風のたより #177 千葉甫 2020-03-29 13:57:51 | 短歌 歩くのも遊びであって幼子の体の弾む春風の中 先ほどから聞こえ続ける旋律へ徐々に焦点結ぶ曲名 トランプを手にすることのなくなってコンピューターで遊ぶソリテア
風のたより #176 千葉甫 2020-03-26 13:57:09 | 短歌 窓からの床への陽ざし眼に見えて短くなって今日は春分 雑草と呼ばれる草の道端に黄色の小花つけて輝く わが窓から見えない近くでサイレンの停まった闇に聞き耳立てる
風のたより #175 千葉甫 2020-03-23 13:53:07 | 短歌 横断の私のために自転車を停めた女(ひと)から笑顔も貰う 手を取って引き起こされる瞬間に覚めて白い灯見上げてひとり 記すべき一つがあったと日記帳閉じてほどなくしてから思う
風のたより #174 千葉甫 2020-03-20 13:54:53 | 短歌 軽く音立てつつ床を転がってアルミの硬貨日向で光る 抛られて光った水の自らの影に砕けて地中に沈む 眼を閉じていた私から脱け出した思案の後に入った微睡
風のたより #173 千葉甫 2020-03-17 13:59:27 | 短歌 唸り合う猫の声くる眼が覚めて次の眠りを待つ真夜中を 久々に雀の声を聞いたのは現(うつつ)か朝の目覚めの際に マスクしてコンビニへ行くマスクしたレジの係へ代金払う