ」を繰り返す。
 最後にお母さんがこぐまに、「イヤだって言ってばっかりなの?」と聞くとこぐまは「いやだ!いやだ!」
 最後はやっぱりお母さんの勝ち。

「La robe de Noel」 Satomi Ichikawa
 森のもみの木がクリスマスツリーになることを夢見る話。
 文はかなり長く難しいので、べべちゃんは途中で飽きてしまうのだけれど、
 イラストがキレイで、気に入っているのか、クリスマスの頃はよく持ってきてひざの上でパラパラめくっていた作品。


ベベちゃんの本棚 (前編)

2012-02-03 12:35:36 | bibliotheque
ベベちゃんは本好き。
本というか、字が書いてあるものなら何でも好き。
パンフレットでも広告でも、高校の数学の参考書なんかでも(笑)
ぐずったときには何か字の書いてあるものを渡せば、しばらくはそれに見入っていてくれる。
そして、よく分からないのだけれど、ほとんどの場合ちゃんと上下があっている。
上下さかさまに渡してみても、持ち直す。
写真や絵がついているものであれば、きっとそれを見て直しているのだろうけれども...

それまでは私が読み聞かせをするときにしか絵本には触れないようにしていたのだけれど、
1歳くらいのときに試しに絵本を渡してみたところ、やはり、どうにも力の入れ具合がうまくできなかったようで。
ビリッとしてしまったべべちゃん。
自由に絵本を触らせるにはまだ早かったかなぁ...と反省。
そこで、まずは厚紙の破れにくい絵本と、とりあえず本の扱いに慣れさせるために古本屋で本を買って与えたところ、
2~3ヶ月くらいたったころには上手に本をめくれるように。
破らないこと、曲げないこと、踏まないこと、本の大切さ、今ではちゃんと理解してくれているよう。

以下、ベベちゃんの本棚にある本たち。
順番は、適当に手に取った順で...

「0さい~4さい こどもずかん 英語つき」(学研) 
  どうぶつ、くだもの、のりものなんかのイラストとその名前が日本語と英語で書かれている。
  何冊かシリーズで出ているみたい。
  イラストがかわいらしすぎて、リアル感がないのが難。

「くだもの」平山和子 作(福音館書店)
  バナナが大好きなベベちゃん。いつでもバナナが見られるように。かなりリアルな絵が最高。
  ただ、栗って果物なんだろうか...

「やさい」平山和子 作(福音館書店)
  にんじんが好きなベベちゃんのために買ったのだけれど、なんとにんじんが載っていなかった!
  でも、ここに載ってるイラストと本物を並べて見せて名前を言ってみたらすぐに覚えてくれた。
  ただ、ほうれん草はちょっと微妙...

「いないいないばあ」松谷みよ子 作 瀬川康男 絵(童心社)
  結構小さいときに買って読んであげていたんだけれど、ベベちゃんの場合は1歳半くらいからのほうが気に入ってくれたみたい。
  今でも時々持ち出して、私の読むのに合わせて自分もいないいないばあをしながら聞いている。

「おさじさん」松谷みよ子 作 東光寺啓 絵(童心社)
  友達に教えてもらって買った本。絵がかわいくて好き。ベベちゃんもお気に入り。
  「えーん、えーん」の部分や「ふうふうふう」のところは一緒に読んでくれる。

「もうねんね」松谷みよ子 作 瀬川康男 絵(童心社)
  寝る時間になっても電気を消すのを嫌がるとき。この本を最後に読んで、ねんねの時間にするのがうちの決まり。

「がたんごとんがたんごとん」安西水丸 作(福音館書店)
  電車好きのベベちゃんのために。
  すごく気に入っているという感じはないけれど、積み木で電車遊びをしていると、思い出したように持ってくる。

