サレジオ会の使命

　私たちの会には、み摂理によって準備された洋々たる未来が開けています。そして本会の繁栄は会憲、会則が忠実に遵守される限り続くでしょう。

　だが私たちの中に安楽と便宜が入ってくる時、本会の発展は終わりとなります。私たちの配慮と世話が遅れた地域の人々や社会のより貧しい、より危険にさらされている子供たちに向けられている限り、世間は私たちをいつでも喜んで迎えるでしょう。これこそ私たちにとって、誰も奪うことのできないまことの裕福さなのです。

　外国に新しい事業をはじめる時、勇気と犠牲をもって育てましょう。先ず学校を建てるようにして、その中に司祭職と修道生活への召し出しを育てるように努めましょう。いつか、中国、殊に北京に事業をはじめることになるでしょう。だが、私たちの相手は貧しく見捨てられている子供たちであることを忘れてはなりません。真の神を知らない未知の諸国民の間で、今までは思いもよらなかったような、しかも力ある神が世にあからさまにお示しになる驚異のしるしが認められるでしょう。

　ある会員が人の救いのために働きながら倒れて世を去るならば、その時こそ、本会は大勝利を得たということができますし、また本会の上に天の祝福が豊かに下るでしょう。

聖ヨハネ・ボスコの霊的遺言　"Memorie Biografiche 17",p.273