Cafe SLOWHAND

珈琲と紅茶の小さなカフェのお話

ラップする

2014年10月28日 | 日記

雲ひとつない青空は、まるで「こする携
帯」の待ち受け画面みたいに鮮やかな青
い光沢を帯びている。
こんなお天気が毎日続くといいのになぁ
と、暑くも寒くもない季節が好きなレイ
ラです。

こんなカフェ日和の秋の日は、きっとお
客さまがドッと押し寄せてくるだろう、
と期待して、パパは開店前に張り切って
ケーキを焼いている。

クリームチーズをガラスのボウルに入れ
て、サランラップをかぶせてレンジで少
し温める。
丸いレモンをふたつに切って、ひとつを
サランラップで包んで冷蔵庫の野菜室に
しまう。
材料を整えて、異物が入らないように、
上からそおっとサランラップをかぶせて
と・・・

それにしても、やけにラップを使うもん
だね。
そうそう、調理には欠かせないその便利
で丈夫なラップというもの。
パパが使っているのは「サランラップ」
という商品。

ねぇパパ。
なんでサランラップって呼ぶのさ?
するとパパは教えてくれた。

その昔アメリカに、この「ラップ」とい
う商品を開発した二人の男性がいた。
製品化に成功した二人には、それぞれ愛
する奥さんがいて、彼女たちの名前が、
「サラ」と「アン」だった。その二人の
名前をくっつけて「サラン」にし、商品
名にしたらしい。

へぇ~っ。なんてカッコイイ話なんだ。
愛する人の名前をつけるなんてさ。
ねぇパパ。
パパも何かを発明してさ、そいつに「レ
イラ」って名前つけてよ~っ!

ラップを開発した二人の男。
きっと、それを支える内助の功があった
から、素敵な仕事ができたに違いない。
愛に満ちた家庭だったんだろう。

だったらレイラも、パパを助けて大金持
ちにしてあげる。
レイラ、パパのことが大好きだしさ。
そうそう、パパのこと、
「サラン ラップ!」
じゃなくて、
「サラン ヘヨ~!」なんだもの・・・

パパに影響されて、レイラもいつしか韓
国語を話せるようになったみたいだ。 


これしかない

2014年10月20日 | 日記

秋深し・・・お日さまの下にいるときは
暑いくらい。でも日陰に入ると、肌寒い
風が頬を撫でる。まくり上げたシャツの
袖を、思わず伸ばしてしまったパパ。
その横で、どこかのお宅で焼いているサ
ンマの匂いに、鼻をピクピク動かしてい
るレイラです。

さて、そんな中、パパとママは、レイラ
にお留守番をさせて、コーヒーのお勉強
に出かけて行った。

行った先は遠い町。
その町は、コーヒーの先進地と聞いたか
ら。
パパとママは、その町に住んでいるお友
達に案内してもらい、いろんなお店を巡
ったらしい。

噂どおり、その町にはカフェがたくさん
軒を連ねてる。
そのうちの一軒、お友達イチオシのお店
の暖簾をくぐると、店内いっぱいにコー
ヒーの香りが漂っている。
若い人たちも、そうではない人たちも、
思い思いにコーヒーを飲み、こする携帯
や、そうではない携帯を扱いながら、小
声でおしゃべりをしている。

パパは、迷わずエスプレッソを注文。
するとね、完璧なまでのデミタスが運ば
れてきた。

その町のカフェ。
パパが住んでる町のカフェとは違ってね
当たり前のようにドリンクとスイーツし
かない。
そう、ランチセットみたいなお食事は一
切おいてないんだな。
おそらくね、カフェはカフェでしょ、お
食事はどうぞレストランで済ませてきて
ちょうだい、って考えなんじゃないのか
なぁ。

そういえば、その町の商店街、お肉屋さ
んはお肉だけ、魚屋さんは魚だけを扱っ
ていた。
それどころか、豚肉屋さんは豚肉だけ、
鶏肉屋さんは鶏肉だけ、っていう徹底ぶ
りだったって。