「ねないこだれだ」せなけいこ 作(福音館書店)
  夜なかなか寝てくれなくて悩んでいたときに買ったんだけれど、イマイチ不評だった。
  それが今は気に入ってくれたようで、時計のところと最後の「とんでいけ~」の部分を一緒に読んでくれる。

「きんぎょがにげた」五味太郎 作(福音館書店)
  逃げたきんぎょを探すのは、1歳過ぎにはほぼできるように。
  今ではきんぎょの周りにある様々なものを指差しては名前を言ったり、私に聞いて覚えている。

「わにわにのおでかけ」小風さち 作 山口マオ 絵(福音館書店)
  人生初花火にずっとおびえて泣いていたべべちゃんに、花火になれてもらおうと思って与えた本。
  「よしよしよし」のセリフのところで自分の頭をなでるんだけれど、ここではそういう意味じゃないから(苦笑)...

「わにわにのごちそう」小風さち 作 山口マオ 絵(福音館書店)
  「わにわにのおでかけ」を結構気に入ってくれたので、食べるの大好きベベちゃんのために料理の出てくる本を。
  最近ままごとで遊ぶことが多いので、わにわにと一緒に「じゅうじゅう」と言いながら読んでいる。
  わにわにがキバを掃除するシーンがお気に入り。

「りんごがドスーン」多田ヒロシ 作(文研出版)
  大きな大きなりんごと虫や動物たちの話。ひたすら食べていくのだけれど。
  べべちゃんにはあまり興味がなかったみたい?気に入って買った本だったんだけれど...

「パンツのはき方」岸田今日子 作 佐野洋子 絵(福音館書店)
  ズボンやパンツの上げ下ろしを自分でさせ始めたときに買った本。
  そんなに気に入っている感はないけれど、一応着脱はできるように。

「うんちがぽとん」アロナ・フランケル 作 さくまゆみこ 訳
  おまるで出来るようになればいいなと思って買った本。
  よくあるトイレの本はつまらないし、当然、出たものの絵や出るところの絵は描いていないので、なんだかわかりずらい。
  探して探して、ようやく気に入る本を見つけた。
  ちゃんと体の部分の説明もある。
  イスラエルの作家さんの絵本らしい。
  まあくんが座っている大きいコーヒーカップのような陶器のおまる、
  うちにあるおまると一緒なので、触発されることを願ったのだけれど。
  今のところ、まだおまるですることはなく...

「パパが焼いたアップルパイ」ローレン・トンプソン 文 ジョナサン・ビーン 絵 谷川俊太郎 訳(ほるぷ出版)
  アップルパイ色(オレンジというか茶色というか...)を基調に描かれたイラストが気に入って。
  文はかなり長くて、ベベちゃんはとても最後まで聞けないのだけれど。
  でも、いつかきっとこの言葉の連続、自然の連続が気に入ってくれると信じて。
  イラストはベベちゃんも気に入ってくれていて、毎回同じイラストのページを見て楽しんでいる。
  きっと、ベベちゃんの目にはアップルパイがすごくおいしそうに映っているんだと思う。

「ゆきのひ」エズラ・ジャック・キーツ 文・絵 きじまはじめ 訳(偕成社)
  本屋さんでジャケ買いというか、何と言うか。パラパラと見てすごく気に入った本。
  内容はすごく単純というか、雪の日の子供の行動を描いたもの。
  棒で遊んだり、雪に倒れこんで跡をつけてみたり、一つ一つの行動がすごくかわいらしくほほえましい。
  ベベちゃんの今の一番のお気に入り。ひとりでながめていることも多い。
  買ってから気づいたのだけれど、この作者は「ピーターのいす」の作者でもあり。
  「ピーターのいす」は私が子供の頃にも読んだ本で、いつかベベちゃんにも買ってあげようと思っていた本。
  名作は、いつまでたっても名作なんだなぁ...

