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60才のカメラ

2009-06-21 15:34:04 | マッキントッシュ&カメラ
ひと月ほど前に、ある人からビンテージ・カメラを戴きました。

1950年生まれの日本光学工業製ニコンS型レンジファインダー・カメラです。
レンズはニッコール5cm F1.4が付いてます。

全手動式の調節機構です。

ピント、シャッタースピード、巻き上げ、巻き戻し、全てが小さなツマミを廻して作動させます。

シャッターを切るまでには、長い儀式が必要です。
ツマミをグルグル廻してフィルムを巻き上げて
小さな接眼部を覗いて遙か遠方に二重にズレて見える景色がズレなくなるまで、歯車を廻して
ふー! ピントがすごく合わせづらいです。

まるでドアスコープから玄関先の訪問者を見ているようなのです。

さっそく試写に行きました。
レンズの絞りはこれくらいだなと、f8に設定。
露出計がありませんから、別に持っていったデジタルカメラで露出を測り、
ニコンSのシャッタースピードをその数値に合わせます。

もう一度ピントを確認して。
でもよく見えません。まぁ、適当でいいでしょう。

そうっとシャッターボタンを押すと「カチッ!」
オモチャ・カメラのようなシャッター音でした。「カチッ!」

現像されたポジフィルムを見て、ちょっとビックリ。
ピントはキレ味鋭くシャープで、露出もピッタリ合ってる。
とても60才のカメラとは思えませんでした。

さてさて、このお爺ちゃんカメラに衣装を着せましょう。

まず、イラストレーターで型紙を書きます。

小さく十字に印された所に、キリで穴を開けていきます。

全部の針穴が開いたのを確認して、裁断します。

厚紙を挟んで、裏地には赤いフェルトを貼って。

あとは、ひたすら縫い付けていきます。

ハイ! 一丁上がり!

完成です。

いちばん難しかったのが、底蓋と本体との縫合わせです。
斜め縫い、しかも円形になっていく。
外周と内周の差があるのを、どうやって縫っていったらいいのか。

ちょっと曲がってしまいました。

接眼部には『還暦の真っ赤なマフラー』を貼り付けて。

散歩の時にはこのカメラがいつも一緒になりそうです。

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