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志村辰弥神父著『召命について ー わたしの体験』、3

2016-07-30 10:21:03 | 召命
志村辰弥神父著『召命について ー わたしの体験』

◆3、高師の入試をめざして

 大正十一年三月、中学を終えて、父のすすめに従い高等師範への入学準備のために上京し、明治大学の高等予備校へはいった。それは入試か十月に行なわれるので、よい準備をしたいからだった。明治大学は駿河台の岡にあり、四階建ての堂々たる校舎に圧倒されて、自分もこのような学府に学んで偉くなろうという野心に燃えた。そして、下谷の遠戚に下宿して、よく勉強した。

 高師の入試は首尾よくパスした。すると、それ以上を望む野心が頭をもたげて来た。「隴を得て蜀を望む」という諺がある。それは一つの望みが達せられると、またその上を望むという意である。《高師が合格したから、来年四月には黙っていても入学できる。それなら、もう一歩進んで、赤門の一高を受験してみよう。そして、もし合格すれば、奨学金をもらって勉強できる》。

 一高から東大へ! これは出世のコースで、当時の青年たちの最高の夢であった。ところが、神の計画はわたしが望むようではなかった。

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