「てぶくろ」ウクライナ民話 エウゲーニー・M・ラチョフ 絵 うちだりさこ 訳(福音館書店)
  「ゆきのひ」を買うまでは一番のお気に入りだった本。
  図書館の読み聞かせの会に行ったときに読んでもらった本で、私がすごく気に入って購入。
  てぶくろの中にどんどん住み込んでいく動物たち。
  その非現実なおもしろみはべべちゃんにはまだ理解できないだろうけれど、絵の感じが気に入っているんだろうか...
  でも、最近気になるのが、物語後半のてぶくろの中にいるウサギを指差して「チップ!(ディズニーキャラクター)」と言うところ。
  チップはねずみだし...でも、確かに見えている鼻や口元はチップかも...

「はなをくんくん」ルース・クラウス 文 マーク・シーモント 絵 きじまはじめ 訳(福音館書店)
  いつもおむつをくんくんして、したかどうか確認する私。「くんくん」つながりで買った本。
  全編白黒イラストの中、ラストの1ページだけは...
  気に入ってくれると思ったのだけれど、今のところあまり反応なく。
  白黒のイラストが見にくいのかも。

「はじめてのあかちゃんあそびえほん みいつけた」あらかわしずえ 作(学研)
  4ヶ月検診のときにブックファーストとして市からもらった本。

「くぅちゃんえほん 3びきのやぎさん」古藤ゆず 文 吉沢早織 絵(学研)
  絵本の練習台にボロボロになってもいいようにと古本屋で買った本。
  おそらく底本は「三びきのやぎのがらがらどん」
  でも、一切自分からは開かなかったし、見ようともしない。ずっと眠ったまま。
  私が読んでもイマイチだし。子供だましなイラストのせいなのか何なのか...

「ライオンキング」
  これも古本屋で練習用に買った本なんだけれど、全く見向きもせず...

「わくわく1歳 ディズニーの読み聞かせ絵本」
  古本屋で買って、唯一気に入ってくれた本。
  プーさんページが一番のお気に入り。ミッキーとミニーのケーキ屋さん、果物屋さんもお気に入り。
  そこだけ何度も読まされて。
  今ではもうこの本は卒業かな...

メリーゴーランド

2011-01-25 13:12:32 | bibliotheque
4年以上前に書いた記事、「メリーゴーランド
あの、子供の本専門店メリーゴーランドにやっと行けた。
昨年12月に店主の増田さんと絵本作家のつつみさんの講演があるというチラシを偶然見つけ。
遠かったけれど、そこへ朝早くから足を運び。
とてもステキな話を聞け、大満足。

そこでもらったチラシによると、メリーゴーランドでは毎月作家さんなどを招いてのレクチャーがあるらしく。
その申し込みのためについにお店へ。
あの「天の瞳」の中のあんちゃんのお店のモデルになった実際のお店にやっと行くことができて感動。
お店は決して広くはない。壁一面に子供の本が並べてあって。
入り口を入って、もう私はこのお店のとりこ。
もっと早くにここを訪れていたら。
私好みの本があっちにもこっちにも。
入り浸りたいくらい。
本屋を真ん中に挟んで両隣にはカフェとおもちゃのお店。
おもちゃも、電子的なおもちゃではなく、木を使ったものがほとんどのよう。

さて。初レクチャーの先生は、何と今江祥智先生。
あの、教科書の中の活字でしか見たことのない方と実際にお会いできるなんて。
ホントに信じられない。
講演は、ご自身の幼少期からの今までの本とのかかわりについてでした。
大阪生まれらしく、大阪弁でお話もおもしろく。
しっかりサインまでいただきました。

このとき、増田さんから来年度のレクチャーの予定も教えていただき。
何と4月には私の大好きなあの作家さんがいらっしゃるとのこと。
これはぜひ申し込まねば。
彼女が話してる姿なんて全く想像できないけれど。
感動で涙が出そう。
7月にも気になる方がいらっしゃるらしいので、忘れないようにしないと。
あぁ、もっと早くこのレクチャーの情報を知っていたら。
悔やんでも悔やみきれず。
でも、まだこれからがある。
実家からなら意外と近かったれど、自宅からはちょっと距離があるし。
ベベちゃんも小さいからそう頻繁には行けないけれど、
月一くらいで行けたらいいかな。
毎月私好みの本を買い揃えに。もちろんベベちゃんが大きくなったとき用にも。

