風のたより #122 千葉甫 2019-11-29 13:54:33 | 短歌 踏んぎりのつかないままに一日が過ぎ一日がまた過ぎてゆく 読み取れぬ走り書きしたメモの文字 私が書いたものだけれども 月光に照らされている白い顔あったと暗い窓を見上げる
風のたより #121 千葉甫 2019-11-27 14:42:33 | 短歌 太陽の位置の眩しくなく光る今日仰ぎ見る曇天の秋 灯を消して眼をやる窓のカーテンを透して光る立冬の月 立冬を過ぎた陽ざしに光りつつよぎって行った生命(いのち)あるもの
風のたより #120 千葉甫 2019-11-25 14:00:38 | 短歌 足どりの軽い歩みの続きつつこれは夢だと気づき始める 笑う声聞いて目覚めてその後の静寂(しじま)を聞いている闇の中 考える前に発した一言がこれで終わりを帳消しにする
風のたより #119 千葉甫 2019-11-23 13:56:13 | 短歌 淡々と今日も過ぎつつ窓からの陽ざし早くも色づいてくる 似たように過ぎた今日だが昨日とは違う言葉を日記に選ぶ 聞きとめてその正体を探りつつ聞き耳立てる闇に寝ていて
風のたより #118 千葉甫 2019-11-21 13:52:14 | 短歌 人逝って家が解かれて樹の失せて金木犀の匂わぬ今年 灯を消して闇の中から蛇口より滴る音に呼び戻される 暮れてから降り出してきた雨の音聞きつつ眠る静寂(しじま)に覚める