気ままに一筆

心に引っかかった居心地が悪い出来事や、心の隅で湧き上がってくる日本の風習への思いを感じるままにつぶやいています。

中学生の彼

2023-04-01 18:56:32 | 日記
 中学3年のクラス替えで、初めて彼と一緒のクラスになった。もう50年以上前の事、学年のクラス数が7組あったから、毎年のクラス替えに人見知りが強かった私は、名前と顔を覚えるのに苦労していた。長い顔、ヒョロット背が高く、チョット顔を斜めに傾けて私を見下ろす目は、やさしい馬の目を連想してすぐ名前と顔が一致した。席が隣り合わせになって、英語の授業中、彼は手のひらに『your lips look like a flower』と書いて「チュ!」と口をつけて笑った。隣に座る私もつられて笑った。それを見ていた前の席のクラスメイトが「二人で何やってんの」とニヤニヤした。それだけの思い出。でも、体の力が抜けてほっと温かくなる思い出。中学を卒業してから高校、大学とどんどん離れて、目の前の生活に流されながら噂話も聴かない縁のない人になったと思っていたけど、、。
 3年前、私のLINEに見覚えがある中学の時の名前が入ってきた。招待した覚えも無いので、「あなた誰? ●●って中学の●●?」と返信してみる。「そうだよ。君こそなんで入ってきた。」これがきっかけでLINE交換が始まり、高校時代の先輩が長野の山の中でペンションを運営している事や、年に2回季節の変わり目にマキ集めや必要品の荷揚げの手伝いに数人で出かけて行く事。その中に「彼」もいる事を知った。中学生の彼の顔を思い出しながら元気な事が嬉しかった。いつか会って話したいなと思っていたけど●●のLIENが、「彼」が病死したことを伝えてきた。「なんで?葬儀はいつ?」「●月●日、×××会場」「私行く」
「彼」の家族の事、会場の様子、何も分からない間々会場へ、髪の毛は白くなったけど、長い顔、やさしい目、50年の時間を飛び越えて、とってもし幸せな人生だったんだなと理解できる笑顔の「彼」が迎えてくれた。
 彼には親友MGERUがいた。高校を卒業する前に病死してしまった親友MOGERUは、頭のよい個性的な人、中学の担任に『どうして、3分の1を3回たすと「1」になるのに、0.333333を3回たしても0.999999999で「1」にならないのか?』と質問をして困らせた人。式場に何となくMOGERUが来ている様な気がした。「よかった。幸せで。思い出ありがとう。大切にするね。」




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