ちなみに、今回今江先生の講演に行っている間、実母とお留守番していたベベちゃん。
やはり、粉ミルクは受け付けなかったようで。
麦茶だけで5時間。私がいなくても、機嫌よくばあばと過ごしていたそう。
私がいなくても、お腹がすいても泣かないベベちゃん。
親孝行なんだか何なんだか。

2009年3月に読んだ本

2009-04-07 00:29:47 | bibliotheque














■「人はいつから「殺人者」になるのか」佐木隆三著(青春出版社)
■「誰でもいいから殺したかった!追い詰められた青少年の心理」碓井真史著(ベストセラーズ)
■「夜回り先生」水谷修著(サンクチュアリ出版)
■「夜回り先生のねがい」水谷修著(サンクチュアリ出版)
■「夜回り先生と夜眠れない子どもたち」水谷修著(サンクチュアリ出版)
■「冷蔵庫で食品を腐らす日本人 日本の食文化激変の50年史」魚柄仁之助著(朝日新書)
■「魅惑のチョコレート 本場に習うおとなの味」大森由紀子著(雄鶏社)
■「不思議のフランス菓子」大森由紀子著(NTT出版)
■「チョコレートものがたり フランス流チョコレートの楽しみ方」小椋三嘉著(東京創元社)
■「チョコレートの本」ティータイム・ブックス編集部編(晶文社)

先月読んだ本と関連する犯罪系2冊と、それに付随する青少年の問題を扱った夜回り先生の本。
「誰でもいいから…」はごく最近起こった犯罪。秋葉原の事件についても触れている。
犯人がどういった家庭環境で育ったのか。
しかし、同じような境遇で育った人が必ずしも犯罪を犯すわけではなく。
犯罪者になるかならないかは紙一重であり。
誰もが犯罪者になる可能性があり、ならない可能性もある。

いつまでも犯罪系の本を読んでいると気分が沈んでくるので。
しばし休息。
最近気になること→パン、お菓子系。
レシピ本はもちろん。食べ物を題材にした本。
その中でも特にチョコレートに関する本を片っ端から読んでみることに。
チョコレートの今昔。
大昔、どのようにカカオを味わっていたのかや、そこからチョコレートを作るにいたった経緯など。
フランスにおけるチョコレートの変遷のくだり。
貴族内で大流行だったチョコレート。
しかし、だんだんチョコレートの権威は失われ。
チョコレートを飲みすぎて病気になったり、チョコレートのせいで真っ黒な赤ちゃんが生まれたなどという噂。
ちなみに、今のような板チョコが出来たのはごく最近のことで。
昔は飲み物であった。

チョコレートに関する本を読みながら、コーヒーとチョコを味わい。
幸せなひととき…

2009年2月に読んだ本

2009-03-05 10:06:04 | bibliotheque










■「ルー=ガルー ― 忌避すべき狼」 京極夏彦 著 (徳間書店)
■「ヘヴンリー・ブルー」 村山由佳 著 (集英社文庫)
■「新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺」 柳田国男 著 (角川文庫)
■「心にナイフをしのばせて」 奥野修司 著 (文芸春秋)
■「少年にわが子を殺された親たち」 黒沼克史 著 (草思社)
■「そして殺人者は野に放たれる」 日垣隆 著 (新潮社)
■「なぜ「少年」は犯罪に走ったのか」 碓井真史 著 (ベストセラーズ)
■「裁かれた罪 裁けなかった「こころ」- 17歳の自閉症裁判」 佐藤幹夫 著(岩波書店)
■「なぜ家族は殺し合ったのか」 佐木隆三 著(青春出版社)

