キミがほしがったもの

アポロの散歩を終え、足を拭き、体を拭きおわると、
私は洗面所へ、アポロはコタツへと潜って行きました。

私はてっきりアポロがそのままコタツの中で寝ているものだと思って、
安心して洗面所で手を洗ってると、なにやら外から、

ガタッ…、ゴトン…、パキッ…

というような音が聞こえてまいりました。

ん…？今まで聞いたことのないような音だぞ…。

どっから聞こえてくる音だ？
家の中…？外…？

あ、ひょっとしたら屋根から雪が落ちてくる音かな…？

と、楽観的に考えて改めて部屋に戻ってみると、

パキッ…、ボコ…、バキバキ…

と、その音がコタツの中から聞こえてくることが判明…。

「おいおいおい、アポロさん、コタツの中で何やってる～？」

と、コタツの中を覗いてみると、

アポロがおやつ入れのケースをかじってました☆


アポロ　「♪ふふ～んふ～ん　ふふ～～～～～ん♪」

「えええ～っ！？なんでそんなのかじってるのアポロ！？」

すぐに回収すると、ケースのフタがもうボロボロに噛み砕かれておりました。

で、中身はカラ…。

しまった…！
きっとおやつのケースを
アポロの手の届くところに置き忘れちゃってたんだ…！

と思っておやつが置いてあった場所を確認すると、
あら…？おやつはケースごと無事に残ってました。

要するにアポロ、おやつの入ってないカラのケースをたまたま見つけて、
中身があるものだと思って必死にケースを噛み砕いていたようです。



アポロ…、なんでまた今日は急にそんな行動をした…？

たしかにこのカラのケースは、
アポロの手が届くところにいつも置いてあるけど、
今まで一度もいたずらしたことなかったじゃん…。

あ～、もしかしたらこの中に何かが入ってる気がしたんだね…？

そうか、そんなに知りたかったんだら打ち明けるよ…。

この入れ物の中にはね、

ぼくたちの“夢”が入ってるんだよ。

目には見えないけど、大切なものだから、
もう勝手に開けちゃだめだよ…。

そう優しく教えてみたんですが、
はたしてアポロは納得してくれたでありましょうか…（笑）。

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