細菌戦の系譜!!

2020-11-04 10:38:11 | Weblog

 

●『1931 満州鞍山守備兵 斉藤準太郎の日記』

 

 

 

 

二月二十六日

分遣隊にて通報 馬賊事件在り この間の恨晴とかいう密偵の報告 警察署を襲撃するとか。弐拾五日の午後十二時五十分腰の周りを温めて また辛いモーターカーに乗る ジャズに引かれておどる様な動ようを身に覚えつつ冷たい夜半を一路煙台さして走った。

煙台に弐拾六日朝零時一寸過ぎについた時は最早遼陽に帰るような列車なし 煙を残して無心に貨物は通過してしまう こんなことなら証明書でも持って列車を停車してもらえばよかったのに 朝の午前は八時十分の第十六列車迄待たねばならないかと思うと悲しくなる。約八時間夜明けを此の待合室に―

 

 

    

大江健三郎著

「ヒロシマノート」岩波新書(1965年発行)

 

 


 
挿絵カット 丸木位里・赤松俊子『ピカドン』(1950年86日ポツダム書店発行)より

 

1  広島への最初の旅

 

 

 

 

 

 小さなトラックが学生たちの群れの中央に陣取っていて、その上のマイクから全学連のリーダーが『第9回原水禁大会へ参加されたすべての労働者、学生、市民の皆さんへのアピール』を読み上げている。≪私たち全世界の人々の反戦、平和の強い要求にもかかわらず、第9回原水禁世界大会はドタン場までもめ続け、遂に広島原水協に白紙委任することに多数決で決定されました。だが、一体何が決まったというのですか。差し迫った反戦、平和の闘いについての方向性が少しでも明らかにされたというのですか。≫彼らの背後にはウチワ太鼓を叩いて祈っている僧侶たちの一団がいるし、空にはヘリコプターが旋回し花火が上がっている。代表たちは、平和、平和!というシュプレヒコールで学生たちの歌をかき消そうとする。荒々しい緊張の気配が騒音と共に平和公園にみなぎっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  日本は、日中戦争で国際法に違反して、細菌戦、毒ガス戦、無差別爆撃を行った。日本政府は、この事実をきちんと認めていない!!

 

●『細菌戦部隊』

731研究会編   1996年9月(核時代51年)初版発行

 

Ⅰ 731部隊

 

解説ー細菌戦(森正孝)

細菌戦の被害状況

そして95年7月に出された『中国侵略と731部隊の細菌戦ー日本軍の細菌攻撃は中国人民に何をもたらしたか』(明石書店)では被害現場の生の声と資料を紹介することによってより詳細な細菌戦の状況を明らかにすることとなった。

 以下、私がこの間調査した個所を中心に細菌戦被害の状況をごく簡単に記しておく。詳細については『中国侵略と731部隊の細菌戦』及び『侵略パート6・細菌戦ー浙江からの告発』(1995年12月完成、60分)を参照いただきたい。

 

 

 

 ・『証言 人体実験(731部隊とその周辺)』


中央档案館、中国第2歴史档案館、吉林省社会科学院編
江田憲治、兒嶋俊郎、松村高夫編訳

 


 細菌兵器製造の為の大がかりな鼠類収集


佐藤福次供述書(1954年8月7日)


問:双城県警察分署巡査などの職務に就いていたさいの犯罪行為について述べよ。


答:1939年春、「満洲国」双城県警務科保安衛生係保安衛生係員(警尉補)をしていた際、科長の指示により、県下各村の中国人住民に強要し、軍用として鼠1万5000匹以上を捕まえて、ハルピンの石井部隊に送り、細菌培養用に供した。


(1)
119-2377,1第4号 

 

 



 

 

●毒ガス戦
・『日本軍の毒ガス兵器』  松野誠也著

第1章毒ガス兵器の製造と教育

3 民間企業は毒ガスの製造にどのように関与したか

陸軍が民間企業を育成

毒ガス製造には民間企業も深く関与していた。陸軍化学研究所は、第1次世界大戦の欧米列強の毒ガス製造を検討したうえで、日本ではその大部分を民間企業に委託し、一部は官立工場で実施する方式を採用すべきだとしている(陸軍3等軍医正松村桓「陸軍科学研究所化学兵器講義抄録」陸軍軍医団編『化学兵器講習録』)。つまり、毒ガスの原料や中間体を民間企業に製造させ、それを軍に納入させようというのである。


 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 細菌戦の系譜!! | トップ | 細菌戦の系譜!! »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事