「ルー=ガルー…」は近未来を想定して作られた話。
1999年に読者から公募された2030~53年のイメージを起用している。
こういう商品ができているのでは?こういう世界になっているのでは?といった。
人とのリアルな接触が非日常になった世界で、ある事件をきっかけとして実際に接触しなければならなくなった人たち。
登場する若者たちは何かにつながっていないと不安になる。
でも、それは人との結びつきではなく、端末という機械。
それによって常に自分の居場所を確保、確認する。
でも、そこには本当のつながりなんてない。
リアルコンタクトを繰り返すうちに何か感じるものが…
現代で言うと、常に携帯を持って誰かと連絡を取っていないと不安になる若者たち。
この物語の世界に近づいていっているのかも…
リアルコンタクトを欠いた世界。
人は、人との接触を持ってこそ人として成長していくもの。
京極作品ということで、かなり分厚い本。読み応えあり。
内容は他の妖怪をモチーフにした作品とは趣を異にするけれど、本質は変わらないと思う。

「ヘヴンリー・ブルー」は村山さんのデビュー作「天使の卵」の続編というか姉妹編というか。
おそらく、映画化を機に作られた話なのかと。
でも、いい加減「天使の卵」から卒業してもいいのではないかと。
あくまで個人的意見。

「遠野物語」は遠野地方(現岩手県)に伝わる昔話(伝承・言い伝え)を友達に聞いてまとめたもの。
○○さんのうちでは昔こういうことがあったから、今はこうなっている云々。
こういう昔話、今はもうなくなってしまって。
少し残念な気がする。
風習や祭りには起源があったはずで。
そのうち、なんだか分からずにイベントのようになってしまい。
挙句の果てには本来の意味とはかけ離れていったり、廃れていったり。

上記3冊以降は、すべて犯罪に関する書籍。
特に少年が関するもの。
事件の真相が知りたいというか、私は犯罪を犯した少年の心理が知りたくて。
最近だとすぐに精神鑑定にまわされ、心身耗弱・心身喪失と判断され減刑・無罪となってしまう。
なんだか、それが私には理解できなくて。
大体、犯罪を犯す時点で通常の精神状態というのはありえないのではないかと。
「魔がさす」という言葉があるように。
心身耗弱、喪失状態にあったとして。
もし、そうならば。犯罪者をそうした状態にせしめた原因は一体何なのか。それを考えたい。

「心にナイフをしのばせて」は被害者家族の苦悩を描いたものなのだけれど。
でも、書かれていることが、それは被害にあったことが原因なのかどうか疑問に思う点が多く。
ひたすら被害者の妹の素行について書かれているだけで。
それも、犯罪にあったからというわけではなく、個人の性格の問題のような…

神戸の事件以降、少年法の問題が取り上げられ。
事件の年代順に読んでいないので、法律の改正や事件のマスメディアへの取り上げられ方などがバラバラで。
少し読み方を失敗した。
これだけでは、全然私の知りたいところに届いていない。
おそらくプライバシーの問題などで事件の真相に踏み込めないのだろうとは思うけれど。
まだまだ読みたい本があるので、もう少し読み込みたい。

最後の「なぜ家族は殺し合ったのか」はかなり恐ろしい。
2002年の小倉少女監禁事件の話。著者が裁判を傍聴してまとめた。
こんな事件が実際にあったかと思うと、大げさではなく身の毛がよだつ。
リアルに感じられない。本当に衝撃の一冊(事件)

今週読んだ本(2009年1月12日~1月18日)

2009-01-21 13:00:50 | bibliotheque
■「日暮らし 上」 宮部みゆき著 (講談社文庫)
■「日暮らし 中」 宮部みゆき著 (講談社文庫)
■「日暮らし 下」 宮部みゆき著 (講談社文庫)

