ストーリーがあるようでないようで・・・、ドキュメンタリーでもなさそうな・・・。
「ブエナ・ビスタ」の巨匠(Maestro)ピオ・レイバが、運転手兼マネージャーと一緒に、キューバの若いミュージシャンを訪ねて、一緒に歌ったり喋ったりして、最後には日本人におじぎして日本公演を成功させるという、何が何だかわかんない話。
それでも 「心がうたいだす。」という通り、見終わって駅まで思わずステップを踏んでました。
ヤクザ映画をみた後、肩で風切ってしまう、あのノリです。
ピオ・レイバのとぼけたじいさんキャラが楽しい、ハッピーなサクセスストーリーですが、ちょっとじーんとくるシーンもありました。
例えば、音楽学校で、生徒たちが「Hasta siempre」を歌う場面。
さりげなく置かれたフォト・フレームには、優しい表情のゲバラの写真が。
「Hasta siempre」は、私が一番好きなキューバの歌。
哀愁を帯びたメロディにのせて、チェ・ゲバラ司令官への愛を歌っている。
Aquí se queda la clara,
la entrañable transparencia,
de tu querida presencia
Comandante Che Guevara.あなたは、確かにここにいる
親愛なるあなたの存在が
確かに、ここに
チェ・ゲバラ司令官・・・
若いアーティストたちが語る人生観にも味わいがある。
黒い肌のルーツ。
母親への愛。
「才能がある人は国から出るべきじゃない。そんなことをして、国に何が残るの?」
お金が欲しいんじゃない、という言葉もあったが、それは逆に空疎に聞こえた。
彼らの思いを込めた言葉だけで充分だと思う。
ところで、映画に出てくる、マリオ・"マジート"・リベーラというアーティストが歌うシーンで、“あー、いい声してるなぁ”と思ったら、この人、「Los Van Van」のボーカルだったのね。
先々月、来日した「Los Van Van」のコンサートに初めて行って、、“あーこの人、いい声してるなぁ”と思った、まさにその人。
今までキューバ音楽のCDは「マノリート・イ・ス・トラブーコ」オンリーだったけど、「Los VanVan」も買いだな、と。
こうしてずんずんハマっちゃうんだよな~、私ってやつは