以前紹介した“丽乐团”と同じく散開したオリジナル十二楽坊のメンバー3人で結成されたユニット“名乐心(Alive2)”の“重生(～Again～)”です。
“丽乐团”は楽坊時代の所属事務所を離れたみたいですが、こちらは事務所に残り活動しているようです。
正直な話日本版は持っていませんが、たまたま見かけたので(日本版とジャケ写変わらんかった(笑))たまたま買って来ました。
まぁ、基本的には“３人でどう言った音楽をやっているのか？どう言ったアレンジなのか？”と言う所に興味があったと言うのが
本音ですね・・・指向が楽坊と変わらないのであれば、長期的に展開するのは難しいと思ったからです。
何故難しいか？私なりの考えですが、十二楽坊のデビューアルバムがダブルミリオンを達成し時代の寵児になった頃は
今のように中国民族楽器は殆ど浸透しておらず、楽曲も(日本向けカバーを除いて)オリジナリティに溢れていました。
楽坊をご存知の方で“女子十二楽坊の曲と言ったら？”と聞けば、おそらく八割方“奇跡”か“自由”を上げるでしょう。
オリジナル楽坊最後のツアーとなった2007年の日本ツアーでも、ステージのラストは必ず“自由”でした。
オリジナル楽坊が尻すぼみ的に知名度が下がり自然消滅に近い形になった一つの要因には“自由”や“奇跡”を超えるような
オリジナル曲を生み出せなかった、また一般受けの為にアルバムコンセプトを崩してでもカバーを入れた
その辺りにあるのではと考えています。優れたオリジナルが多数あればこそ生きるのがカバー曲だと思っていますので。
例を挙げればサイモン＆ガーファンクルの“コンドルは飛んでいく(El Condor Pasa)”ですが
数々の優れたオリジナルを発表し、且つ優れたアレンジ有りきで生まれたカバーヒットですから(民俗音楽ですし)
また“夢よもう一度”ではないですが、やはりサポート楽器とカバーから離れられていないのがネックかと考えます。
(サポート楽器は打楽器系のみでかなり抑えられてはいますが)
中国民族楽器の音色が浸透してしまった今、一切のカバー曲を捨ててむしろ中国古典音楽を現代風にアレンジした方が
興味を持つ人は確実に増えると思うんですけどね、私は(むしろ新鮮に聴こえると思います)
さもなくば、優れた作曲家やアレンジャーを迎えて“名乐心(Alive2)ならでは”の音楽を生み出す事が大事だと思います。
楽坊の全盛期に様々なフォロワーが出現しましたが、今は楽坊メンバーが楽坊のフォロワーになっている感じです。
個人的には、デビュー後すぐに行われた旅行社で企画されたツアーで行われた演奏会を音源とした“世界名曲劇場～第一幕 中国民謡集～”のような
楽曲を中心に展開して行けば、もっと息の長いユニットとして続いていたのでは？と考えずにいられません。
個人的な力量は、それぞれの楽器でソリストとしても充分通用するだけの力を持っているだけに、残念に思えてなりません。
・・・ネガティブな事ばかり書いてしまいましたが （＾＾ゞ各個人の演奏力は凄いですね。
特に、とある事情で休養していた“張爽(ジャン・シュアン)”の琵琶は圧巻の一言に尽きます。
まるで今まで演奏しなかった(出来なかった？)鬱憤を晴らすような演奏はもんの凄いです。
2005年の台湾公演で演奏された“十面埋伏”のイントロに演奏している古典演奏のソロの凄さを彷彿させます。
話は少し逸れますが“S.H.E”も“十面埋伏”を歌っていますが(こちらはオリジナル楽曲です)イントロの琵琶が余りにもショボく聴こえて
張爽の“十面埋伏”に差し替えたmp3ファイルとＭＶを作ってしまった程です・・・アホでしょ？(笑)
こんな事を言うのも何ですが、初心者と超大物くらいの差を感じてしまいました...S.H.Eの曲で演奏してる方、すんません。
つまりは、演奏力が優れている分楽曲に恵まれていないのが惜しいと言う感じですかね？
一度商業音楽のステージに立った人は、中々そのステージから降りる事が難しいのかも知れませんが
出来うるならば、元いた場所に戻って素敵な音色を聞かせて欲しいと願っています。
このアルバムもそれなりの良さはあるんですけどね・・・
余談：そう言えば新生楽坊はどうなってるんでしょうねぇ？
前に孫副社長が“今レコーディング中だよ”と言っていたんですが・・・
【重 生】
(CD)
01 君恋
02 火
03 倒淌河
04 单身女郎
05 飞雪
06 花裙子
07 流沙
08 将军令（推荐曲目）
09 青花瓷（推荐曲目）
10 加勒比海盗（推荐曲目）
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