前作「ぼんくら」の続編というか、完結編というか。
江戸を舞台にした、私が好きな宮部さんの時代物。
最初は、本編とはあまり関係なさそうな、でも実はちゃんとつながっている短編があり。
嘘に嘘を重ねた末の顛末。
深川の同心、平四郎の甥の弓之助の成長ぶり。
読みどころ満載。
江戸の町に住む人々の、普通の生活の中の悲喜こもごも。

今週読んだ本(2008年8月4日~8月17日)

2008-08-26 22:16:16 | bibliotheque
■「さまよう刃」 東野圭吾著 (角川文庫)
■「夢のあとさき」 村山由佳著 (集英社文庫)
■「暗黒童話」 乙一著 (集英社文庫)
■「約束」 石田衣良著 (角川文庫)
■「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」 森博嗣著 (中公文庫)

1冊目「さまよう刃」はかなり考えさせられる話。
罪もない娘を無残に殺害された父の復讐の物語。
何が正義で何が悪なのか。
これから始まる裁判員制度にもつながるのでは?
犯罪者は法によって裁かれ、法によって守られ。
では被害者は?何に救われるのか?

「夢のあとさき」はおいしいコーヒーのいれ方シリーズの10作目。これで、第1シーズンの完結。
このシリーズ、だいたい1年に1冊のペースで発刊されていて。
もう10年...
不器用な勝利とかれんの気持ちのすれ違い。なかなか進まなくてもどかしい...

「暗黒童話」は乙一さんの描くホラー。
読み始めて、久しぶりのホラーにワクワク。
「おもしろい」の一言に尽きる。
ホラーといっても、グロテスクな感じはなく。すっきりさくさく読み進められて。

「約束」は短編集。
何か心に傷を負った主人公があるきっかけ、人との交流によって前に進みだす物語。
最初の一歩は苦しく辛い。
でも、それを乗り越えたら違う何かが待っている。
もちろん、その先だっていいことばかりじゃないかもしれないけれど、同じ場所にとどまるよりは断然建設的。
勇気を出すきっかけは、ほんの些細なことだったり。
自分の殻に閉じこもるのではなく、少しでもいいから目先を遠くに延ばしてみると何か気づくことやいいことがあるかも。

「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」は同名タイトル映画の原作。
映画を見てから原作を。
というのは、映画が思ったものというか、チラシに載っていた紹介文から描いたイメージと違うものだったから。
途中睡魔に負けてしまったせいもあるかもしれないけれど...
ということで、原作で確認。
むむぅ...やはり違う。
特に内容のある話とは思えず。私の理解力を超えた深い話なんだろうか。
2作目、3作目を読めば、もっと入り込めるんだろうか。

今週読んだ本(2008年7月17日~8月3日)

2008-08-02 23:14:32 | bibliotheque
■「誰か Somebody」 宮部みゆき著 (文春文庫)
■「覘き小平次」 京極夏彦著 (角川文庫)
■「ボッコちゃん」 星新一著 (新潮文庫)
■「風味絶佳」 山田詠美著 (文春文庫)
■「愛がいない部屋」 石田衣良著 (集英社文庫)
■「間宮兄弟」 江國香織著(小学館文庫)
■「赤い長靴」 江國香織著 (文春文庫)
■「夕闇の川のざくろ」 江國香織著 (ポプラ文庫)

