水にただよう浮草日記

自称文人、でもあっちへこっちへ行方定まらない。そんな浮草が芝居、映画、文学、美術、旅に関してのコメントを書き連ねます。

映画「21世紀の資本」

2020-06-15 13:49:42 | 日記・エッセイ・コラム

数か月ぶりで映画館へ足を運んだ。
「21世紀の資本」
まずは勉強。
NHKBSでやっている「映像の世紀」のような手法で、トーマスピケティの「21世紀の資本」を分かりやすく映像化したもの。不平等の拡大を歴史的にデータを元に分析して示している。
富を世襲している一部の金持ちやグローバル企業の社長などが不動産や金融資産で富を増やし続ける額と、その他一般労働者が額に汗してあくせく働いた額の差がドンドン開いていくという話。何もしなくても株式投資、不動産で資産が増えているにもかかわらず、タックスヘイブンのケイマン諸島などに本社を置いて、ほとんど税金を払わずに国家の福祉の恩恵を受けているということを、集めた映像や映画のシーンをつないで示している。加古隆の「映像の世紀」の音楽が入れば完璧だった。
これを金融資本主義と言うらしい。
そんなに金を持っていても使い切れないでしょう、と思うのだが、人間というやつは金を持てば持つほどもっと必要になる代物らしい。しかも持てば持つほど自分が偉いと思い、貧乏な奴をバカにしていくものらしい。老子の「足るを知る」の真逆のあさましい姿。
新型コロナでその格差が、歴然と示された。
この映画のワンカットにあったように、世界は映画「エリジウム」の状態に近づいた。厳しい砂漠のような気候の下、AIにコントロールされた地球で、マットデイモンら貧しい人々は肉体を酷使し働かされ、一部の白人、ジョディフォスターなどが美しい衛星でそれらの労働で得たもので健康的に暮らしている。
みんな今の格差社会分かっているだけれど、何も変わらない、変えることができない。
今日なんとか生き延びればよしとしましょう、ていのものだ。


二子玉川の映画館へいったら、マスク着用、サーモで体温を確認された。
広い場内に、客は私を入れて3人しかいなかった。
映画をゆっくり見るなら、今がチャンス。