気ままに一筆

心に引っかかった居心地が悪い出来事や、心の隅で湧き上がってくる日本の風習への思いを感じるままにつぶやいています。

ACP:(最期は本名で…。)お墓ってなぁに

2024-02-08 16:04:08 | 日記
「さいごは本名で.…。」地方の工務店で、働いていた男性が病死した。「私は、✖✖です。」指名手配者の名を告白する。町の銭湯に通い、顔馴染みと世間話をする。どこにでも居るひとり暮らしのおじさんだった。行き付の飲み屋で「〇〇ちゃん」と呼ばれ、仲間の集まりでは、歌い、踊り、盛り上げ係として楽しんでいる姿がビデオに残っている。1年前位から、体調が悪かった様で、「道路でうずくまって居るところを自宅まで抱えて送った」と答える近所の人の映像がTVに流れている。

「私は、✖✖です。」と入院中の病院関係者に打ち明けた。約50年前に連続企業爆破事件を起こしたテロ組織のメンバーとして指名手配されている人物の名前だ。約50年近く前のその✖✖に関する本人確認の資料は無く、TVは「✖✖と名乗る男」と呼び、「親族にDNAの提出を求めている」「本人しか知り得ない家族構成などの事実を話した」と警察の発表を流す。

男性は、ごく普通の市民として地域に馴染みそれなりに楽しく暮らしていた。本名での生活の20年より、〇〇ちゃんと呼ばれ暮らして約50年間。〇〇としての人生があったはずと思う。最期が迫ってきたと感じた時、それらを全て無にしても本名に戻りたかった。

DNAは「✖✖と名乗る男」と親族とのDNAは、「親族関係に矛盾はない」と言う結果になった。99.999%の確率で親子関係を証明するドラマの様な事はなかった。男性は、✖✖と特定される事無く死亡した。「死ぬときぐらいは、本名で…。」これがこの男性のACP だったすると、男は自分の遺骨を親族の墓に埋葬して欲しかったのではないか。

親族は、遺骨の引き取りを拒否している。✖✖と確信できない遺骨を、また、本人だったとしても「◆◆家の墓」に入れようと思わない。日本の古い家中心の風俗が、男性は「✖✖と名乗る男」と扱われ遺骨は、行政機関で身元不明の遺骨と同じに保管される。
男性は、こうなる事を解って告白したのだろうか。