「誰か Somebody」はある事故をきっかけに始まる物語。
確かにその事故を辿って、事故の全容は明らかになるわけだけれど。
主はこの事故ではなく、この事故に少なからず関わる人々の、それぞれがそれぞれを思う「情」。
恋人や妻に対する愛情、実の親子の情愛、義理の親子の情、兄弟に対する情、友達に対する情、主従の情、隣人に対する情などなど。様々な情が錯綜する。
人の気持ちは、難しいと思う。
大体、自分自身でさえうまくつかめないことが多々あるのに、他人の情まで分かるわけがなく。
人というものはどうも自分の都合のいいように解釈してしまったり。
当事者になると余計に判断を見誤る。
この物語では主人公が第三者的に様々な人と係わり合い、それぞれを取り持つ形で話が進む。
人を慈しむ気持ち、憎む気持ち、羨む気持ち、愛する気持ち、尊敬する気持ち、疑う気持ち...
気持ちって、あまり公にしすぎても問題だし、秘匿しすぎても問題。
私はどちらかというとあまり表に出さないタイプ(だと思う)大事なことほどその傾向が強いかも。
と、話がずれたけれど。
性格の大きく違う被害者の姉妹。最後は少し切ないというか悲しい終わり。
実の姉妹で、実の姉妹だからこそ?それぞれを勘違いして。羨み。

「覘き小平次」もある愛の形を描いた話。巷説百物語のシリーズに出てくる又市や治平なども登場する。
分かりやすい愛ではなく、少々屈折した愛を描いた物語。
なんだか、悲しさを覚えた私。
京極氏の小説ではよく見られるように、登場人物が少しずつ、でも簡単ではなくそれぞれと関わりを持っており、後半に差し掛かるところでその関係が明かされる。
どの関わりも、物悲しく。
その悲しみゆえの、屈折した愛情表現なのかと思いつつ...

「ボッコちゃん」は日本語能力試験(日本語を学習している外国人の日本語能力を測る試験)の長文問題で初めて読み。
結末のちょっとしたユーモアにはまり。今回文庫を購入。
SFが多く。何となく手塚治虫を思った。

「風味絶佳」は久しぶりに読む山田詠美さんの作品。
恋愛をテーマにした短編集。
主人公はそれぞれ肉体を使った労働を行っている男。若いのから中年まで。
それぞれが仕事に真剣に取り組んでいる。自分の仕事に誇りを持って。
そんな仕事をしながらのそれぞれの恋愛事情。
信じられない話アリ(「春眠」)やはりどの短編も物悲しく終る。
恋愛というのは悲しいものなのかも...
一見幸せそうでも、奥をのぞくと悲しみが見え隠れ。

「愛がいない部屋」
何だか、恋愛テーマの話がかぶった。
こちらも短編集。ある高層マンションの住人を主人公にした物語たち。
同じビルに住むそれぞれが対峙している恋愛模様。
ただ、この物語たちが、他の物語と違うところは、最後には主人公が希望を見いだすというか、前に向かって進んで行こうとするところ。
悩みや苦しみを乗り越え、前向きに。

「間宮兄弟」はそれまでの江國さんの小説とは少し様相を異にしていると思った。
まずは主人公が中年とまではいかないかもしれないけれど、30代の男2人兄弟だというところ。
でも、この主人公が自分たちの思うまま生活しているところは、彼女の他の作品と同様で。
自由さが好もしく、少し悲しく。
現実にこんな兄弟がいたら...私は近づいていくだろうか。なるべく関わらないようにしようとするだろうか。
この話の中にも、この兄弟との関わりを敬遠する人アリ、おもしろがって近づく人アリで。
彼らの日常をつづった物語。人々と関わることによって、少しずつ成長が見られる二人。
現実の世界で私たちも、こんな風に成長しているんだろうか。自分ではそれと気づかぬうちに。

「赤い長靴」も短編集。ある夫婦を主人公にした連作短編集。
ほとんどが妻からの視点で書かれているが、同じ出来事がそれぞれの視点から描かれていたりも。
それぞれが同じ場面でどう思って、考えて、感じていたのか。おもしろい。
気持ちのすれ違いのようなものを感じ、やはり悲しくなった。
すぐ隣にいるのに、全く違う場所で生きているような。
甘えん坊の夫。何だか自分に似ている気がした。
この夫婦、ギリギリのところを歩いている気がするけれど、落ちそうで落ちない。
それが結婚?結婚って?夫婦って?
最近、私がよく考えること。
「一人でも十分生きていけるんじゃないか」ということ。
わざわざ他人と寝食を共にする理由って?

