世の中には何かを聞いて「なるほど」と思うことがときにある。
僕にとっては最近次のことがその一つになった。
けれど、にもかかわらず、大部分の番組がこのキーワードによって正体を──なかには良いものもあるが──あらわすような気が僕はしているのだ。
僕にとっては最近次のことがその一つになった。
…私はあるテレビドラマの取材協力をすることになった。大学医学部の出世レースに取りつかれた男のドラマだ。制作関係者が教えてくれた。これはテレビ業界全体を言い表すものではないのかもしれない。テレビ業界にも様々な人々がおり、これで全てをくくることは避けなければならないのだろう。
「いまどきテレビドラマを観るのはお姉さんたち、そう“ロンバケ”世代の女性だけですよ」
“ロンバケ”とは'96年に大ヒットした連ドラ『ロングバケーション』のことだ。これにハマった、当時20代前半の女性をロンバケ世代と呼ぶらしい。
本当にテレビは女性しか観なくなったのか。私がレギュラー出演している『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)を観ているのも女性ばかりだという。女性向けの番組しか、テレビ局が作らなくなったのか。
ある放送関係者に言わせると、
「男性が観るものもいいんだけど、意味ないでしょ。モノ(CMで流れる商品)を買わないから」
男性が観ようと観まいと、社会的には影響がないのだという。男性はテレビ局から存在を無視されているということなのだ。
かつての青春ドラマのような若者向けにメッセージを送るドラマは現在放送されているのだろうか?…
(『週刊現代] 2006.09.09号 異端のメス『青春ドラマ』に学んだ人間社会の“素” 南淵明宏)
けれど、にもかかわらず、大部分の番組がこのキーワードによって正体を──なかには良いものもあるが──あらわすような気が僕はしているのだ。