風のたより #185 千葉甫 2020-04-28 13:57:13 | 短歌 まだ青さ残るバナナのぽつねんとある陳列を過ぎて振り向く 一週間前にもここにこの車駐まっていたと見て過ぎてくる 今日もまだ花は見えない街路樹の七日目ごとに会う花水木
風のたより #184 千葉甫 2020-04-25 14:01:41 | 短歌 右を見て左を見ては右を見る信号の無い横断歩道 一旦は遠くへ消えたプロペラ機の音の戻ってくる春真昼 想いつつ眼をやっていた木の葉群 意思あるような戦ぎを見せる
風のたより #183 千葉甫 2020-04-19 13:56:20 | 短歌 降る雨の音の次第に明瞭となりつつ夜の深まってくる 昨日から同じ時間を指している時計の針にまたも眼の行く 変わりばえしないで過ぎる一日の終わり近くに届いた訃報
風のたより #182 千葉甫 2020-04-16 13:43:46 | 短歌 眠っては覚めては眠って覚めるのを繰り返しつつ夜が明けてくる 手を挙げて挨拶してきた人の顔マスクの白が眼に立つばかり 段ボール箱の間に首入れて隠れた積もりの猫の尻突く