冷たい雨が降った夜、久々に御茶ノ水へ行った。 朗読を一緒にやっている友人に無料だからと誘われ、明治大学へ行ったのだ。友人は事前予約でチケットを手にしている。第十二回明治大シェークスピアプロジェクトなるものだった。若い人たちで溢れかえっている(もちろん、中高年もいる)、こんなにたくさんの若者を見たのは、久しぶりだ。100人以上の明大生たちがスタッフ、キャストを担い、シェークスピア劇を催すのだ。立派な舞台だった。自前の舞台のセットもすばらしいし、音楽は横でパーカッションの生演奏でダイナミック。たくさんの役者たちが、スピード感ある立ち回りをしつつ、大きな声をだし、セリフ回しもうまい。題目は第一部がヘンリー六世、第二部がリチャード三世だ。
プロジェクトといういくらい、大きな催しだ。 12回もやっていたそうだ。12年目。
何よりも驚いたのは、その威容な大学の建物だ。 何十年も前、2階くらいのぼろい講堂で文化祭や集会で床が抜けそうになっていたところが高層ビルとなり、まるで巨大商社か何かのようになっている。その中にフォーラムのような大きなホールがあり、そこで行われているのだ。私は行く前に、サークルのようなもので、小屋のようなところでやるものだと思っていたので、驚いた。私のアナログぶり、時代錯誤ぶり、学生芝居=小屋と思っている自分が、シーラカンスのように思えた。
神保町から帰るので、揚子江菜館で冷やし中華を食べた。昔と変わらない味だった。