今日、十一月四日 は、写真家の Robert Mapplethorpe (ロバート・メイプルソープ) さんのお誕生日です。 (1946年生まれ) ..........................................
と語ったというロバート・メイプルソープさんのことば、これは、空間を 「切り取る」 のではなく、空間を 「掘り起こして」 「とらえる」、ということなのでしょうか?
ふと、夏目漱石さんの 『夢十夜』 の挿話を思い出します。
鎌倉時代の仏師 (仏像をつくる工匠) 運慶が登場する夢の第六夜で、
と、仁王像を彫る運慶の腕さばきの見事さについて、町人が語る部分です。
ミケランジェロさんは、
と発言したといいますが。
天才の仕事というものは、そういうものなのでしょうか。
ギターを爪弾くだけで、聴き手を感動させたり、
ペンを走らせるだけで、読者をあっと言わせたり、
絵筆を滑らせるだけで、観る人を魅了させることができる
のは、
さながら、 どこからともなく降りてきた 「音」 や 「ことば」 や 「色」 などを、じぶんのなかから掘り起こして表現できるという、 天賦の才能を与えられているのでしょうか。
(以上、初出:2003.11.4 一部加筆)
ところで、ロバート・メイプルソープさんというと、Patti Smith (パティ・スミス) さんとのコラボレイションが、個人的にいちばん印象深いのです。
・Patti Smith Group “Horses”
・Patti Smith Group “Wave”
・Patti Smith “Dream of Life”
(以上、ジャケット写真は、ロバート・メイプルソープさん撮影)
才能にあふれた二人は、かつて恋人同士でした。
同性愛者として知られているロバート・メイプルソープさんですが、当時は、その傾向はなかったようです。
同棲していた二人ですが、ある日、ロバートさんは、パティさんから別れを告げられます ... 。 そして ... 。
ちょっと、うまくできすぎた話のような気もしますが、天才たちのエピソードには、ふさわしいものなのでしょうか。
「君が僕のもとを去るならば」
パティ・スミスは、ロバート・メイプルソープにとって、「運命の女」 だったのでしょうか。
このことばは、「運命のひと」 ことだったのでしょうか。
運命のひと、運命のひとこと、運命の一瞬 ... 。
その後、パティ・スミスさんは、女性パンク・ロック・シンガーとして、さまざまな形態のアートの表現者として、活躍。
ロバート・メイプルソープさんは、写真家としての名声を得ていきます。 「花」 シリーズや、アメリカン・アフリカン男性のヌード写真などが有名でしょうか。
そして、二人は、男女の性を越えた、芸術家同士の友情で強く結ばれつづけたとか ... 。
―― 人の生には、いったい、どんな運命が作用するのでしょう?
―― 人の幸福って、いったい、なんでしょう?
* 運命にも負けずに ..... 。 (2004.11.4)
* 写真は、筆者撮影によるものです。 ( ... って、そんな、たいそうなものではありませんが ... )
参考:
・「ロバ-ト・メイプルソ-プ特集」
・Art Phote Site - 「ロバート・メイプルソープ」
BGM:
Velvet Underground ‘運命の女 / Femme Fatale’
「写真を撮ることは空間を彫刻することだ」
と語ったというロバート・メイプルソープさんのことば、これは、空間を 「切り取る」 のではなく、空間を 「掘り起こして」 「とらえる」、ということなのでしょうか?
ふと、夏目漱石さんの 『夢十夜』 の挿話を思い出します。
鎌倉時代の仏師 (仏像をつくる工匠) 運慶が登場する夢の第六夜で、
「眉や鼻を鑿(のみ)で作るんじゃない。 あのとおりの眉や鼻が木の中に埋まっているのを、鑿と槌の力で掘り出し」ているのだ、
と、仁王像を彫る運慶の腕さばきの見事さについて、町人が語る部分です。
ミケランジェロさんは、
「石の中に人が埋まっているから、はやく掘り出してあげなければ。 --- それがわたしの仕事だ」
と発言したといいますが。
天才の仕事というものは、そういうものなのでしょうか。
ギターを爪弾くだけで、聴き手を感動させたり、
ペンを走らせるだけで、読者をあっと言わせたり、
絵筆を滑らせるだけで、観る人を魅了させることができる
のは、
さながら、 どこからともなく降りてきた 「音」 や 「ことば」 や 「色」 などを、じぶんのなかから掘り起こして表現できるという、 天賦の才能を与えられているのでしょうか。
(以上、初出:2003.11.4 一部加筆)
ところで、ロバート・メイプルソープさんというと、Patti Smith (パティ・スミス) さんとのコラボレイションが、個人的にいちばん印象深いのです。
・Patti Smith Group “Horses”
・Patti Smith Group “Wave”
・Patti Smith “Dream of Life”
(以上、ジャケット写真は、ロバート・メイプルソープさん撮影)
才能にあふれた二人は、かつて恋人同士でした。
同性愛者として知られているロバート・メイプルソープさんですが、当時は、その傾向はなかったようです。
同棲していた二人ですが、ある日、ロバートさんは、パティさんから別れを告げられます ... 。 そして ... 。
「行かないでくれ! もし君が僕のもとを去るなら、僕はゲイになる!」と哀願したという。 だがパティは一時彼のもとを去り、メイプルソープはその言葉通りにゲイ・ライフを歩み始めた。
『レコード・コレクターズ増刊 アメリカン・ロック Vol.3』 から引用
ちょっと、うまくできすぎた話のような気もしますが、天才たちのエピソードには、ふさわしいものなのでしょうか。
「君が僕のもとを去るならば」
パティ・スミスは、ロバート・メイプルソープにとって、「運命の女」 だったのでしょうか。
このことばは、「運命のひと」 ことだったのでしょうか。
運命のひと、運命のひとこと、運命の一瞬 ... 。
その後、パティ・スミスさんは、女性パンク・ロック・シンガーとして、さまざまな形態のアートの表現者として、活躍。
ロバート・メイプルソープさんは、写真家としての名声を得ていきます。 「花」 シリーズや、アメリカン・アフリカン男性のヌード写真などが有名でしょうか。
そして、二人は、男女の性を越えた、芸術家同士の友情で強く結ばれつづけたとか ... 。
―― 人の生には、いったい、どんな運命が作用するのでしょう?
