今回の沖縄県知事選挙では「期日前投票」の得票が勝敗をわけたとのもっぱらの噂である。
有権者の10・5%の11万606人──今回の選挙で投票をおこなった人の6人に1人の割合になる──がその「期日前投票」をし、そのうちの70%が仲井真票だったと予測されている。02年の同知事選では「期日前投票」というシステムはなく「不在者投票」だったが、その票数は5万人台だったそうだ。
21日の「期日前投票」というエントリーで示したように、その「期日前投票」の主役は創価学会=公明党であった。そもそもこの「期日前投票」という方式の創設自体、公明党がもちかけたものだった。
創価学会=公明党は10月22日の衆院大阪9区補欠選挙で、全国から100万人の創価学会員を選挙区に召集し個別訪問を行わせたのだという。「選挙期間中に同選挙区にいる人の3人に1人は、創価学会員だったと地元の人は言っている」
19日の沖縄県知事選でも全国から創価学会員が集められたといわれている。
『日刊ゲンダイ』は、≪劣勢だった与党候補を公明票7万が勝たせた≫として、政治評論家・本澤二郎氏の次のようなコメントを紹介している。
「公明党の力の入れようは異常でした。太田昭宏代表、北側一雄幹事長のトップ2人がそろって現地入り。太田代表は2回も入っています。自ら総決起大会を開催し、『我々の軍団が立ち上がって負ける戦いはない』と支持を訴えている。恐らく、全国の創価学会員が動いたはずです。実際、出口調査では、仲井真候補は、公明支持層の約9割から得票するなど、確実に票につながっている。仲井真と糸数の差は、34万票対30万票と、わずか4万票だった。沖縄には公明票が7万票近くある。創価学会・公明党の動きが勝敗を決したのは確かです」
もう一つ、沖縄では伏線として、以前紹介した“米軍再編の水面下でかけ引き激化”(『THE HARD CORE ナックルズ Vol.02』 2006年03月10日刊)の記事に見られる、自民党のヤクザまがいの普段の戦略が大きなファクターとして存在していたように思われる。しかも、今度の安倍政権でも公明党が大臣を引き継いだ国交省がらみである。
沖縄の選挙で争点になったものは、米軍基地問題という特殊事情を除けば、これから先日本で行われる様々な選挙での本当の問題というのを教えてはいないだろうか。
このエントリーの最後に今日の『日刊ゲンダイ』の田中康夫前長野県知事の“ほんの少し行動するだけで政治は変わる”という記事を紹介するけれど、実は今ここで問題となっているものは、「ブッシュの戦争」で暫く表からかき消された感のある、欧州を中心として世界的な潮流となり始めていた「持続可能な社会」への取り組みの問題でもあるのだ。
田中前長野県知事は「脱ダム宣言」をし、それで失われる雇用や経済を、山林事業の再生、福祉事業の拡充などで補おうと試みた。これこそ、主にドイツが現在先頭に立って試行錯誤で懸命に模索し、また実行に移してもいる「持続可能な社会」の一つの形でもあるのだ。
地球は人間の無節操な開発に既に悲鳴を上げている。たとえば≪長野にはダムはもう要らない≫と言っている。しかし、「ダムはもう作りません」というだけでは、そのダム建設に雇用をあてこんでいた地域社会にとっては何の解決にもならない。ダムを作らなくてもやっていけるような実効的で、現実的な持続可能である対応策が求められるのである。
たとえば≪街はもう車はいらない≫と悲鳴を上げている。では車を出来る限り減らしましょう。でも、これまでその車社会ゆえに成り立ってきた雇用や経済の代わりになるものは?そこでドイツの一部地域がとった策は、公共交通機関、特に市電の大幅な拡充であり(実際に既に車の乗り入れを禁止している街も出てきている)、また雇用をそういう環境設備関連業種などに振替えるというものである。
日本の現状は「小泉改革」で更に一段と悪化、困難なものに変じている。しかし、まだ遅くはない。
有権者の10・5%の11万606人──今回の選挙で投票をおこなった人の6人に1人の割合になる──がその「期日前投票」をし、そのうちの70%が仲井真票だったと予測されている。02年の同知事選では「期日前投票」というシステムはなく「不在者投票」だったが、その票数は5万人台だったそうだ。
21日の「期日前投票」というエントリーで示したように、その「期日前投票」の主役は創価学会=公明党であった。そもそもこの「期日前投票」という方式の創設自体、公明党がもちかけたものだった。
創価学会=公明党は10月22日の衆院大阪9区補欠選挙で、全国から100万人の創価学会員を選挙区に召集し個別訪問を行わせたのだという。「選挙期間中に同選挙区にいる人の3人に1人は、創価学会員だったと地元の人は言っている」