そうか、パパはちょっぴり安堵した。
だってさ、うちのお店はお食事とか出し
てないでしょ。みんなの求めに応えてな
いのかなぁ、と心配してたんだな。

やっぱりね、よその町の様子をみると、
すっごくお勉強になるんだね。
パパたちはね、いまのまま「美味しいコ
ーヒーと美味しい紅茶、そしてまあまあ
のスイーツだけのお店」を続けてみよう
と思ったみたい。

「なんでもあり」もいいけれど、「これ
だけしかない」でいいかもね。
そのうちね、自信がもてるようになるは
ずさ。
「これがある」って。
きっとね・・・


ひと休みする

2014年10月12日 | 日記

せっかくの日曜日だというのに、どうや
ら台風が近づいているようで、世の中の
みんなは気が気ではない。
一人前に、その行方が気になるレイラで
す。

さて、日曜日はといえば、パパの韓国語
ワンポイントレッスンの日。
例によって、新聞の記事に目を通し、同
じ言葉を繰り返す。

きょうはね、
「ピョニ シュイ セヨ」
これは「ゆっくりお休みください」って
意味だと。

韓国のからの旅人が、観光で歩き回り、
お家やホテルに帰ったときに、こう声を
かけたげるといいって。
お疲れでしょう、ゆっくり休んで・・・
この気遣いが大事なんだね。

そうそう、きょうから国体という一大イ
ベントがはじまった。
全国からお客さまがやってくる。
まだ試合にも出ていないのに、きっと移
動だけでも疲れただろう。
いい結果を出すためにもね、きょうの夜
は「ピョニ シュイ セヨ」
どうかゆっくり休んで欲しいもんだ。

そうそう、きのうお店に若い女の子がや
ってきた。
でも、なんだかご機嫌ナナメ・・・。
どうやら彼と喧嘩したみたいで、小さな
眉間に大きなシワを寄せている。
それでもね、追っかけてきた彼氏が到着
したら、何やらコソコソおしゃべりをし
て笑いはじめた。
どうやら仲直りをしたみたいだ。
そして仲良く、手をつないでデートに出
かけてったよ。
よかった、よかった。
きっと、楽しい週末が過ごせたに違いな
い。

いつも一緒にいるとね、些細なことで喧
嘩になることもある。
だからね、時には肩の力を抜いて、素の
自分に戻ることも大切だ。
ひと休みすんだよ。
そう「ピョニ シュイ セヨ」さ、自分に
向かってね。

気になる台風の進路。
早いとこ、どっか遠くへ行ってもらいた
い。

ねぇ、パパ。
あんまし「ピョニ シュイ セヨ」を連発
しないで!台風がお店の上空でひと休み
しちまうからさ・・・


かなりズレる

2014年10月10日 | 日記

きょうは強めの日差しがレイラの背中を
照らし、
暑いような気持ちがいいような・・・
それでも風が吹いてくれるから、やっぱ
り快適な方か?と複雑なお天気。

こないだは、新聞やネットで「月食、月
食」と騒いでた。
この世に一個しかないお月様を、みんな
で食ってしまうなんて、人間様は困った
もんだと思っていたら、
なんだ、お日様が月を食うだか、地球が
食うだか知んないけれど、天文学の自然
現象だってことを聞かされて、ちょっぴ
りホッとしたレイラです。

パパの韓国語熱も、おそらく三日坊主に
終わるだろうと思うけど、あんまり「オ
ソオセヨ、オソオセヨ」を連発するもん
だから、また今週も台風がやってきそう
だ。
まさか、台風よいらっしゃいませ、って
つもりはないんだけれどもね。

「超大型台風が三連休の日本列島を直撃
のおそれ」なんて、新聞記事には書いて
あっけど、土曜日はおろか、祝日も通常
出勤なんて会社が多いこのご時世に、な
んて的外れな記事なんだろう。

久しぶりにパパはJRに乗って出かけて行
った。
座席に座り、列車の扉をぼおっと眺めて
いたら、扉にシールが貼られていたよ。
人間が体操座りをしているマークを赤い
線で丸く囲い、斜めに斜線が一本。その
下には、こう書いてある。

