栃木発「ちゃりあん」ブログ

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塩那スカイライン「深山園地」を行く ~下見編~ 2014.11.2

2014年11月04日 21時12分37秒 | 立ち入り禁止エリア
もう、那須に長く住んでいても


「塩那スカイライン」という名前に


「あぁ・・・あれね・・・」


なって反応する人も少なくなってしまったことだろう。



那須塩原市。


関谷交差点を県道30号で那須方面に向かうと


天気がよければ、場所によっては見えるであろう、


緑の山の中腹に、黄色いヨコの線・・・



「塩那スカイラインって言って、ずっと工事をしている道路なんだよ・・・」


幼いころ


その姿が見えるたびに教えられたものだった。





歳を重ね


新聞を読むようになって


塩那スカイラインが「普通の道路」ではないことを知らされる。



「ずっと工事をしている」道路・・・



僕が当時、興味を持たないわけがなかった。



新聞はとにかく切り抜いて集めた。



残念ながら、その切り抜きは処分されてしまい


また「一から」調べなおすことにはなったが


他の関連ページから引用すると大まかなことは


塩那スカイライン。


通称「塩那道路」は


県道266号線「中塩原板室那須線」


総延長は65キロ。


昭和37年に構想が発表され


39年着工


43年に板室~那須(一軒茶屋)開通(当初は有料道路)


46年に自衛隊員によりパイロット道路(未開通部分の工事用道路)が貫通


47年7月4日 県道として指定されるが・・・・


昭和50年に工事が中断


昭和57年に未完成区間の工事休止を決定


平成3年に板室~那須(一軒茶屋)の無料化


平成15年に未完成区間の廃止を正式に決定


以降、森林回復工事を実施しているため、未完成区間は立ち入り禁止・・・


・・・という難しい道路、なんです。


つまり


那須の一軒茶屋から深山ダム入口と


塩原の国道400号分岐点から土平園地までは


県道266号線として開通しているが



土平園地から、今回向かった板室「深山園地」までの約36キロは


完成することなく「廃道」となった・・・という


全国でも珍しい道路なのである。



栃木県庁が関わっていることや


那須と塩原の観光に寄与する目的があったこともあり


この塩那スカイラインについては


地元でもタブーに近い話題であることは事実で


ゆえに


地元でも「知らない」人が多い名前なのである。



・・・


今回、僕は


単に景色のよいスポットをドライブするために


ここを選んだにすぎないため


その詳細は語るつもりはない。


だが


いろんな想いがある道であることは


いうまでもない。。。



板室温泉街を通り抜け


深山ダムへ向かう道の途中で分岐するほうへ進むと・・・







ここにたどりつく。






駐車スペースは6台。


この日はクルマ2台にバイク1台。







雲が目線と同じくらいにある。


・・・そして


幾分、寒い。。。





塩那スカイラインの廃道区間は


歩いて進むことも認められていない。



まぁ約36キロの無舗装区間を歩くのは


とても危険なことではありますが。


※クマはいますが人はまったく住んでいませんので、山小屋なども一切ありません





この先、塩原まで通じるはずでした・・・


いまは遊歩道として一部開放しているだけのようなので・・・






標高1096メートルの現在地から



僕は相方さんと


行けるところまで歩いてみることにしました。





幻の県道区間です。






厳重な土砂崩れ対策がなされています。






少し登る道もありましたが


今回は「下見」でしたので


ここは断念。






奥へ進みます





向かいの山に・・・






未完成区間が見えます。






いたるところに崩落の跡が。





駐車場に戻ると


?なんじゃこりゃ


後ろに「サイクルスタンド」って書いてありました。



邪魔なパイプだな・・・っていっちゃったけど(笑)






カエデはほぼ落葉していました。


残りは


わずかです。





この日は寒いことと


歩く準備をしていなかったので


僕らは下山することに。






下った先から深山園地方面を望む。






1.6キロ下った地点。


右に縦列駐車できるスペースがある。






晩秋の色。





ずっと濃い雲は晴れることはなかった。


けど


これが


僕らが見た風景。


不満を持つことはないのだ。





下界が少し見える。





往来するクルマも意外と多い。






塩那スカイラインは


財政難、環境破壊批判、そして


工事するたびに土砂崩れ・・・



このカーブでわかることは


幾重にも「補修」が繰り返されてきた、という事実。


これが


塩那スカイラインが惜しくも全通できなかった理由に他ならない。







すすきも寂しげ。







天気がよければ


おススメの展望スポットとなるはず。






シェルターは



雪や岩石を防ぐためのもの。


それだけ


危険な場所でもある。





相方さんが登ってくるときに見つけたもの。


「殉職碑」


当時22歳だった自衛隊員の高久修二さんが


亡くなった場所とされる。


この塩那スカイラインの工事用道路(パイロット道路)の建設に携わっていた際の事故のようだ。





建設を推進した、当時の県知事の名前で建立されているというのは皮肉なものだ。






現在地はここ。


総延長からすれば


まだ中間にもならない場所である。





いまでもお供えが多く寄せられている。





僕らは


下りながら


景色のよい場所を探した。






まるでいろは坂のような九十九折。





このあたりは落葉が多く


冬景色に近い。










百村地区が見える。





「頭文字D」に登場した場所であるらしく


関係はないだろうけど



アスファルトには・・・






カエデを見るとやっぱり反応してしまう・・・







遠くに何かが見える!





那須の風力発電と






那須ハイ。


バイキングが揺れている様子もズームで見えました(笑)




















相方さんが見つけた「これなーに?」









もし、塩原から通り抜けられれば「50キロ」の地点だったところ。


もちろん、現在は意味を持たない。





この鉄塔はJRが管理しているものらしい。


電車を走らせるための送電線がここにありました。







ゲートを越え


県道266号線の通常区間に戻ります。





ゲートの奥


深山園地までの区間は冬季閉鎖です。


雪で身動きがとれなくなるからです。



遊歩道を僕は歩かなくてはなりません。



・・・なので



また来年、ゲートが開いてから


ここに来ることになると思います。


その時は


歩く準備をちゃんとしてから・・・ね。

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
工事中止について (龍 太興)
2014-12-06 23:52:15
22歳の自衛隊の方は、ブルドザーごと落下して殉職されました この事故が道路の工事が中止となった原因だと地元の方に聞きました 紹介いただきありがとうございます
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龍さんへ (ちゃりあん)
2014-12-08 20:07:34
コメントありがとうございます。

若き自衛隊員の殉職は衝撃な出来事であり、工事の中止の起因にはなったのかもしれませんが、残念ながらその後も工事は継続されました。

未完で終えたことに関する賛否はわかりませんが、地元として忘れてはならない道路であることは確かと言えます。
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Unknown (パンペーラ)
2016-11-06 19:25:27
一昨年通り抜けしましたよ。
塩原側がかなり崩落が進んでいて。
危険な感じ、那須側から、折り返しまでは、崩落など有りますが、反対側に比べれば、ましでしょう
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