上田力 「クロス・トーク」

作・編曲家、ピアニスト:上田力とスタッフが徒然なるまま語ります。

年頭にふさわしいライヴを聴いた

2009-01-04 | live schedule

年が明けて、このまま順調にオバマ大統領の ゛Change ゛が実現すれば、少しはマシな世の中に ゛変わる ゛のかナと思っていた矢先、元日の生中継TVで、ダニエル・バレンボイム指揮の、恒例<ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート>が、 ゛恒例の ゛とは一味変わった演奏で、とても良い気分にさせてくれた。

アルゼンチン生まれのバレンボイムが振るからタンゴ的になる…なんていう短絡的なことじゃなく、ヨハン・シュトラウス作品など、ウィーン独特のポルカやワルツが、バレンボイムの大胆な指示で、これがあの曲?と思ってしまうほどの愉快な表情を見せ始め、 ゛踊れる要素 ゛を越えて、 ゛聴かせる ゛という集中度も圧倒的に高め、恒例の ゛ウィーン情緒 ゛とは、ちょっと違う快感を満喫させてくれたのだ。

結果、ボクが勝手に感じたのは、この愉快な ゛変化 ゛は、やはり、バレンボイムがアルゼンチン生まれであるという条件を抜きにしては実現できないものじゃないか…ということ。それは、いままで何人もの巨匠が振っても、この ゛味わい ゛は出せなかった(出さなかった?)…という、ボクが知る限りの事実からも逆算できる。

もちろん、゛良い ゛とか ゛悪い ゛とかではなく、゛表現のアイデンティティ ゛に関して、゛Change ゛の年頭にふさわしいライヴを聴いた(観た)ナというだけのことなんだが…。

最新の画像もっと見る