歌う風・・・32 千葉甫

窓に来て
ホバリングしている
蜂を
見つめ続ける
部屋の内から

歌う風・・・31 千葉甫

微睡の前の
雀の声絶えて
暫く音の無い
昼下り

歌う風・・・30 千葉甫

何処にか
たびたび行っては
戻って來る
雀の声との一日
今日も

歌う風・・・29 千葉甫

朝刊の
入れられた音
聞きとめて
目覚めた今は
薄明の刻(とき)

歌う風・・・28 千葉甫

窓からの
強い匂いは
剪定の
枝からのもの
通り隔てて