＜安倍首相＞中曽根康弘元首相と会談 改憲に向け協力求める [毎日新聞] 2007年01月24日
安倍首相は２４日、首相官邸で中曽根元首相と会談した。首相は憲法改正について「教育と憲法の問題を自分の仕事と考えている。ご支援願いたい」と改憲の実現に向け協力を求め、連携していくことを確認した。中曽根元首相は「この仕事をやりたいという自分の情熱が国民に届くかどうかが大事だ」とアドバイスした。
『SPA！』 2007.01.30号
今のニッポンに未来はあるのか？
森永卓郎氏 × 田中康夫氏
田中康夫 「国民からギリギリまで搾り取る国家は、結果的に競争力も落としてしまう」
森永卓郎 「消費税を上げずに財政再建する方法なんかいくらでもあるんです」
田中 9月に安倍政権が発足して5か月になります。支持率も下がる一方です。森永さんは安倍首相をどう評価していますか？
森永 私は安倍さんをナメちゃいけないって、ずっと言い続けてるんです。彼は臨時国会で政府提出の法案を全部通したわけですよ。防衛庁を防衛省にする法案を通したでしょ。教育基本法改正っていう憲法改正の前哨戦も通しましたよね。郵政復党組を含めて3分の2の議席を持っていて、やろうと思えば何でもできちゃう立場にある。私は次の通常国会は恐ろしいものになると恩っています。一気に新自由主義の国家体制づくりに邁進するんじゃないですか。
田中 「新自由主義」とは何ぞや、っていう説明を読者の皆さんにしてくださいますか？
森永 サッチャー、レーガン以来、新自由主義には4つの特徴があります。一つは、市場原理主義で弱肉強食の経済体制をつくること。2つ目は金持ち減税、貧乏人増税で格差を広げること。3つ目はエリートだけの選民教育を行い、一般大衆への教育をおろそかにして無知にすること。最後に、そうやってできあがった無知で低賃金の大衆を駆り立てて、戦地に送ってどんどん殺していくこと。アメリカのイラク戦争が典型的です。イラクに行っている兵士の平均年収は180万円。軍隊に入る前の年収は平均100万円しかない。結局、死んでいるのはみんな貧乏人なんです。誰も戦地に行きたいわけじゃない。生活のために仕方なく、生命の危険を冒して軍隊に入っているんです。
企業は儲かっているのに働く人間に還元されない
田中 金持ち減税、貧乏人増税というのは共和党的な自民党政権がやってきたことだよね。所得税の最高税率は84年には70％だったのに、今や37％と半減です。昔の金持ちは所得の7割を税金で持っていかれたけど、今の六本木ヒルズの住民たちは何十億儲けても37％で済んじゃう。
森永 そのうえ、今年は所得税・住民税の定率減税を全廃して、企業減税だけやるわけです。やっていることがまるで逆ですよ。そのことは経済を見ると一目瞭然。今、消費が10か月連続で前年割れしてる危機的な状況なんです。なぜかというと、景気回復の5年間で名目GDPは21兆円増えたのに、サラリーマンの報酬は4兆円も減ったから。一部の企業や金持ちは儲かっているのに、実際に汗水垂らして働いている人間には還元されていないということです。今、4世帯に1世帯で貯金がゼロなんです。本当なら、企業や大金持ちに増税してでも一般の税負担を減らさなければおかしい。
田中 財政赤字を解消するためには消費税増税しかない、って財務省は言っているけど、超高齢化社会になって労働力人口が減ってるんだから、増税は2倍、3倍の重さで庶民の肩にのしかかってくる。ますます消費が冷えこんじゃうよね。消費税が倍の10％になると逆に民間消費は3％、GDPも2％下落する試算もあるぐらいで。
…（略）…
参考：
・読者をバカにするサギシ、安倍晋三氏
・共謀罪に関する毎日新聞の2記事他
