栃木発「ちゃりあん」ブログ

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那須「八幡つつじ吊り橋」から見える通れない橋をご存知ですか? 【立ち入り禁止のその先を追う】

2014年05月25日 21時56分32秒 | 立ち入り禁止エリア
那須高原で

いま一番「旬」なスポットとして挙げられるのが


那須町八幡にある「つつじ群落」。


かつて放牧場として利用されていたが


放牧馬が「有毒なつつじ」を食べなかったことから


「つつじ」だけが残り


広大なつつじの鑑賞スポットとなった、とされる。



そのつつじ群落の南西側に


2005年に完成した「つつじ吊り橋」がある。


もう渡られましたでしょうか?



けっこう高所にあり


けっこう揺れることから


渡りきれない人もいる本格的な観光吊り橋。




僕は


昔から吊り橋が好きだったので


完成して直後から


独りで出向いたりすること多々あり。



もちろん、いまは相方さんもこの吊り橋は気に入ってくれて


一緒にシーズンになると毎年足を運んでいたりします。



それだけ思い入れある吊り橋。


なので


ずっと気になる「あるもの」が


吊り橋には見られます。






八幡のつつじ吊り橋。



渡ってみると



中央部から眼下に


苦戸川の流れのほか





このような「橋」を見ることができます。



歩くことをメインとする僕としては


「あの橋を渡ってみたい・・・」

そう考えるのは自然なことでした。


たいていの人が


北にそびえる茶臼岳の写真を撮ったり


揺れて怖い・・・と騒いだり


「つつじの群生地が近くにあるらしい」


・・・そんな話題が吊り橋上で聞かれるなか


初めてつつじ吊り橋を渡ったときから


僕は、この「眼下に見える廃道のような橋」に


想いを馳せていたのでした。



・・・あれから数年後。





この道にたどりつくかもしれないルートを

僕は見出します。




つつじ吊り橋駐車場の敷地内にある・・・





この「立ち入り禁止」の道。

「ひょっとしたら、通じているかもしれない・・・」



そう考え


僕は行動にでます。


① 那須観光協会の窓口に確認してみた


すると・・・


「こちらではまったくわかりません。 もしかするとわかるのは・・・」


ということで


② 温泉水の供給管理会社の連絡先を教えていただいたので、さっそく連絡してみました


その回答は


「その先には温泉を汲み上げ施設がありますが、その先に道はないと思います。仮にあったとしても弊社の管理ではありませんのでお答えしかねます。 なお、その場所は有毒ガスが発生して危険なので立ち入りはできません」


とのこと。



ここで、いったん話は行き詰まりを見せます。




・・・しかし


あるとき


僕は一つの突破口を見つけます。







この「立ち入り禁止」のバリケードの設置者が


「栃木県県北森林管理事務所」であることを確認しました。


・・・で


後日、電話にて問い合わせを行いましたところ・・・



先ほどの温泉供給管理会社さん同様の回答があり、


やはり、前には進みませんでした。





この橋の管轄は誰なのか?