―― 人の幸福って、いったい、なんでしょう?
* 運命にも負けずに ..... 。 (2004.11.4)
* 写真は、筆者撮影によるものです。 ( ... って、そんな、たいそうなものではありませんが ... )
参考:
・「ロバ-ト・メイプルソ-プ特集」
・Art Phote Site - 「ロバート・メイプルソープ」
BGM:
Velvet Underground ‘運命の女 / Femme Fatale’
はじめまして。
同じ写真をご覧になっていたのですね。
いい写真展でした。
私には美しさを見極める眼がなく、彼が創り出す空間に、ただただ言葉を失ってしまいした。
彼の作品を例えたり、褒め称える言葉が私には思い浮かびません ... 。
John Doe さんは、ほんとうに Mapplethorpe さん、そして彼の写真がお好きなのですね。
いえ、好き、というだけでなくて、特別な存在なのだな、と、コメント拝読して思いました。
> 1989年3月9日
そうでした、三月九日。まもなくですね ... 。
その時期にはまだ早いですけれど、その日には、桜の花が散るときのような 痛みや虚しさを覚えるのかもしれません。
まだチケットも残っていました。
彼は僕にモノを見つめる眼を教えてくれていた。
ファイバーベースのゼラチンシルバーの美しさも。
一枚ずつの写真を穴の空く程見つめ、
彼が何を見ているのかを知ろうとした。
僕にとって、彼はもの言わぬ先生でした。
被写体の身体に、そして眼に映り込む、
光のカタチを指でなぞり、
花器に映る影で、窓で、
彼のいる空間を知る。
あのころを
懐かしく思い出します。
1989年3月9日
もっとたくさんのやり残しを片付けて欲しいと思った。
思えば、歩きはじめたら、止まれなくなってしまった。
何かを手に入れる為に、たくさんのものを置き去りにした。
そして最後は彼自身も。
彼は亡霊になって、まだ彷徨い続けている。
カタチを変えて、
少なくとも僕の中では。
同じ写真を見たのですね!
そっかあ ... 。 十二年前 ... 。
いい写真展でしたよね ... 。
名古屋市美縦館以外の巡回先は、東京都庭園美術館、水戸芸術館現代美術ギャラリー、神奈川県立近代美術館みたいなので、もしかしたら、byrdieさんと同じ写真を見たのかもしれませんね。
15年ほど前にも、メープルソープ展があったのですね。
そんな以前から、観に行かれていたとは ... 。
絵とか写真とか、おくわしそう ... 。 わたしは、有名なものだけです ... 。
そうそう、いま東京ではマティス展がやっているのですけど、なかなか時間がとれないのですよね ... 。
(ピカソもやっていたかな??)
シーレさんと、デルヴォーさん、教えてくださってありがとうございます。
とくにシーレさんが多く描いたという恋人の女性の絵が気になります!
ぜひ見てみますね!
> お二人とも、人物画を多く描かれたのでしょうか。
そうですね。
シーレは、ほとんど人物画しか書いていないです。
デルヴォーは、人物を中心として幻想的な背景を書く人でですが、人物のいない絵はほとんど無いので、やはり人物画を多く描いている人ですね。
そういえば、シーレにもヴァリーという恋人がいて、彼女の絵をたくさん描いたのですか、彼女の絵と、パティーの写真も、どこか通じるものがあるような気がします。
よかったら、画集を覗いてみてくださいね。何か感じるものがあったら、教えて下さい。
ヒロ†さん、絵や写真がお好きなのですね!