「床にすわらないでください」

そうかぁ、人が床に座っちゃうと、狭い
列車じゃ他の人の迷惑になるもんね。
そのシールの図柄を見ていたら、パパは
なんだか笑いがこみ上げてきた。
頭の中で、勝手にシールを逆さにし、想
像したのさ。
そして、これまた勝手に但し書きを頭の
中で書き換えた。
「抱え込み宙返りはご遠慮ください」

なんでも、来週から国体とやらがはじま
るらしい。まさか、列車の中で宙返りす
る選手はいないだろうけど。
そんな中で、みんなの健闘を祈るパパ。
一方、なんだかとりとめのないブログを
書いているレイラ。
まさか、ノーベル文学賞でも狙うつもり
か。あの村上春樹でさえまだなのに。

そうそう、「来ないで!」って韓国語で
どういうのかなぁ。
どうか台風よ来ないで、ってパパに叫ん
でもらわないと。 

しっかし、こんな作文だと、ノーベル賞
なんてゼッタイ無理だな・・・
レイラ、いつもとはかなりズレてる。 


お風呂に入る?

2014年10月05日 | 日記

台風の影響なんだろう、きょうは朝から
風が強くて、自宅のお庭の木が大きく揺
れている。
このところシャンプーとご無沙汰してい
るもんだから、レイラの毛は櫛どおりが
悪く、朝のブラッシングは思ったよりも
時間がかかってしまう。長いのはヤだな
と、ブラッシングが苦手なレ
イラです。

さて、きょうは日曜日。
いつものようにお掃除をしてコーヒーを
淹れ、静かなお店でパパは新聞を読んで
いる。
新聞には、きのう起こった出来事や難し
い政治のことが書いてある。
ただ、毎週日曜日はね、パパが楽しみに
している記事がある。
それは、韓国語会話のワンポイントレッ
スンのコーナーなんだ。

パパはいま、どうやら韓国語に興味があ
るらしい。
毎回そのコーナーでは、すぐにでも役に
立つ韓国語を紹介してあって、それを読
んではパパは繰り返し口に出して覚えて
る。

例えば、こないだは「オソオセヨ」。
これはね「いらっしゃいませ」って意味
らしい。
これはいい言葉だと、その日のうちに韓
国の人とおぼしきお客さまに、パパは
「オソオセヨ~」って話しかけてたな。

そいで、きょうは
「モギョカシルレヨ?」
これはね「お風呂に入りますか?」って
意味なんだって。
韓国からお客さまがわが家に泊まりに来
たときなんかにね、きっと使える。

ただ、韓国では自宅では湯船に浸かるこ
とが少なかったりしてね、自分が入った
あとは、そのお湯を抜いてしまうことも
あるらしく、日本では次の人も同じお湯
に浸かるからそのままでいいんだよ、っ
て教えたげて、って記事には補足してあ
ったな。
そうか、やっぱりお国が違えば言葉も習
慣も違うんだね。 

さあ、きょうから使おう!
「モギョカシルレヨ?」

でもパパ、うちのお店では使えないよ。
これ言っちゃ、「えっ?ここお風呂もあ
んの???」ってことになる。

だから、みんなお家で使ってね。
奥さんやご主人に、
「モギョカシルレヨ?」
って言ってみて。
すると相手は、それって何?って聞いて
くる。
たらね、お風呂に入る?って意味だよっ
て教えたげて。

するとさ、相手はドキっとして顔を赤ら
めて、こう返事をするよ。
「えっ?? い、いいよ(モジモジ)」
ってね。
オイオイ、「一緒に入ろっ」って言った
と勘違いしてるよ。

やっぱりこの新聞記事はいいな、夫婦円
満にも役に立つと、パパは大いに感心し
てる。

ねぇパパ、レイラにも聞いてよ!モギョ
カシルレヨ?ってさ。
すぐに「うん」と答えるよ。
だって、ずっとシャンプーしてなくて、
すっごく櫛どおり悪いんだからさ・・・