3回目のトライとなる今年、


一番、わかりやすいところで


那須町役場に電話にて問い合わせしてみました。



すると・・・



数日の調査の後


回答があり


「ご指摘の場所は那須町の管轄ではないようです」


とのこと。


ですが・・・


「こちらに聞いてみてください」ということで


連絡先をご丁寧に教えてくださいました。



その先が・・・



「宮内庁那須御用邸管理事務所」



このお名前を聞いた時に


「立ち入ってはいけない部分に踏み込んでしまった」という


自責の念に駆られる。


平成の森を


天皇皇后両陛下のお考えにより


一般に開放された事情から考えると



つつじ吊り橋の橋下・苦戸川周囲も


「御用邸敷地内」と解釈するのは難しいことではない。


もしそうであれば



畏れ多く


僕が「素朴な疑問」という内容で


安易に立ち入れる場所ではない。



だが


事前の予備調査で



「生活道路として昭和40年代までしようされていた」などと


記述するサイトを発見。



「なぜ廃道になったのか」を知ることくらいは可能だろうか・・・



そう考え


僕は


電話にて


「宮内庁那須御用邸管理事務所」さまへお問い合わせをさせていただきました。


担当の方は


とても丁寧で


調査と上司の方への確認を約束


後日連絡を


いただきました。



その回答は


想いもよらないものでした。


まず・・・





この「橋」について。


「これは橋に見えますが、実際は『湯導管』なんです」


湯導管とは字のごとく


大丸地区から湧出する温泉をパイプで送るもの。


「なので道でない以上、人が渡ることはできないんですよ」


ということだった。


あれ・・・道じゃないって。。。


かなり衝撃でしたが


僕はすかさずお尋ねします。



「では、その管の接続する地上接地部分までは立ち入れますか?」





「この接地部分は宮内庁の管轄ではありません。そのうえ、那須町・栃木県など複雑に入り組んでおり、簡単ではないかと思います」(※要旨)


ということだった。


結論からすると



「渡ることは絶対不可。」


「そこにたどりつくことも簡単でではない」



つまりは「立ち入り不可」であります。



過去に 不法侵入により この接地部分にたどりついた方がブログを公開していたのを思い出す。


やってはいけないことなので


僕は絶対に行いませんが


無理ならば


それを証明しよう。



僕は検証を行いました。






まず


この先は温泉供給施設がある。


その先に


湯導管が伸びていて


それが






吊り橋南面から眺めると


「Aの道」に伸びているはずと仮定。






北面。





拡大すると


石垣が並べられ

上から見ると


どう見ても「道」のように見えます。

これが



「Bの橋」に通じていると仮定。


その北面


つつじ群落方面に足を進めると





「Bの橋」に向かうであろう下る道を発見。





やはり


温泉をくみ上げるであろう塞がれた音のするものがあります。





川の方へ向かっています。





拡大すると


奥にやはり橋のようなものがありますが


同時に「黒いパイプ」が埋設されていることがわかります。


立ち入ることは出来ないので実際は構造がわかりませんが


通常の「道路橋」ではないことは想像ができます。



せっかくなので


今度は


吊り橋の北側の県道まで足を運んで


ぐるっと一周してみます。



・・・


やがて




吊り橋のさらに北側にある、


県道の左側


砂利道のD地点があるので


すすみます。


すると





温泉の汲み出し施設であろうか



硫黄に地面がまみれている建物を発見。



※立ち入り禁止のギリギリまで近づきましたが


硫黄臭がきつく


吐き気と頭痛があり。


絶対にマネはしないでください。


すぐに退散しましたが






吊り橋へ戻る県道沿いに


湯導管の橋があったので


県道から見える範囲で追ってみました。





県道のがけ下


ズームで拡大すると


やはり石垣に守られた道らしいものが見られます。


※ただし、この奥は先ほどの赤い湯導管しかありません



・・・ここで


この石垣は道ではないことが確定しました。






県道のガードレールの真下・・・


先ほどの石垣は


道とは言えないほど狭まっているのもわかります。





吊り橋に近づく最後のポイントでは


黒いパイプと


手前に広い道らしいスペースがありましたが


そこにたどり着くまでに


「そこ、歩けるのか?」というような傾斜等あり。


湯導管の管理・修復等で歩けるのがやっとであることを現認しました。


ちなみにこの先は「Aの道」に通じています。


※推定では、石垣の意味は湯導管を埋設し、保護するために固めたものとの結論。




さらに


吊り橋の上から





Aの道と





Bの橋が「同じルートにあるものか?」を


詳しく確認したところ


吊り橋南面にて


2本の道が途中まで並行していることを確認。


高低差が吊り橋上からもはっきりしたことから



「別物」と断定。



さきほどの宮内庁那須御用邸管理事務所さんの話では


「B橋の南面の先は、御用邸に通じており、温泉を大丸から引き湯のうえ、送っております」とのこと。(※要旨)



つまりはB橋の南側は御用邸の管理にあり


原則一般人の立ち入りはありえない、との結論を得ました。



湯導管。


生活道路、というのはこれのことではないことがはっきりした瞬間です。



橋と思っていたものは


道ではなかった。。。


それがわかったことで



僕の積年のうやむやな気持ちはすっきりするのでした。



「立ち入れない理由=道ではないから」


こういうことがあることも


ブロガーとして


お知らせさせていただきます。



一般社団法人 那須町観光協会さま


温泉供給管理会社(仮名)さま


那須町役場さま


栃木県県北環境森林事務所さま


そして


宮内庁那須御用邸管理事務所さま



ご協力ありがとうございました。




もし解釈等の違いがございましたら


ご指摘いただけると幸いです。



また


より詳細な情報をお持ちの方の追記を求めます。





許可のない不法侵入は絶対にお止め下さい!



