10年ローンの宝（パオ）

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　宦官とは、宮廷に仕える去勢された男性のことです。

宦官が権力を持っていたのは、清以前の中国です。
とくに、明の時代には、宦官の最高位は軍事、警察、司法の権力を握り
内閣の首席よりも力を持っていたようです。

いくら権力が欲しいからと言って去勢はちょっと・・・と思うのが普通。
かなり悩んで決断する人も多かったようですが、決心した人は専門の
執刀医に切り取ってもらったようです。その費用はかなりの大金で
10年以上のローンを組んで支払ったそうですよ。

　切り取ったものは、まず油でカラっと揚げてから”宝（パオ）”
というツボにしまい、宦官として昇進するたびにお披露目をしていました。

　この”宝（パオ）”は立派な担保にもなったといいます。

また、死後は遺体と一緒に埋葬して五体満足の姿であの世を旅立てると
考えられていたようです。　　

しかし、術後は心身とみに悪影響を及ぼして苦しむ人も多かったんです。
男性であるにも関わらず、髭がなくなり、声が異常に甲高くなり、
どんどん太り出したり、シワが増えるのも早かったとか。　

それでも、宦官に憧れる男性が多かったのは、優秀な男性が貧しい
生活から逃れたい一心だったのかもしれません。　切ない。