19日の沖縄県知事選でも全国から創価学会員が集められたといわれている。
『日刊ゲンダイ』は、≪劣勢だった与党候補を公明票7万が勝たせた≫として、政治評論家・本澤二郎氏の次のようなコメントを紹介している。
「公明党の力の入れようは異常でした。太田昭宏代表、北側一雄幹事長のトップ2人がそろって現地入り。太田代表は2回も入っています。自ら総決起大会を開催し、『我々の軍団が立ち上がって負ける戦いはない』と支持を訴えている。恐らく、全国の創価学会員が動いたはずです。実際、出口調査では、仲井真候補は、公明支持層の約9割から得票するなど、確実に票につながっている。仲井真と糸数の差は、34万票対30万票と、わずか4万票だった。沖縄には公明票が7万票近くある。創価学会・公明党の動きが勝敗を決したのは確かです」
もう一つ、沖縄では伏線として、以前紹介した“米軍再編の水面下でかけ引き激化”(『THE HARD CORE ナックルズ Vol.02』 2006年03月10日刊)の記事に見られる、自民党のヤクザまがいの普段の戦略が大きなファクターとして存在していたように思われる。しかも、今度の安倍政権でも公明党が大臣を引き継いだ国交省がらみである。
今の沖縄は一昔前の本土のように、様々な名目の土木工事などで自然の破壊が急激に進行しているらしい。
米軍再編の水面下でかけ引き激化
沖縄カジノ加速で浮かぶ政治家の名前
山崎拓、小池百合子、伊藤公介
ライブドア事件で一躍、有名になった沖縄利権。
その中でも永田町の連中が目をつけている最大の利権がある。
それはカジノ構想。
石原都知事の歌舞伎町お台場カジノ構想がほぼ霧消された現在、
沖縄に金が集まり、それを求めて政治家たちが群がっていく。
…(略)…
すべてのカギとなる米軍再編=普天間飛行場問題については、目下のところ政府、県ともに妥協する余地は見せておらず、綱引きが続いている。政府は強権手段に出て、県の同意なしに基地移設を可能にする法制定の「禁じ手」を使うのでは── 一部にはこんな見方もあるが、具体的な動きはまだ見えない。しかし、政府が敢えて「禁じ手」を使うまでもなく、両者の力関係は今まさに、沖縄側の圧倒的不利に傾きつつあるのである。
衝撃!公正取引委員会の一斉捜査
2月14日、県経済界に衝撃が走った。公正取引委員会が昨年6月、県発注の工事で談合を繰り返していたとして、県内約160の大手土木建設業者に立ち入り検査を行った問題で、公取委がこれら業者に納付を命じる課徴金と県が業者に求める違約金(損害賠償、国税への追徴金)総額が200億円規模になるとの試算を、県建設業界が明らかにしたからだ。公取委は3月中に最終的な結論を言い渡すと見られ、処分を受ける業者は3~9ヶ月の排除措置を受ける。
業界からは「これほどの金額を払うことは不可能。死刑宣告と同じ」「罰金に融資してくれるところはない」などと悲鳴が上がっており、数十社がいっきに倒産する可能性が指摘されている。
談合そのものは、罰せられて当然の行為だ。しかし沖縄では、県内5千の建設業者が全産業の12%を占める7万3千人の就業者を抱えており、今回の問題が県経済全体を深刻な事態に導く可能性が高い。それでも沖縄側はなす術もなく、せめて本年度末の工事受注を可能にしようと、排除措置命令などの行政処分を3月末にするよう、県建設業協会が公取委に求めているのみだ。
こうした事態の推移を眺めていて気になるのは、公取委による検査や処分の時期的なタイミングだ。
公取委が昨年、沖縄で立ち入り検査を行った正確な日付は6月7日。チャーター機で150人の係官を送り込んでの大規模な”奇襲”だった。
そしてこの数日後、普天間飛行場移設先にあたる県北部では地元建設業者らが、代替施設を既存の米軍キャンプ内に作ろうという防衛庁の「地上案」に対抗して、「浅瀬(埋め立て)案」を提案している。この「浅瀬案」については、埋め立て利権が欲しい地元建設業界、その利権と絡みついた防衛施設庁、米軍再編協議の主導権を防衛庁から奪いたい外務省、新基地建設の既得権を侵されたくない米国──この4者の合作であるとの説が有力なのだ。ちなみに、最近の「官製談合」事件で表面化した防衛庁と防衛施設庁の確執は、この時期にいっきに激化したと言われている。
つまり公取委の電撃的な一斉検査については、「こうした動きに対する政府からの牽制だったのでは」(地元紙記者)との見方が根強くあるのである。
さらに、公取委が沖縄の建設業者に処分を下す3月には、在日米軍再編の最終報告が出る予定になっている。はた目には、政府の沖縄関係閣僚・高官らは、米軍再編への理解を得ようと”説明行脚”を粘り強く繰り返しているだけに見えるが、実はそうではない。
