車をぶつけられてから約2週間。ようやく体の痛みが引いてきた気がする。その間、体内でぐずり続けていた風邪も、やっとどこかへ行ってくれた。
事故で体を打ち付けて以来、やることなすこと、すべてうまくいかない。というか、すべてにやる気が湧かなかった。
そんな状態から脱して、ようやく生来の覇気が戻ってきた気がする。
年齢的なものもあるのか、とも考えた。これまで体調不良でこんなにも覇気がない状態が続くことはなかった。
◇
体と心の健康が連動していることも感じた。
どうしても体を横にしている時間が長くなっていた。体は楽になる。が、すべてにやる気が起きない。
朝、体調は悪くても、妻は早くに出勤し、その後の息子の面倒を私がみなくてはいけない。自然、体調不良を押してでも体を動かす。
息子はなんとなく父親の不調を感じ取ってくれるときもあるが、根底には「父親は頑丈」という認識があるようで、自分の要求がはね付けられたりすると、ときによっては体調不良者に対して容赦なく駄々をこねたりすることもあった。
仕方なく、全力で世話をしている。と、ふと体が少し前より動いていることに気付く。息子を幼稚園に送り出したあとなどは、なんだか健康になってしまっていたりする。
もちろん、軽症だからこんなことを言っていられるのだろうが。
◇
中世のヨーロッパで、囚人を使ってある実験が行われた。
2人の囚人に、あらかじめ一人には「体内の3分の1の血液が失われると死ぬ」と教え、もう一人には「2分の1を失うと死ぬ」と教えておく。
2人をベッドに縛り付け、足の先端を切る。床のバケツに血液がポタッポタッと一滴ずつ落ちる。
約2時間後、一人目の囚人のそばで「そろそろ3分の1だ」とつぶやく。1人目の囚人は死ぬ。さらに1時間後、「そろそろ2分の1だ」とつぶやく。2人目の囚人も死ぬ。
本当に3分の1だったのか、2分の1だったのか。つぶやいた者さえ知らない。しかし、囚人たち本人の脳の中では、「3分の1」「2分の1」に達してしまったのだ。
つまり、予断によって、人は精神ばかりか体も支配されるのだ。
◇
ただ、この実験、これだけには終わらなかった。
実は、足の先端にはただ鋭利なものを当てがっただけで切ってはなかった。ポタッポタッと落ちていたのは点滴だった。
結局、2人の囚人は足の先端を軽く突かれただけで死んだのである。
◇
この実験を思いついた人間の精神には、正直、反吐が出る。いかにも、拷問好きの白人らしい、いやらしい実験である。それに、当時の囚人といっても本当に悪人だったかどうか。当時は搾取階級が被搾取階級を無理やり犯罪者に仕立て上げていた時代だ(これは現代でもそうかも知れない)。
ただ、脳がその気になれば、体もその気になるという実験結果自体は、評価に値する。
囚人たちは、例えば、ベッドですぐに寝入ってしまえば、きっと再び目覚めることができたはずだ。
心と体は、まさに連動している。
事故で体を打ち付けて以来、やることなすこと、すべてうまくいかない。というか、すべてにやる気が湧かなかった。
そんな状態から脱して、ようやく生来の覇気が戻ってきた気がする。
年齢的なものもあるのか、とも考えた。これまで体調不良でこんなにも覇気がない状態が続くことはなかった。
◇
体と心の健康が連動していることも感じた。
どうしても体を横にしている時間が長くなっていた。体は楽になる。が、すべてにやる気が起きない。
朝、体調は悪くても、妻は早くに出勤し、その後の息子の面倒を私がみなくてはいけない。自然、体調不良を押してでも体を動かす。
息子はなんとなく父親の不調を感じ取ってくれるときもあるが、根底には「父親は頑丈」という認識があるようで、自分の要求がはね付けられたりすると、ときによっては体調不良者に対して容赦なく駄々をこねたりすることもあった。
仕方なく、全力で世話をしている。と、ふと体が少し前より動いていることに気付く。息子を幼稚園に送り出したあとなどは、なんだか健康になってしまっていたりする。
もちろん、軽症だからこんなことを言っていられるのだろうが。
◇
中世のヨーロッパで、囚人を使ってある実験が行われた。
2人の囚人に、あらかじめ一人には「体内の3分の1の血液が失われると死ぬ」と教え、もう一人には「2分の1を失うと死ぬ」と教えておく。
2人をベッドに縛り付け、足の先端を切る。床のバケツに血液がポタッポタッと一滴ずつ落ちる。
約2時間後、一人目の囚人のそばで「そろそろ3分の1だ」とつぶやく。1人目の囚人は死ぬ。さらに1時間後、「そろそろ2分の1だ」とつぶやく。2人目の囚人も死ぬ。
本当に3分の1だったのか、2分の1だったのか。つぶやいた者さえ知らない。しかし、囚人たち本人の脳の中では、「3分の1」「2分の1」に達してしまったのだ。
つまり、予断によって、人は精神ばかりか体も支配されるのだ。
◇
ただ、この実験、これだけには終わらなかった。
実は、足の先端にはただ鋭利なものを当てがっただけで切ってはなかった。ポタッポタッと落ちていたのは点滴だった。
結局、2人の囚人は足の先端を軽く突かれただけで死んだのである。
◇
この実験を思いついた人間の精神には、正直、反吐が出る。いかにも、拷問好きの白人らしい、いやらしい実験である。それに、当時の囚人といっても本当に悪人だったかどうか。当時は搾取階級が被搾取階級を無理やり犯罪者に仕立て上げていた時代だ(これは現代でもそうかも知れない)。
ただ、脳がその気になれば、体もその気になるという実験結果自体は、評価に値する。
囚人たちは、例えば、ベッドですぐに寝入ってしまえば、きっと再び目覚めることができたはずだ。
心と体は、まさに連動している。
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