雑木帖

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公明党新代表の太田昭宏氏の選挙

2006-09-24 19:21:06 | 政治/社会
 公明党の代表が党内選挙も何もなく神崎武法氏から太田昭宏氏に代わる。その太田昭宏氏の昨年の衆院選挙のたたかいぶりから「公明党=創価学会」の代表にふさわしい人間であるということを少し顧みてみよう。
 彼の立候補地の東京12区は自民党で元郵政相の八代英太氏の地元で、前々回の衆院選では自公の選挙協力体制から八代英太氏は比例にまわり衝突がさけられた。しかし昨年の衆院選では八代氏が小泉郵政民営化法案に反対票を投じたことから、すったもんだの挙句、八代氏は無所属で立候補、結局は両者は一戦を交えることとなった。
 小泉自民党総裁は郵政民営化に反対をした“造反議員”の選挙区には、選挙民に選択の余地や権利を与えなければならないなどと嘯いて刺客を送ったのだが、何故かこの東京12区には送らなかった。勿論自民票を太田昭宏氏にまわすためである。「選挙もいろいろ、選択や強制もいろいろ…」ということらしい。如何にもサディズムの性癖の噂のある人物らしい采配だ。

 東京12区は他に民主党前衆院議員の藤田幸久氏、共産党新人の野々山研氏が立候補し、計4人の激戦区となった。
 それにしても共産党はこれまでほぼ全ての小選挙区に立候補者を立て、夥しい数の、当選の可能性がゼロの泡沫候補が日本中で野党票を割らせ食い潰しをしてきた。この共産党の無為な選挙体制がなければ、日本では政権交代はとっくにおこなわれている。共産党のバックには与党の協力者がいるのではないかとまで囁かれる所以で、結果からいえば、そのような疑問ももっともなのだ。
 逆に創価学会票は一小選挙区につき2万~4万票といわれているが、昨年の衆院選ではその公明党=創価学会の推薦を得た自民党候補者は239人に上った。この与党と野党のコントラストは際立っている。
 それに加えて、「盗聴については誰でもやっていること。警察も昔やったことを謝ればいいだけのことです。もともと創価学会には仏法の下に国法があり、その下に普通法(世間法)があるという教えがある。国法とは日本国憲法のことで、普通法は刑法や民法という解釈になります。したがって仏法の下では憲法や普通法を変えることは有り得ることです」とのたまう公明党=創価学会はまともな選挙運動などやらない。
 昨年の選挙の時の各誌の記事から創価学会の選挙運動ぶりをひろってみる。

 まず、『週刊新潮』は2005.09.15号で“「ポスター剥がし」に泣かされ 八代英太”という記事で次のように書いた。
 …何よりも呆れ、かつ驚くのは、公明党のホープたる太田氏を落選させまいとする創価学会のパワーだという。
「うちの支持者にも太田氏への支持を訴える電語がかかってくるし、他の地域の学会員が選挙区内の店で買い物をし、そのかわりに太田さんへの一票をお願いする。そんな運動まで展開されちゃあね。ただ……」
 と言いながら、こんなことを明かすのだった。
「困るのは、うちのポスターが剥がされる被害が急増していることなんだよね」
 実はこれと同様の被害は、民主党の藤田幸久氏(55)の陣営でも確認しており、「選挙区内に貼ったポスターの3分の1が破られたり剥がされたりしています」
 早速、太田氏の事務所に問い合わせてみたところ、
「あたかもうちの仕業であるかのような言い方をされているとしたら、到底容認できませんね。うちも被害は出ているのですから」
 と憤るが、その被害は、
「カッターで切られたポスターが1枚あった」
 というばかリである。
 ちなみに、冬柴鉄三公明党幹事長の立候補地兵庫6区では次のようなことが起こっていたようだ。同じく『週刊新潮』2005.09.15号から。

 「尾行・盗撮」嫌がらせ選挙

 全小選挙区で勝利する──。公明党にとって、これは目標(スローガン)ではな<義務(ノルマ)である。勢い、その選挙戦は激烈を極めるのが常とはいえ、冬柴鉄三幹事長(69)のお膝元では「尾行や盗撮」まで行われているというのだから、聞き捨てならない。

 自公の選挙協力の象徴はまさにここ、兵庫8区である。それが証拠に、「小泉首相は全国遊説の第一声を兵庫6区の伊丹市で行いました。が、その後、尼崎市のJR脱線事故現場を初めて訪れている。そこは兵庫8区、冬柴氏の地元に他なりません。さらに首相はその足で、冬柴事務所を見舞って挨拶してもいるのです」(政治部記者)
 首相がかくも冬柴氏への特別な”計らい”に及んだのにはワケがある。
「前回、民主党の室井邦彦氏(58)に1万5000票差と肉薄された冬柴氏は、何が何でも勝たねば、の強烈なプレッシャーに晒されているからですよ」(同)
 それを裏付けるように、室井氏の選対幹部が「冬柴陣営の仕業だと思う」と、はっきり前置きしたうえでこう言うのである。
「室井の街宣車には、いつもワンボックスカーの尾行が付いてきます。車内には若い男性が数人乗っていて、遊説の様子をビデオで撮っている。遊説を終えて事務所に戻っても、道の反対側にそれらしき車が停まってずっと監視しています。集会などにも怪しい人物が紛れ込んでいて、絶対に室井とは握手をせず、じっと集会の様子を見ているだけ。気味悪いこと、この上ない」
 冬柴陣営の仕業、と見るのはなぜかと聞けば、
「室井が後援者の家を訪ねると、その人の家のポストにはすぐさま冬柴への応援を依頼する名刺が入る。集会に参加した人の家にも同じような名刺が入ったり、電話がかかってきたりするのです。電話の主が”室井は女たらしだ”などと言うことさえある。前回の選挙では投票日前の深夜から未明に室井への投票を坪びかける偽の電話が有権者のお宅にかけられたりもしました」
 片山さつき氏が立候補した静岡7区では…『日刊ゲンダイ』2006.09.10号が次のように報じた。