ブロガーとして


今後も「立ち入り禁止の理由」をご理解いただくために


那須の深層を追ってまいります。


10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (五十嵐)
2014-05-26 21:18:11
子供のころ何度か遊びに行っていました。
かなり昔からあり渡ったこともあります。
文章を読む前に ここは湯導管だと思うけど
と、楽しい記事ありがとうございます。
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五十嵐さまへ (ちゃりあん)
2014-05-27 18:55:27
コメントありがとございます。 とあるブログにて「40年くらい前に歩いたことがある」といっしゃる方があり、 道ではないが歩くことができたことは把握しておりました。

歩いたという方の証言をいただけると大変ありがたく思いますが、 この湯導管橋の南端はどちらに通じているのかを教えていただけませんでしょうか?


また、地域の事情に詳しい方ご存じでないでしょうか?
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Unknown (とーりすがり)
2015-06-03 12:38:36
はじめまして。先日吊り橋を初めて訪れて、周りや吊り橋よりも、下の廃橋が気になってしかたなかったので、調べてたらこちらに辿り着きました。解決できてうれしいです。ありがとうございました。
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とーりすがりさんへ (ちゃりあん)
2015-06-17 19:50:32
コメントありがとうございます。 初めてこの吊り橋を渡ったときから、私も下の廃橋が気になっていて、ことあるごとに調べていました。

公式に許可をとって立ち入りを考えておりましたが、現状では難しいとわかり、ここまでで結論付けました。 昭和のころは実際に歩いた、という方の証言が複数あり、できりかぎり歩いた方のお話を聞けるよう、継続観察しております。

また那須へお越しください
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立ち入り禁止エリア (太朗)
2016-03-23 21:59:15
僕も行ってみたい
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Unknown (倉ちゃん)
2018-04-23 15:34:45
私もいつも気になっていました。
素敵なグリーンの橋🎵
謎解きをありがとうございます😃
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ナイス情報! (すーさん)
2018-11-06 16:51:15
自分も吊り橋が怖いとかよりその橋が気になってました。その時は少し吊り橋から身を乗り出して写真を撮っていましたが今考えると恐ろしい(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
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ちょっと気になって (よっちゃん)
2021-06-12 10:15:25
2021-6-12に那須町の苦戸川橋付近で熊が出没したとの情報から、苦戸川橋をNET検索していたら、このブログに接しずーっと読んでみました。
この中で、2016以降コメントへの返事が途切れているので、ちゃりあんさんはお身体の具合でも悪くしてしまったのかな?と気になりました。もしそうでしたら早いご回復をお祈りいたします。
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Unknown (モナ)
2023-10-25 21:46:36
2回訪れていますが、今回も気になりいつか渡ってみたいと思っていました。
那須の役所に電話しようと思っていたところで、この記事を見つけました。
モヤモヤが解決して嬉しいのと、苦労してここまで追求して下さった筆者に感謝します✨
ありがとうございます👏👏👏👏👏👏👏
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モナさん、よっちゃんさん他コメントをいただいた皆様へ (ぶろぐ屋茶莉庵)
2023-11-02 06:27:21
返信遅くなりまして大変申し訳ありません。

筆者のちゃりあん、でございます。

実は、ログインが2016年以降できなくなってしまいまして、中から返信をすることができなくなっておりましたことと、容量の関係で新しいブログのほうに現在はシフトしてしているため、チェックがおろそかになってしまっていました。

いまさらですが、コメントをどう返そうかと考えていたところ、あ、コメントをここに外から書けばいい、という単純な結論にいまごろ達しまして、御礼のご返信をいまごろですがかいている次第です。


よっちゃんさん
コメントから2年経ってしまって、もうお気づきにならないかもしれませんが、私はずっと元気です。
ログインできないためご返信できずにいました。お気遣いに感謝いたします。

モナさん
コメントありがとうございます。
1週間経ってしまい申し訳ございませんでした。
少しでもお役に立てていただけて光栄です。
みな気になっている橋だと思って、この時は可能な限り取材を行いました。
いまではもうできないですけどね。
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