気ままに一筆

心に引っかかった居心地が悪い出来事や、心の隅で湧き上がってくる日本の風習への思いを感じるままにつぶやいています。

ACP:初めの一歩➀

2023-11-27 22:58:50 | 日記
ACP(アドバンス・ケア・プランニング)は、意思決定支援と訳します。末期がん・心疾患等の最終段階の医療を、患者本人が、どんな治療を望むかを、本人の決断能力が十分な時に医療関係者や家族等の人達に伝え、本人の意思を尊重する治療を行うことを目的としたものです。
 仮に、あなたが病気になり治療方針を決めなければならなくなった時に、医師とあなたの家族が、あなたの最期治療の方針を決めてしまったとしたら、あなたは納得できますか。もしものその時に家族は、あなたの意思を確かめなかったことに後悔や、あなたへの心残りはないでしょうか。

◇約7割が人生の最期を自宅で迎えたいと希望。
     身近な親族等へ約6割の人が、そのことを話していない。


一般的な日本人が、答えている調査結果があります。

ACPは、病気を発症した後で考えるものだと思っていませんか、いえ、もっと手前の健康な時に人生観や死生観を明確にし、今の自分やこれから先の生き方についてやれる事ややりたい事のプランをたてることで前向きな生活を送る目標を持つことです。
そして、あなたと、あなたの身近な人達とが、お互いの意思を伝え合い理解し共有するのがACPです。
ACPは、何時からでも始められます。一度決めた事を何回でも決め直せます。
ゆっくりと自分の人生を見つめてみませんか。



 
最後まで、お読みいただきありがとうございました。


ご感想をお聞かせください。





次回は、ACPの考え方をお話したいと思います。





 

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ACP :日本人の苦手な事

2023-11-19 09:48:33 | 日記
 2021年3月に日本財団が、子ども世代(35歳~59歳かつ、親あるいは義親が67歳以上で存命の男女)と親世代(67歳~81歳の男女)を無作為に選び「人生の最期の迎え方」に関する看取り側の「子世代」と看取られ側の「親世代」にアンケート調査を実施した結果を発表しています。
人生の最期の迎え方に関する全国調査のサマリー
「人生の最期を迎えたい場所」
 ➀一番望ましい場所 
   1位:自宅 約60%          
     理由:一番安心できる場所。最後まで自分らしく過ごしたい。
   2位:医療施設(病院・診療所) 約34%
     理由:家族に迷惑をかけたくない。プロのサポートで安心できる。
 ②絶対に絶対に避けたい場所は
   1位:子の家 約42%
     理由:子供に迷惑をかけられない。
   2位:介護施設 約34%
     理由:年齢が高い人ほど拒否感か高い。
「独居世帯が最期を迎えたい場所」
 ➀一番望ましい場所 
   1位:自宅 43.8%
   2位:医療機関 42.8%
 ②絶対に絶対に避けたい場所
   1位:介護施設 39.5%
「高齢者の生活に対する意識」
 ➀現在の状況や考え: 約8割が「自分に与えられた生を精いっぱい生きようと思う」
                「死ぬときに悔いが残らないような生活がしたい」
 ②今後の暮らし方 : 約7割が「自分らしく生きていたい」
            半数以上が「家族や友人を大切にしたい」「やすらぎのある暮らしがしたい」
「人生の最期を考える際、重要だと思う事」
  ●親世代の約9割が、「無理に治療をせずに、体を楽にさせる事を優先」したい。
  ●子ども世代は、(親が)「積極的な医療を受け続けられること。49.2%」
  「可能な限り長生きすること。43.5%」「少しでも延命できるようあらゆる医療を受けられること。24.9%」を
   望んでいると思っている。
「親の心、子しらず。子の心、親知らず。人生の最期についてお互いの思いにすれ違い。」
⁂ 親は、約8割が人生の最期に「家族に負担をかけたくない。」が子どもは、その実態を知らない。
  子どもは、親に「積極的な医療を受けられる事」「可能な限り長生きする事」を望むが、
  親はそれほど望んでいない。
と調査結果を表現しています。
「親は、約75%が自分の最期について子に話してあると思い 子の約50%は、聞いた覚えがない」 
これまでに「親御さんと/ご家族と」人生の最終段階における医療・療養等について、子ども世代の53.8%、
親世代の75.9%が家族と「お葬式・お墓」「人生の最終段階における、受けたい(受けたくない)医療・療養」
「財産などの相続」「最期の迎えかた」「最期を迎える場所」のいずれかについて話し合った経験があると答えています。しかし、
親世代の75.9%に対して、子ども世代は53.8%とその差が22.1%。親世代が、話し合ったと思っている子ども世代のうち約3人にひとりは、人生の最終段階等について話合ったとは思っていないということになります。
「地域と家が中心」
 一般的に日本人は、自分の死生観について家族も含めて人に話す事が苦手です。古くから家を中心とした日本人の「出る釘は打たれる」と言う諺にもある様に俗習や地域の人達との関わり合いが大切であって、日常生活の中で祖父母や父母のその時(最期)に立ち会う事もあり、近所の人達の助けを借りて、又は、手伝ったりと亡くなった人を弔うのが一般的常識だったのです。改めて「死」について議論しなくとも、お互いに解り合っているという思いと「死」を縁起が悪いと避ける社会通念があたからだと思うのです。
「令和4年「単独世帯」が3割を超え地域のつながりが稀薄に」
 最近、「終活」という言葉を耳にする様になりました。いつか来るその時に、「子供に迷惑をかけたくない。」、「頼れる人(親族、友人等)がいない。」と思っている高齢者が多くなっているからです。
  昭和61年、日本の全国総世帯数は3754万世帯で、そのうち「単独世帯」が682万6千世帯(全世帯の18.2%)でした。令和4年には、全国総世帯数は5431万世帯に、「単独世帯」は 1785 万 2 千世帯(全世帯の 32.9%)に、そのうち「65歳以上の単独世帯」が876万世帯を占め、年々増加傾向にあります。前出の日本財団の調査でも「近所付き合いについて」の問いに、「子ども世代」も「親世代」も約50%が、「ごく少数の人と面識・交流がある」と答えており、人とのつながりが稀薄になっている事が分かります。
「終活の前にACP(意思決定支援)を」
 「終活」は高齢者が、身の周りを整理する事。遺言書を書く事。と思っていませんか。確かに、いつか来るその時に「家族や友人に迷惑をかけられない。」と高齢者は、身の周りの物を整理します。しかし、いつか来るその時は、いつですか。解る訳ありませんし、若い人でも不慮の事故でその時を迎えることもあります。なので、年齢に関係なくACP(意思決定支援)は必要です。
ACP:意思決定支援:(Advance Care Planning)
 ACPは医療・介護関係者や親族・友人と本人が、医療を必要とした時にどんな医療を受けられるか、最期の時に望む医療について話合い共有し、記録しておくことだけではありません。健康を維持し、これからも続けたい事や大切にしている事、自分らしく生きる事の選択を具体的に表す事でもあります。
そして、ACPは、一度だけで決めるのではなく、体調や心境の変化によって何回でも、身近な人達と集まって話し合えるのです。
最初は、自分の意思が定まらず、身近な人に話すことが出来なくとも、何回も繰り返し機会を持つことで、自分自身の事を見つめる事や、自分の死生観を身近な人達に伝えられる手段の一つとなります。


   最後まで、お読みいただきありがとうございます。

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