ちょこっと、息ぬき。

「いきいきと、生きていたいね。」

いきいきと、生きていたいね。(36) 

2006-07-20 01:42:30 | Weblog

そのアルバイト先は、わたしにとっては非常に刺激的なところでした。

日本の病院の建物の構造、経営、さまざまな統計を集約しているところだったのです。

悲しいことにもう亡くなってしまわれた、京都大学の外山先生も当時その研究所に所属していらっしゃいました(病院や施設への個室導入などのアメニティ向上に大きな功績のあった方です)。

 

そして、日本各地の病院の各部門、例えば事務部門、看護部門などの研修をおこなうところでもあったのです。

 

わたしがアルバイトを始めさせてもらったときには、日本各地からの病院の事務長の研修が開催されていました。

 

事務長といえば経営の中心的存在であり、病院のなかにある各部門の統率をとる立場の方です。

その方々が、東京近辺の病院を見学して回るのに同行させてもらえることになりました。

 

台湾からも2人、参加されていました。通訳つきです。

 

病院を3つも4つも見て回ることなど初めてでしたが、いろんな病院がありました。

20年も30年も前に建てられていて少し古ぼけた感じのところや、見た目に立派なところなどさまざまです。

でも、一番感じたのは、建物の見た目の影響は確かに大きいのですが、働いている職員の人たちの立ち居振る舞いでこんなにも印象の違いが出てしまうのかということです。

病院ですから、外来の患者さんも大勢きます。それに交じってわたしたちも行かせてもらっているのですが、明らかに受診に来ているのではなく、見学等に同業者が来ていると見て取れるはずなのです。

 

それなのに、受付のひとでさえしっかりと挨拶できない病院があるのです。

 

「感じわる~い!」

 

そのひとことです。

 

それから、病棟のなかで看護師や介護者が患者さんに対してきちんと敬語を使っていないところもありました。

わたしは、病院というところは、病気や怪我で苦しんだりつらい思いでいる方々を身も心も癒すところだと思っていましたがそうではないところもあることがわかったのです。

 

わたしの、病院の見方のひとつの切り口はこのとき定まりました。