「20世紀は石油をめぐる戦争だった。だが21世紀は水をめぐる戦争の時代になるだろう」
日経新聞 2013.06.23
地表の約7割が海に覆われた青い惑星、地球。
人間にとって海水の量は膨大だが、地球の全重量に比べると0.02%にすぎない。
地球には、今、砂漠化や国際河川の水争いなど、人為的な原因による水の問題が
深刻化している。
英紙フィナンシャル・タイムズは、中国の水資源不足による経済成長への深刻な
影響を指摘した。
国際河川の水争いでは、「ヒマラヤを水源とする諸国が『水争い』の恐れ」と
インド紙が報じた。
ここで、ヒマラヤを水源とする河川を見てみよう。
ほとんどが、チベットを源流としており、特に、揚子江、黄河、瀾滄江(メコン川)は
ほとんど同じ場所を水源としており、その地は「三江源」と呼ばれている。
黄河の左に見える金沙江とは、長江(揚子江)の上流部分の呼び方であり、
名前は、川の中から砂金がとれたことに由来するという。
河川 |
地図上の表示 |
長さ(km) |
流域面積 (千平方km) |
河口 |
長江(揚子江) |
金沙江 |
6,380 |
1,175 |
東シナ海 |
黄河 |
|
5,464 |
980 |
渤海 |
メコン |
瀾滄江 |
4,425 |
810 |
南シナ海 |
インダス |
|
3,180 |
960 |
アラビア海 |
ブラマプトラ |
雅鲁藏布江 |
2,840 |
1,730 |
ベンガル湾 |
ガンジス |
|
2,510 |
||
サルウィン |
怒江 |
2,414 |
324 |
アンダマン海 |
エーヤワディー |
(旧称イラワジ川) |
2,170 |
411 |
マルタバン湾 |
遼河 |
|
1,390 |
229 |
渤海 |
ソンコイ川 |
紅河 |
1,200 |
168 |
トンキン湾 |
メナム川 |
|
372 |
160 |
タイランド湾 |
(※遼河とメナム川は水源がヒマラヤではないが、参考までに記載)
金沙江(長江上流部)、瀾滄江(メコン川上流部)、怒江(サルウィン川上流部)が
平行に流れている地域は、「三江併流」と呼ばれ、世界遺産に指定されている。
その他にも、ヒマラヤを縫うように流れるブラマプトラ川、その源の西北を貫き、
一転してアラビア海へと流れるインダス川、ミャンマーやベトナムの平原を流れる
河川の多くが、このチベットを源流としている。
この豊かな水を確保したいがために、軍隊を派遣して蹂躙したのだ。
それでも飽き足らず、メコン川などにもダムを建設し、水も電気も中国のものとし、
相も変わらず、国際紛争を引き起こしている。
右を向いて紛争、左を向いて喧嘩、下を向いて威嚇、上を向いて攻撃、前をむいても
後を見ても、争いごとだらけの 嫌われ者・・・
しかも、地球そのものからも、観光地でも、迷惑行為だらけの民族・・・
救いようがない・・・・・・。
考えてみれば、この一帯には、中国、インドを始めとして、約30億人の人口がある。
世界の40%以上が、この地域に住む という多さだ。
国名 |
独立年月 |
人口(100万人) |
中華人民共和国 |
1949年10月 |
1,339.7 |
インド |
1947年8月 |
1,210.2 |
パキスタン |
1947年8月 |
130.6 |
バングラデシュ |
1971年12月 |
124.4 |
ネパール |
- |
26.6 |
ブータン |
- |
0.6 |
スリランカ |
1948年2月 |
16.9 |
ミャンマー |
1948年1月 |
35.3 |
タイ |
- |
60.9 |
マレーシア |
1957年8月 |
27.6 |
シンガポール |
1965年8月 |
3.8 |
ラオス |
1953年10月 |
5.6 |
カンボジア |
1953年11月 |
13.4 |
計 |
2,995.6 |
図録アジアの大河川・流域別人口マップ
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/8410.html
さらに、この地域は、世界的にも最も初期の文明が興ったところでもある。
いくつもの文明が、起きては消え という変遷を経てきた。
それは、栄華を誇っていても、それがいつまでも続くものではない、ということを教えている。
人口の多さにも、それはあてはまる。