彼らが敢えて恫喝せずとも、沖縄に対する無言の圧力は、その重圧の度を水面下で増し続けているのだ。
…(略)…
いわゆる「沖縄利権」については、かつて一手に掌握していた自民党旧橋本派から森派に移行中との説をよく耳にするが、県建設業界の幹部に言わせれば、「たしかに、沖縄振興の予算確保は政治家にお願いしているが、それを執行するのは国交省」だという。沖縄を食い物にしてきた政治家と役所のラインが新たに「カジノ」を握るのを、世論が傍観するだろうか。…(略)…
沖縄の選挙で争点になったものは、米軍基地問題という特殊事情を除けば、これから先日本で行われる様々な選挙での本当の問題というのを教えてはいないだろうか。
このエントリーの最後に今日の『日刊ゲンダイ』の田中康夫前長野県知事の“ほんの少し行動するだけで政治は変わる”という記事を紹介するけれど、実は今ここで問題となっているものは、「ブッシュの戦争」で暫く表からかき消された感のある、欧州を中心として世界的な潮流となり始めていた「持続可能な社会」への取り組みの問題でもあるのだ。
田中前長野県知事は「脱ダム宣言」をし、それで失われる雇用や経済を、山林事業の再生、福祉事業の拡充などで補おうと試みた。これこそ、主にドイツが現在先頭に立って試行錯誤で懸命に模索し、また実行に移してもいる「持続可能な社会」の一つの形でもあるのだ。
地球は人間の無節操な開発に既に悲鳴を上げている。たとえば≪長野にはダムはもう要らない≫と言っている。しかし、「ダムはもう作りません」というだけでは、そのダム建設に雇用をあてこんでいた地域社会にとっては何の解決にもならない。ダムを作らなくてもやっていけるような実効的で、現実的な持続可能である対応策が求められるのである。
たとえば≪街はもう車はいらない≫と悲鳴を上げている。では車を出来る限り減らしましょう。でも、これまでその車社会ゆえに成り立ってきた雇用や経済の代わりになるものは?そこでドイツの一部地域がとった策は、公共交通機関、特に市電の大幅な拡充であり(実際に既に車の乗り入れを禁止している街も出てきている)、また雇用をそういう環境設備関連業種などに振替えるというものである。
日本の現状は「小泉改革」で更に一段と悪化、困難なものに変じている。しかし、まだ遅くはない。
『日刊ゲンダイ』 2006.11.23(22日発行)
奇っ怪ニッポン 田中康夫
“ほんの少し行動するだけで政治は変わる”
沖縄県知事選挙の結果には、注目すべき点が有ります。実は64・54%の投票率は、同じく保革対立だった前々回の76・54%と比べ、12%も低下しているのです。
日本に存在する米軍基地の9割近くが沖縄に集中しているのは、或る種の異常事態に他ならない。恐らくは日本に暮らす誰もが認めざるを得ない現実です。日米両政府間で「普天間返還」が合意してから既に今春で10年。にも拘らず、総論賛成・各論反対が相次ぎ、未だ沖縄県以外で受け入れを表明した奇特な自治体は皆無です。
他方、この10年間に通常の公共事業費とは別に、3400億円もの「沖縄振興」予算を政府は投入しました。が、失業率は47都道府県で最悪。県民所得は国民所得の7掛けに留まっています。
実は、総事業費の7割を国が負担してくれても、8割もの金額が東京や大阪のゼネコンへと還流していくのです。僕が「『脱ダム』宣言」を発するに至った、それが大型公共事業の実態です。即ち、地元は持ち出し。孫請け、ひ孫請けで地元業者が参加しても、自律の道とは程遠いのです。
少しでも基地問題を改善したい。しかし、それは与党直結の知事の下でも膠着状態だったではないか。況や、安保廃棄を声高に語る社民党や共産党が、民主党を差し置いて地元で牛耳る野党共闘の元では…。
地域循環型の経済や雇用を確立したい。しかし、その具体的処方箋を与党も野党も示し得ていないではないか。斯くなる虚脱感が「低投票率」を生み出したのです。「讀賣新聞」の調査では、名護市辺野古に移転する政府案への賛成者は僅か22%。反対68%。「中央との太いパイプ」を誇示する新知事に投票した県民とて、半数近い49%が反対。賛成は38%%に留まり、前途多難です。
畏友・森永卓郎氏が進行するニッポン放送のラジオ番組「朝はニッポン一番ノリ!」では、今回の知事選の勝敗が安倍晋三政権の基盤強化に繋がる訳でもなかろう、との認識のリスナーが6割に上っている、との調査結果も発表されました。
寧ろ、先週末に実施された福岡、尼崎の2市長選挙の勝敗にこそ、着目すべきです。
福岡市長選は、誤謬無き侯補を擁立し続けるのは我が党のみ、と一人カラオケを熱唱し続ける共産党が独自侯補を擁立し、畏兄・小沢一郎氏を私淑する元市会議員も立侯補する中、民主党が推薦する新人が、自公推薦の現職を打ち破りました。
