Cafe SLOWHAND

珈琲と紅茶の小さなカフェのお話

卒業する

2014年03月19日 | 日記

春霞が立ち込めて、いつも見えるお山も
きょうは姿を消している。
春遠からじ・・・そんな感じがするレイ
ラです。

さて、その霞の下でいつものようにパパ
のブラッシングの儀式を受けていたら、
お家の前の通学路にいつもと違う気配を
感じた。
ちびっ子たちはランドセルを背負ってな
くて、なんだか奇麗な服装をしてる。

ああ、そうなんだ。
きょうは小学校の卒業式なんだね。
早いもので、こないだ入学した少年少女
は、きょう卒業の日を迎える。

集団登校の列はなく、笑顔ながらも緊張
気味の少年少女、そして母親たちが随行
している。

その随行の母親の一人。
なぜか突然立ち止まり、一瞬だけ天を向
き、何かを思いついたように今来た道を
走って戻って行った。
ああ、きっと忘れものをしたんだな。
お財布を忘れたのか、それともガスの元
栓を閉め忘れたのか・・・。
その姿は、まるでお魚をくわえたドラ猫
を追いかけるサザエさんのよう。
運動靴を履いていれば、もっと早く走れ
るものの、グレーのタイトなスーツに、
ヒールの高いパンプスでは、サンダルを
履いて猫を追いかける彼女と同じで、思
うようにスピードは出ないんだな。

当の卒業生はというと、母さん転ばない
でね、といった程度でそのまま学校の方
へと歩いて行った。

わが子が入学して6年が過ぎ、今日は晴
れて卒業式。
この6年間というもの、毎日毎朝、ハン
カチ持った?忘れものない?とこの子に
言ってきたけれど、なんと今日に限って
自分が忘れものをした。
そんなことを考えながら、母は走ってい
るに違いない。

確かにね、忘れものすんのはよくないけ
れど、大切なのは、忘れても思い出すこ
となのさ。母さんが途中でシッカリ思い
出したみたいにね。

だから、みんなも思い出してみてごらん
よ。
この6年間に、お友だちに傷つくような
こと言わなかったか、母親や父親に口ご
たえしなかったか。
シッカリ思い出せたら、晴れて卒業なの
さ。

あのお母さん、今ごろ体育館の保護者席
で決意してるに違いない。
慌てん坊の母親は今日で終わり、明日っ
から淑やかな母になるぞ!ってね。

そうか、
母さんもきょう卒業なんだね・・・


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