新約聖書に有名な教えがありますが、それはあとで述べます。
国が国に対して復讐をする場合、何倍まで許されるのかを考えてみたいと思います。
旧約聖書で、カインは7倍、レメクは77倍の復讐をしました。
レメクは妻たちに言った。「アダとツィラよ、私の声を聞きなさい。レメクの妻たちよ、私の言葉に耳を傾けなさい。私は受ける傷のために人を殺し、打ち傷のために若者を殺す。カインのための復讐が七倍なら、レメクのためには七十七倍。(創世記 4章23-24節)
このように大洪水前の旧約の人たちは、あまりに素行が悪すぎたために、天主の怒りを買い、ほぼ全員が滅ぼされてしまいました。
今のイスラエルのユダヤ人たちは、創世記を含めた旧約聖書の最初の5巻をトーラーと呼び、特に大切にしているようですが、今のユダヤ人は、ガザのパレスチナ人に何倍の復讐をやっているのか、計算してみたいと思います。
以下の資料によれば、パレスチナ側が主に製造し、使っているロケット弾の口径は115㎜、弾頭重量は8㎏のようです。よって、5000発ものロケット弾を撃ち込めば、その総重量は40トンになります。ハマスは、40トンものロケット弾をイスラエルに撃ち込みました。
(出典)Yiftah S.Shapir "HAMAS`s Weapons" Strategic Assessment Vol.11 No.4 2009.2
対して、イスラエルは爆弾6000発、弾頭重量にして計4000トンもの爆弾をガザ地区に投下しました。
(出典)「「ガザ地区に報復爆弾6000発」…「ハマスは死人同然」」『中央日報』2023年10月13日
旧約の人たちは、ことによると77倍もの復讐を行い、主の怒りを買って滅ぼされたようですが、イスラエルは正確に100倍以上の報復を行っています。100倍以上と書いたのは、出典とした記事が10月13日のもので、それから5日も経過しているからです。さらに、多くの爆弾が投下されていることは、疑いようがないからです。
イスラエルがパレスチナに対して行っていることは、明らかに自衛の範囲を超えています。
新約聖書で、7の70倍許しなさいとイエズス様が仰った下りがありますが、国家が攻撃をされて反撃をしなければ、国の機能は麻痺してしまいます。安心して、その国に住むことができませんから。でも、100倍もの報復は、果たして正義なのでしょうか。