過ぎるのを待った車の停車する信号の無い横断歩道
指先のタッチが少しはみ出して望まぬページの出るタブレット
伐採をした後知った雑木の名 折に触れては意識に還る
指先のタッチが少しはみ出して望まぬページの出るタブレット
伐採をした後知った雑木の名 折に触れては意識に還る
テレビから出てきた笑いに誘われた独りの笑いの浮く夜の部屋
浴槽へ身を沈めつつ聞きとめる降り出してきた雨の気配を
声太い一羽のあって鴉らの声を交している風の中
浴槽へ身を沈めつつ聞きとめる降り出してきた雨の気配を
声太い一羽のあって鴉らの声を交している風の中
粛々と平成は行くこの次に君と会うのは令和元年
解体の家の跡地のいっぱいの陽ざしの中の風の勢い
その後の眠りのなかなか来なかった記憶残って夢より覚める
解体の家の跡地のいっぱいの陽ざしの中の風の勢い
その後の眠りのなかなか来なかった記憶残って夢より覚める
眼が覚めて見上げる窓の空高く月輝いてまだ遠い朝
よぎり行く花びらあってここからは百メートルほど遠くの桜
焦点の合うまで見つめている花と私の間を横切った影
よぎり行く花びらあってここからは百メートルほど遠くの桜
焦点の合うまで見つめている花と私の間を横切った影
容赦なく今日は明日へ移りつつ風の行く音 猫の呼ぶ声
眼が合って笑みを残して去った人 何時か何処かで見た顔の人
わが裡に錘となって垂れているまだ片づかぬ思いが一つ
眼が合って笑みを残して去った人 何時か何処かで見た顔の人
わが裡に錘となって垂れているまだ片づかぬ思いが一つ