福祉関係の仕事をしている人達の陥りやすい落とし穴というのがいくつかあります。
それは、「保護しよう」とすることです。
高齢者介護でも障害者支援でもあることのようですが、支援の対象となっている人達と社会との適応のために、社会を必要以上に支援対象者に合わせようとさせることです。
この社会では、高齢者も、障害者も、健常者と呼ばれる人も、変わっている人も、男性も女性も若者も子供も、様々です。個人に個性があるように、個性が集まって集合体を作っています。それが社会です。だけど、「この人はこういう人だから、周りの人達は十分気を使って下さい」みたいなことはあり得ないと思います。
しかしながら、冒頭で書いたように、ここに「落とし穴」があるようです。
その人達よりになりすぎて、その人達しか見えなくなってしまう。だけど、そんな風に彼らに合わせてくれる社会はあまり無いのが現状です。
もちろん、社会も、その人達もお互いに歩み寄りが必要です。社会も「そういう人達もいるんだね」と気が付かなくてならないし、本人も「いろんな人がいて、自分を傷つける人も、助けてくれる人もいるんだ」って体験することも必要だと思います。そして、そこをサポートする事も重要な事だと思います。過保護になってはならない。
普通の人の感覚で、普通に彼らと接し、おかしいことはおかしいし、今ある社会で受け入れられない事は受け入れられないという感覚を、支援者側が持っていることは必要な事だと思います。それを相手に伝えるかどうか、ということはまた別問題ですが、支援にどっぷりとつかってしまって、目線が変わってしまうことの無いようにしないといけないなぁと思っている今日このごろです。
by 組長