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スタニスワフ・レム 『ソラリスの陽のもとに』

2006-03-17 22:35:29 | 昔日の読書人

年末読んでいた本を、パラパラと読み返していました。

ソラリスの陽のもとに
スタニスワフ・レム 著, 飯田規和 訳 

1961年の作品なのでもう立派に古典でしょうか。
近年、『ソラリス』として新訳版が出てます。
原題が"Solaris"なので直訳なのですが、なぜか「陽のもとに」が付いている方がしっくりきます。
詩的ですね。

著名な作品なのでSF好きの方には釈迦に説法ですが…
心理学者のケルビンが、思考する超生命体であるソラリスの海と対峙してその謎と格闘するお話。

ソラリスはケルビンの昔の恋人・ハリーを寸分違わぬ姿で(記憶まで)再生してケルビンの元に送りますが、ソラリスの海の意図は全く不明。
ケルビンたちはなんとかしてソラリスの海との交感を図ろうと努力するものの海は全く決まった反応を示さず、徒労が続きます。

『2001年宇宙の旅』に対する東欧からの回答、などと言われる本作ですが、話の内容は全く違うものの、未知なものと人類が接触する点や、哲学的な示唆に話が帰結する点では確かに似ているかもしれません。

ただ、『2001年』に登場するコンピュータ「HAL」がキューブリックの映画版では悪意を秘めていたり、逆にクラークの小説版では人間の科学に忠実に作られたマシンの悲哀を感じさせる部分があるのに比べると、本作中の「ソラリスの海」は、そうした善悪といった意思の介在、その一切を否定したような存在です。
主人公は最終的に「ソラリスの海」を、完全な神になろうとする途中の段階で止まったもの、といった一応の定義づけをしています。
しかしそれは読者にとっては結果的にどうとでも読み取ることができる、非常に形而上的な存在だということです。

最終的には読者もほったらかしにされたような、オチのない話ですが、不思議な感慨が沸き起こる作品です。
全編が重低音のような不安感で貫かれている、脅威の物語。



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (acco)
2006-03-18 14:51:32
あー読んでみたいかも?

でもね、クラークのその本も途中で挫折。

ワケワカランかったの当時ー中学生。

今なら理解できるかしらね?



このごろはリリーフランキーをかたっぱしからやっつけてます。

なんだか楽なのよ…読んでて。

てか癒されてる?て感じ?

癒しばっかり求めていると老けるのが早くなっちゃうから刺激も必要ねなんだけどね…チェックしてみます♪

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空想力 ()
2006-03-19 22:24:16
ぶっちゃけ『2001年』より読書強度が高いかも?

話が転がり始めるまではひたすら情景描写が続く(しかも謎の惑星の)ので、イマジネーション豊かな心が求められます。

寛容な精神で読みましょう。



リリーさんはココリコミラクルタイムでエロトークしてる時、すごく輝いてると感じます。
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Unknown (とは)
2006-03-20 00:25:26
あ、おもしろそう

スタニスワフって名前にもびびるけど。

友達だったら何て呼ぶのかねw



あっこちゃんリリーはまってるんだあ!わーいわーい



あのエロトークのリリーさんはホント素敵だ。

あんなにエロいのにイヤラシクない人って奇跡だよ。
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妄想力 ()
2006-03-21 00:39:56
やっぱスタさんじゃないでしょーかw



個人的にエロトークが、

イヤラシクない人:リリーフランキー

イヤラシクなる人:江川達也

と思ってます。

んでエロトークしてる時、最高に輝いてるのは2人の共通点。
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Unknown (acco)
2006-03-21 21:58:17
もうね、感動しちゃうよ、リリーさんのエロには。

芸術の域だね。いや芸術からむしろはみ出ちゃって横からボロンって出てきた感じ♪ワケワカランw



この間のタモリ倶楽部に江川達也出てたー

あのヒゲと目は話さなくてもエロおっさんって匂うね。



智君も「美女と野球」読んでみて!!

トハちゃんとあたしのイチオシです!

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煩悩力 ()
2006-03-22 00:15:43
江川マンガは正直なところあんま…なんだな。

面白い所もあるけど途中から暴走してわけわからなくなるので。。



WBCで日本が優勝したことだし、「美女と野球」チェックしてみますかな。
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