かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

ももけるなー!

2014年11月17日 | 昼下がりの外来で
馬車馬女子がいると思えば、仕事もせずに毎日家でタバコ吸ったり酒飲んだりしている若者もいる。

禁煙外来に来ている30歳のM君。
タバコはやめられている。

「薬飲まなくても、タバコ吸おうと思わないから、あんまり飲んでません。タバコ吸ってる人は臭いからすぐわかりますね。忘年会の誘いも多いんですけど、吸ってる友だちばかりだから、案外断ってますよ(笑)」

「最近、酒の量が増えたかな・・・?いや、考えてみると、あんまり増えてないか。タバコ吸わなくっても、酒だけで楽しめるんだなって思いました。アル中になっちゃいますか?じゃあ、今日は飲むのやめます」

「18のときからずっと自動車整備の仕事してたんですけど、やめました。仕事があってないってわけじゃなかったけど・・・ほかのことやりたくて。まだ考えてます。だいじょうぶっす!オレはやってみせますよ」


最近の若者の言っていることは、よくわからないのである。


そうかと思えば、10年ぶりに喫煙を再開した知り合い。


「タバコ買ったら俺は喫煙者だと思ってたから、もらいタバコばっかりしてた。タバコは嫌いだし、臭いし、嫌なんだよね。嫌だってことをわざとやってる感じ。ポイ捨てしてる自分も嫌い。なんだかなあ・・・」


同い年のこの人の言ってることも、よくわからない。
依存症という病気だからと、一言ではすませてはいけない気がする。

『根本的問題は他にあるんでしょう?それと向き合わないといけないんじゃないの?』




「ももける」とは、昨日、京都の和装小物店きねやさんのオジサンが言っていた言葉。

「バッグの持ち手を布にすると、使っているうちにももけてきますやろ。お薦めしまへん」

毛玉になるとか、毛羽立つとか、擦り切れてボロになるような様子をあちらのほうではそう言うらしい。


人生折り返して、もう道半分。
いぶし銀と言うにはまだちょっと早いけれど、どっちかっていうと、油がのっていてとか言われて、この年代の男はもう少しいやらしくギトギトしててもいいんじゃないの?
とにかく、ももけるにはまだ早いでしょ。
今のアナタは、かなりももけて見えたよ。

聞いてるこっちもつられてももけてきそうで、喝を入れたい気分やったわ。

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