公明党の冬柴鉄三国土交通大臣の選挙区でもある兵庫県尼崎市では、国務大臣を歴任した自民党の政治家が父親の候補者が、10万票を獲得した元客室乗務員の現職市長・白井文女史に対し、その半数に満たない4万7000票で惨敗しました。驚く勿れ、投票率は39・87%。雨が降ろうが槍が飛ぼうが投票所に足を運ぶ善男善女の組織票の前に、本来ならば彼女が惨敗しても不思議ではないのです。田中康夫が目標だと公言し、ガラス張り市長室を設けようと予算を提出するも、守旧派議員が大半を占める市議会で否決され、受難の4年間だった白井文女史の勝利に密かに驚愕しているのは、最早、全国各地で支持組織が壊滅状態な自民党でありましょう。
私利私欲とは無縁の有権者が、ほんの少し行動するだけで政治は変わり得る一つの事例です。
面舵いっぱい! 方向転換する勇気
http://blog.goo.ne.jp/nagashima21/e/9f9e826a217ef40488e4908580340cd8
俵孝太郎氏が
「民主党支持者の4人に1人以上は、党の推す候補に背を向けて自公の推す候補に票を投じたという」
と『日刊ゲンダイ』2006.11.23(22日発行)の“俵孝太郎の辻斬り説法:沖縄知事選の意味深長な結果”で書いています。(ちなみに、俵氏のスタンスはその4人に1人の「1人」のほうを応援するというものです)
また森田実氏は今月初め森田氏のWebで注意を呼びかけています。
・民主党内に送り込まれた「敵の手先」に注意せよ!!(森田実の言わねばならぬ 2006.11.4)
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03015.HTML
その記事でも指摘されていますが、10月22日の衆院補選では投票日直前に次の記事が出ました。
・周辺事態認定 小沢代表反対 前原氏ら異論会合 15人「北実験は極東有事」 (産経新聞 2006.10.20)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061020-00000002-san-pol
また、今度の沖縄県知事選では投票日前日に次の記事が出ています。
・集団的自衛権、民主が行使を一部容認 (読売新聞 2006.11.19)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061119-00000201-yom-pol
読売の書き方もうまい(プロパガンダ、詐欺的にですが)ですが、民主党内の誰かがリークしたものとも考えられます。
それぞれ記事が産経と読売というのも興味深いのですが…(笑)
こんな記事もありますね。
・前原氏、小沢代表と距離? 主導権争いの火種も (共同通信社 2006.11.15)
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/politics/20061105a1650.html
「永田メール」騒動がなければ「小泉とカイカクを競う」というこの前原誠司氏が未だに民主党党首をやっていたわけで、世の中何がどう幸いするかわからないです。
そのこと自体で何かオカシイと報道しないマスコミ。
しかも、その7割が公明党支持であれば、さらにオカシイと発信すべきであるにも関わらず、自民党の勝利のみを報道するマスコミ。
その差の事実を追求することで、問題点が浮き彫りになってきますね。どれだけ隠そうとしても、事実は隠しきれない。
印刷の件一つとっても創価学会は故意に自らの印刷所を作らずに委託をしており、創価学会のマスメディアに対する批判封じとして使われています。
また、メディア内部の創価学会員の存在も、政界における公明党の存在のように、創価学会が覇権を目的に意識的に官庁や警察に学会員を送り込み、検事や弁護士などの養成にも学会をあげて取り組んでいる、等と同じように、計画的なものである場合も多いのでしょう。
憲法の「政教の分離」の理念はやはり正しいと創価学会を見ていて思いますが、それにつけても、多くのマスメディアの利己性には呆れます。
芸能界にも創価学会がはびこっていますが、こんな論評もありますね。
テレビ映像の影響 ビル・トッテン
http://www.asyura.com/0306/bd27/msg/698.html
ここのところ、メディアに「教育」という文字がいくつも踊っていますが、マスメディアは教育を語る前に、やることがあるのではないでしょうか。
広告主というだけではなく、不買運動や訴訟などの可能性を考えていくと、批判する気が失せるだろうという構造はわかりました☆ありがとうございます。