 マドンナ、くノ一刺客も学会票が頼み

 マスコミで派手に扱われている刺客候補も公明党には頭が上がらない。
 たとえば、静岡7区のマドンナ刺客の片山さつき。9月2、3日に行われた個人演説会は両日とも公明支援者で埋め尽くされた。
「選挙区外の公明支援者にも動員がかかり、1000人を超す学会員が詰め掛け、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした」(地元関係者)
 分裂状態で動員力のない自民党をアテにしていたら、閑古鳥が鳴いていたはずだ。
 奈良2区の高市早苗のように、公明党から96年の総選挙以来、推薦を得られず、軍門に下って支援を取り付けた刺客候補もいる。問題の小池百合子も公明党の走狗であり、刺客候補全員が同じである。
「小池は公明党の推薦を得るため、党の豊島総支部にわざわざ出向き、党幹部との面接まで受けています。公明党に対する応援姿勢、特に12区の太田候補に対する支援体制をみっちり聞かれたようです。その後は、大勢の学会関係者が集まった『デビィ夫人と語る会』に飛び入り参加する従順ぶり。公明票欲しさのため、四の五の言っていられないのでしょう」(地元政界事情通)
 マドンナだ、くノ一だとチヤホヤされた連中も選挙が終われば、信濃町に足を向けては寝られない。
 東京12区の選挙結果はといえば次の通りだった。

 ●109636票 太田 昭宏 公明  衆議院議員4期
   73943票 藤田 幸久 民主  衆議院議員2期
   44279票 八代 英太 無所属 衆議院議員3期(参3期)
   26068票 野々山 研 共産  党地区政策委員長


 投票率は67.8%だった。
 ベンジャミン・フルフォード氏は2003年11月の衆院総選挙の時に外国メディアが最も驚いたのは自民党が公明党・創価学会への深入りにまったくためらいがなくなったこと、と『日刊ゲンダイ』2003.11.19号で書いている。毎日新聞によればこの選挙では自民党の小選挙区当選者168人のうち、創価学会票がなければ半分近くの81人が落選していたという。フルフォード氏は続けて言う。
『選挙協力や連立がいけないと言っているのではない。公明党が支持母体とする創価学会の政治・選挙活動に、重大な疑念を感じるのである。創価学会は「欧米の宗教組織も政党支持はやっている」というが、教会が前面に立つことはない。宗教組織や宗派のリーダーが「私の立場に近いのは○○党」と表明することはあっても、信者を集めて特定の侯補者名を挙げ、「この人を当選させましょう」と指示することはありえない。ましてや、投票日に知人・友人を投票所まで連れて行くなんて”動員”をやれば、法律に引っかかるだろうし、信者から総スカンを食う。聖教新聞に書いてあることだけが正しいと教え、選挙で投票する候補者を押し付けるのは、明らかに宗教組織の政党支持から逸脱している』
 かように日本の選挙は創価学会に乗っ取られているのだ。ちなみに、2003年4月の統一地方選では公明党は立候補者1797人の全員当選を果たしている。
 その公明党代表を新たにつとめる太田昭宏氏の選挙の有様を、最後は『FRIDAY』2005.09.23号から。

 運命の総選挙 投票直前!大ワイド「史上最悪な“9・11”結末」

 八代英太氏“反乱”で落選危機
 『公明党のプリンス』の
 “不気味すぎる”街頭演説
 太田昭宏[東京12区]


 激戦区というのは他の選挙区以上に盛り上がるのが常だが、一種異様な雰囲気の選挙戦を見ることができるのが、東京12区だ。党の“プリンス”といわれながら、小泉首相とケンカ別れした八代英太氏(68)の出馬で大苦戦を強いられそうな、太田昭宏氏(59・公明)。その演説会場は、極めて“宗教的”な様相を帯びる。
 9月3日、選挙区内の東京・王子の演説会場には、創価学会員といわれるタレントの柴田理恵が登場。熱い応援を受けた太田氏は「勝たせて下さい!勝たせて下さい!」と絶叫を繰り返した。凄かったのはここから。まもなく竹中平蔵大臣が来着し、演説を始める。
竹中 「郵政を民営化しないでいいのですかッ!」
聴衆 「ダメーッ!」
竹中 「特定郵便局は相続税が8割も免除されているんですよ!」
聴衆 「ウソーッ!」
 まるで示し合わせたかのような、他ではあり得ない不気味な声援。だが、竹中大臣はノリノリだ。「(民主党代表の)岡田さんでは困るんです。みなさん一緒にいいましょう!そうはイカンザキ!」。そう叫ぶと、聴衆と一体となって、「太田コール」を繰り返して……。
 どこかの全体主義国家のような自公連立政権の行く末に、うすら寒いものを感じたのは本誌記者だけではあるまい。


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1 コメント

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Unknown (財閥)
2006-10-06 14:29:47
最近聞いた社民の福島の答弁、ひどかった。中学生のホームルームかと思いました。
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