> エゴン・シーレとポール・デルヴォー
んん、どちらも名まえは知っていても、詳しく知らない画家さんです ... 。
ちょっと調べてみたところ、
シーレさんは、クリムトさんと同時代のかたなんですね。
ポール・デルヴォーさんは、ベルギーのかた ... 。
お二人とも、人物画を多く描かれたのでしょうか。
作風はちがいますが、人物のとらえ方・表現の仕方に、なにか共通するところを感じたのかしら ... ???
画集とか見てみますね!
> その共通点がなんなのか、未だによくわかりませんが、メープルソープの写真は好きです。
そうなのですね。
なにか、感ずるものがあったということでしょうか。
「理解できなくてもいい、なにかを感じとれれば、それでいいのだ」 ... サマセット・モームさんの小説(『人間の絆』)に出てくる一言 ... 。
ありがとうございます!
メープルソープの写真を見たとき、なぜか、彼にもその共通点を感じました。
その共通点がなんなのか、未だによくわかりませんが、メープルソープの写真は好きです。
> 興味が広がります!
そう言っていただけると、ほんとにうれしいです。
ありがとうございます!
パティ・スミスさん、わたしは、大好きなんですよ。
ぜひぜひ、どうぞ♪
ブルース・スプリングスティーンさんと共作したバラード、‘Because the Night’ が入っている “Easter” というアルバムが聴きやすいかもしれません。
(UA がカヴァーしていたりする、美しい曲です)
> でも曲はベルベット・アンダーグラウンドなんだ(笑)やられた!
うふふ。えと、パティ・スミスさんのデヴュー・アルバムのプロデュースを、(ヴェルヴェッツの)ジョン・ケールが担当しているのですよ。
そんなつながりもあって、なんとなく ... 。
> 色んな知識が増えます。
そう言っていただけると、とてもうれしいです!
ありがとうございます!
ご縁がないかもしれない話題でも、できるだけわかりやすく(?)書いているつもりなのですが ... 。
コメントいただけて、ほっとしました。
> 今回、どの詩も心打たれるものがありました。
> ロバートさん素敵です(笑)
いい言葉ばかりですよね。
ロバートさんも、きっと、とても真摯な人なのかなあ ... なんて想像しています。
> でも一つ思うのは彼らは天賦の才というより ...
ふむふむ。そうですね ... 。
えと、きっと、感受性が、人よりも豊かなのですよね。
それを、自然に、正直に表現していくのって、簡単なようでむずかしいのかもしれません。
フツウの人には、「常識」とか「世間体」とか、その他もろもろの、さまざまな「フィルター」が、無意識にかかってしまうのかも ... と。
感性がすばらしいだけでもすごいことだと思いますが、それを表現する力がある(身に付けられる)のは、ほんとうにすごいです。
これは、真似しようと思っても、真似ができません。
そう考えると、これも、ひとつの才能なのかな ... と、考えるのですが、いかがでしょうか ... 。
(ん~、「才能」という一言では、片付かないもの、なのかも ... という気もしてきました。)
(興味深いご意見ありがとうございました!)
きっと、しなたまさんはご存知だと思ってました!
十年くらい前、ロバート・メイプルソープさんの写真展があって、観に行ったのですが、パティさんのヌードもあったりして、どきっとしました。
> へーへーへーとボタン連打です
その番組、観たことがないのですが(すみません ... テレビを観ていないので ... )、知ってます!
トレビアンの泉ですよね?! (あれ??)
> こういう話は出来る環境、出来ない環境ありますよね。一人だけ知っててもさみしいし…。
そうなのです ... 。
今回の記事は、どなたからも反応がないかも ... と思ったのですが、書いちゃえ! という勢いでアップしてしまったのですが ... 。
ありがとうございます!
> カップルといえばルーリードとローリーアンダーソンはまだ付き合ってるんですか? ...
ビッグなカップルですよね!
えと、たしかご結婚なさってます。そして、現在も仲睦まじいお二人でいらっしゃると思いますよ!
パティ・スミスも名前知っている程度。
ふむふむ
ほんとにここではお勉強させていただいてます。
興味が広がります!パティ・スミスも聞いてみようかな。
でも曲はベルベット・アンダーグラウンドなんだ(笑)やられた!
私には縁のないことが
多いからかもしれません(苦笑)
暖かいですよね、BLOG自体が。
今回、どの詩も心打たれるものがありました。
ロバートさん素敵です(笑)
でも一つ思うのは彼らは天賦の才というより
今まで感じてきたことを自然に、かつ正直に
作り上げる力を身につけたことに
あるような気がします。
と、偉そうなこと言ってごめんなさい(逃走)
へーへーへーとボタン連打です(すいません、俗ネタで 笑
こういう話は出来る環境、出来ない環境ありますよね。一人だけ知っててもさみしいし…。
カップルといえばルーリードとローリーアンダーソンはまだ付き合ってるんですか? と"Run, BLOG, Run"をロックQ&Aと間違えてるしなたまでした(笑