「夕闇の川のざくろ」は人を信じない「しおん」の話。
「嘘」を「物語」と呼ぶしおん。
「人なんてもともとほんとじゃない」というしおん。
しおんが紡いだ物語を語るしおんの友達。

「この世にほんとなんて存在しない」

分かるような分からないような。
つまり、分からないってこと。

上機嫌の作法

2008-06-09 15:41:09 | bibliotheque
何かおもしろそうな本はないかと検索していたところ、目に留まった本。

斉藤孝著『上機嫌の作法』(角川書店)

ここに表示されている本の概要しか読んでいないけれど、多分書いてあることは当たり前のことなのではないかと…
読む前に評するのは、かなり気が引けるのだけれど。

ここからは、自分の体験。
ベトナムに来て、いろいろな人と接して。
そう多くはないけれど、私のことを気に入ってくれる人がいて。
(恋愛対象ではなく、人として)
理由を聞くと、「フレンドリーだから」とか「いつも笑顔だから」とか。
で、この間まで一緒に働いていた日本人(女)
彼女は、何が気に入らないのか常にふてくされたような顔をしていて。
それもあって、一緒に働いている私たちは彼女があまり好きじゃなくて。
その行動や表情がさらに状況を悪化させていたことに気づかなかったんだろうか。

この間、別のセンターの責任者の人と会って、ぜひ働いてほしいと言われて。
そのときも、「笑顔がいい」って言われたし。
考えてみると、そういえば日本にいたとき美容院でも言われたことがあったのを思い出して。
「いつも笑ってていいねぇ。」って。
会社辞めるときに友だちからもらった寄せ書きにも書いてあったし。
結構無意識なんだけれど、私は基本笑顔でいるらしい。

でも、私もいつも誰にでも笑顔を振りまいているわけではなく。
っていうと、前言の「無意識」ってところに矛盾が出そうだけれど。
嫌いな人、自分とは合わないと思った人に対しては「意図的に」嫌悪感を出す。
絶対顔は見ないし、話しかけない。
万が一話しかけられた場合でも、すぐに切る。
相手に対して、「関わるなオーラ」を全開にする。

センターで私がいつも笑顔でいるのは、みんなのことが好きだからというわけではなく、
「嫌いじゃない」というのが本音かと。
「生理的、本能的に受け付けない部分がない」ということ。
彼らの考え方、行動の仕方について、私のパターンとの違和感があまり感じられないということ。

とにかく、不機嫌な表情よりも、笑顔でいたほうが相手に対して好印象なのは当たり前。
だから、いい環境の中にいられるし、自然にいいものが自分のほうに舞い込んでくると思う。
私が今、みんなに必要に思ってもらえてるのも、外国で特に不自由なことなく生活できているのも、そのおかげなんではないかと。
八方美人は決していいとは思わないけれど。
自分の信じた方向に合うところに対して美人でいれば、
自然と道が開けていくような気がする。

これって、悪く言うと「要領がいい」ということ?

今週読んだ本(2007年7月9日~7月15日)

2007-07-17 12:26:25 | bibliotheque
■「隠し剣 秋風抄」 藤沢周平著 (文春文庫)
■「続・もしも・・・あなたが外国人に「日本語を教える」としたら」 荒川洋平著 (スリーエーネットワーク)

「秋風抄」は隠し剣の1冊目「孤影抄」よりも物悲しい作品が多かったように思う。

前作「もしも・・・あなたが外国人に「日本語を教える」としたら」の続編。
前作で突然日本語を教えることになった3人が、本格的に日本語教師を始めてからの話。
様々な問題に直面して、それを勉強会で他の日本語教師の人たちと考える。
ただし、この本の中で回答は一切示されていない。
問題提起のみ。
そこから先は自分で考えろということか。
確かに、「コレ」と言った答えは存在しないだろうから。