有権者はこういう事実を知っておくべきなのだろう。
『日刊ゲンダイ』 2006.10.24
補選 自民2勝のウラ側
不人気な安倍を勝たせた「公明党」「共産党」「棄権選挙民」
神奈川と大阪の衆院補選は、予想通り、自民党の2連勝で終わった。だが、安倍自民党が強いのかというと、そうではない。政治の危機をまじめに考えない愚かな選挙民と創価学会・公明党、さらには共産党の無策に勝たせてもらったにすきない。
むしろ、安倍首相の意外な人気のなさが目立った補選だった。
「安倍内閣は歴代4位の高支持率ですが、小泉前首相と比べたら、集票力は全然違う。今回の補選では両方の選挙区で街頭演説をしているが、動員された観衆以外はほとんど安倍首相に関心を示さない。せいぜい携帯で写真を撮って終わりです。動員された観衆も学会員が多いせいか、公明党の太田代表の演説が終わったら半減というありさまでした」(選対関係者)
だから接戦だった大阪の自民党陣営は、「最終日にはぜひ小泉さんに応援にきてほしい」と執行部に懇願したほどだ。
そんな弱い安倍でも勝てたのは、一にも二にも創価学会・公明党のフル回転だ。民主党の菅代表代行が「相手の運動員の大部分が公明党、創価学会の皆さんだ」と皮肉ったが、当たっている。
創価学会フル稼働に対抗する手は野党共闘のみ
政治評論家の森田実氏が言う。
「自民党の選挙は小泉時代から、学会・公明党が最大の後援会、票田になっている。とくに補選では関西の学会運動員が大阪9区へ、神奈川16区でも県内から運動員が集中した。彼らは、公明票はもちろんのこと、自民票まで人海戦術でしつこいほど掘り起こす。両選挙区の自民党侯補の得票のうち、学会組織で出した票は8割近いと見ていいでしょう。つまり、補選は自公侯補が勝って当たり前のシステムになっている。逆にいえば、自民党単独で選挙をやったら、もう民主党に勝つのは無理なのです」
さらに、自公が一体なのに、野党がバラバラだから安倍政権の思うツボだ。前出の森田実氏が続ける。
「自公に対抗するには、勝ち目のない共産党が候補者を立てないことです。エゴイズムで立てるから、反自民票が分散され、結果的に自公候補を助けている。自公からすれば、共産党は敵どころか、ありがたい味方です。安倍政権は『共産党サマサマ』と言ってますよ。大阪9区の補選は、共産党が“共闘”したら逆転もあった。共産党は、戦争政権である安倍を助けてどうするんだ、考え直せと言いたいですよ」
それに加えて、前回に比べて15ポイント以上もの低投票率(神奈川16区=47%、大阪9区=52%)が示す通り、無党派選挙民は政治にまるで関心なしだ。いくら増税で苦しめられても、安倍のイケイケ強硬外交で北朝鮮危機が迫っても、投票で流れを変えようとしない。
“不参加”で安倍戦争政権を支えている。処置ナシだ。
難病問題について、記事を書きました。マスメディアがらみです。TBさせていただきます。
> 今度の患者負担の導入によって当然増やす必要のある
> 国庫負担が約62億円削減できると厚生省は試算しています。
> このたった62億円を削減するために、36万名の患者を
> 犠牲にしていながら、かたや銀行支援にはその5000倍の
> 資金が使われている事等にたいし、納得いく説明を聞きたいものです。
(「福祉医療制度(公費医療・福祉医療)3」より
http://blog.goo.ne.jp/harayosi-2/e/911c531aeb224f826f61a9a4df040da5 )
6000億円。
これは官邸、経済財政諮問会議が検討している大企業優遇税制の金額です。
現在大企業は空前の好況に沸いているのですが、この6000億円が「国際競争力のために必要」なのだそうです。
かたや、国民年金を滞納すれば最終的に国民健康保険を使えなくする、という論理的に破綻した政策に端的にあらわれているように、貧者は人として扱わないというのが今の政治。
しかし、そういう政権が続いています。
富裕層に属するといっていい大メディアの権力の監視の弱さ(この点では収入が他のメディアより少ない毎日新聞ががんばっているのは偶然ではないのでしょう)に加えて、権力志向の巨大宗教団体の政治的に操作される大量な票が、国政に対する他の市民の批判票を選挙で反映させがたくしているという要素も大きいように思います。
日本での感覚からいくと、このブレアの「労働党」という名は、ちょっと意外な響きがあるように思います。
中曽根康弘が首相に就任する3年前に英国で首相になり、「鉄の女」として新自由主義を進めたマーガレット・サッチャーは保守党所属でしたが、彼女の言った台詞に、
「お金持ちを貧乏にしても、貧乏な人はお金持ちになりません」
というのがあるそうです。
でも、お金持ちをさらにお金持ちにさせても、今の社会システムでは貧乏な人は貧乏なままです。
というより、今の日本は人的コストと、下請けの中小の企業に対するコストカットでその上の一部の大企業が好況を享受している観もあり、お金持ちをさらにお金持ちにさせる政策をとれば、貧乏な人はより貧乏になる、といった感じです。