栃木発「ちゃりあん」ブログ

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特別許可! 二度と登れない山へ・・・ 藤荷田山を行く  

2014年04月28日 23時08分32秒 | 山歩き
栃木県の山歩きを語るとき

「あそこわねぇ・・・」と一目置かれる山がある。



那須塩原市

旧・西那須野町に位置する「藤荷田山」がそれ。


幻の山ともいわれる

それはそれは「難攻不落」の山。


それもそのはず。


この山は

独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所 の敷地内にあるから。


国道400号線を北上


西那須野塩原インターを越え


千本松牧場の向かい

道路・左側にある広い施設が「畜産草地研究所」。



藤荷田山は


実際にはそこから南東、東北道沿いにあるが



敷地内にある以上、勝手に登ることはできない。




・・・・・・


震災前から


僕はここの登頂を楽しみにしていた。


実は


研究所の「公開デー」が毎年秋にあり


なんと「藤荷田山公開バスツアー」なるイベントがあった。



ちょうど、その時はスケジュールが合わず断念。



悲しいかな、その後


口蹄疫という牛の病気が大流行し


防疫という関係で


2010年から藤荷田山には立ち入りができなくなってしまったのである。


そこへ震災が発生。



それどころではなくなってしまい


月日は流れました。



先人のブログには


「不法侵入」を認識しながら藤荷田山を目指した人がたくさん見受けられる。


さすがにそれを許すわけにはいかない。


藤荷田山周囲には防護柵があり


「入ってはいけない」ことは


誰でもわかる状態。



それでも立ち入ることは犯罪にほかならない。



「いま、その時が来た」


僕は


公式に研究所へ交渉し


「今回限り、かつ、職員立会い」という条件で藤荷田山への入山を許可された。






栃木県畜産酪農研究センターの通常入口の脇・・・



立ち入り禁止のゲートの先に



藤荷田山はあるようだ。







すぐに施錠をされ入場。



職員のクルマに先導され



約5分ゆっくり砂利道を進むと





一段上の盛り上がった部分が


標高330メートルの「藤荷田山」山頂らしい。






風向計のみが残る。



ここには研究施設があったが


いまは取り壊されている。





更地。なにもない。





すこし盛り上がった部分に杭はあった。


だが


藤荷田山は三角点がないので


正式な最高点はわからなかった。






大きな木の下が


いまの最高点となる。







山頂からの眺望。


緑の芝草の部分を



過去にはバスツアーでたくさんの人が歩いたようだ。


今回は


そこまで許可がもらえなかった。





クルマを停めた部分の緯度。



先人のブログに登場する「石祠」は見当たらなかった。


職員の方も「知らない」と言う。


いま思えば


山頂の北側、


柵の外の林の中にあったのかもしれないが



もう


それを確認することは二度とできない。


あきらめるとする。





一本道を


再び先導されて下山する。





立会いの状況で



撮影の自由はあったが



今思うと



ほとんど肝心な記録が撮られていないことに悔いが残る。



最高点のGPS計測も忘れ


石祠の確認もしなかった・・・






下山途中で


車内から撮った「藤荷田山」の山腹。


左奥に山頂がある。





ゲートを通過後


再び施錠され


藤荷田山は幻の山となったのである。





ちなみに


藤荷田山の標高は2つの表示がある。


これは


もともとの最高点と


研究施設建設により「平らに整地」したことによる高さ減少の結果と思われる。


三角点がない以上


公式なものは


次の測量にゆだねられるわけだが。。。



・・・


参考までに


藤荷田山から、やや東に位置する「愛宕山神社」を登ってみた。





入口にはクルマが1台分のスペースあり。





なかなかな石段を登ります。





石段を寄進したことが書いてあるようだ。





GPSでは愛宕山神社の標高は309メートル。





緯度経度も確認。




石祠は2つあった。


もしかして藤荷田山のものも移されたか?


もともとあったものか???






東北道の側道から藤荷田山の姿が観られる。



ほんとうは


入口から歩いて山頂を目指したかったが


施設内にある以上、その条件は制約されてやむを得ない。



悔いは残るが



震災後、初であろう公式な入山は


こうして終了いたしました。



なお


藤荷田山へは今後、許可は一切受け付けないそうです。


防疫上の理由が最大ですが


不法侵入された方がいらっしゃることが影響していることは


事実であるかもしれません。




くれぐれも罪を犯さないよう


お気をつけ下さい。




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