「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

無敵イスラム軍(p533~)

2012-12-24 21:09:07 | 中東
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 ムスリムの俺最強症候群は深刻だ。「原理主義の父」サイード・クトゥブの『道標』では、「信仰者の心髄では、貧富を問わず夷教徒への勝利感が眞心より存在する」とし、こう語る。「信仰者なら、無明なる先人の制度と知識に対して、イスラムの制度と叡智を上位に置くのは当然だ。信仰者は誤謬なる先人を上より見下ろし、先人オワタと無上の優越感に浸るのだ。…ムスリムは今日物理力を喪って制圧された状態だが、良心を喪わぬ限り、ムスリムこそが征服者を上回る現世の王であることに変わりはない。現況はやがて去り、逃げ道なき篤信の潮流が巻き起こるのだから」
 アラブ優越思想も最強だ。「イスラムなきアラブ人が存在しうるか?イスラムこそアラブ人に齎された唯一のイデオロギーにして、アラブ人を人類の領導者に押し上げたものなり。イスラム抜きでアラブ人がどう人類史に残れよう?」
 『道標』や『コーランの陰影』でジハーディを焚き付けすぎたために、クトゥブは1966年ナセルの手で処刑された。故に、クトゥブを「過激派」と切り捨てる向きもあるが、クトゥブのイスラム至上思想は広く世界に流布している。
 ヒュー・フィッツジェラルドはこういう。「ウンマは平等とされているが、アラブ人はなんとなく偉いという黙契が存在する。コーランの原語に選ばれたアラビア語を話すアラブ人はそれだけで偉い存在なのだ。預言者も信徒もアラブ人だった。アラビア語以外の翻案コーランは望ましくない存在とされ、非アラブの子弟たちは意味も分からぬまま7世紀の古代アラビア語のコーランを暗唱する。…サウジはアパルトヘイト国家だ。ムスリムと夷教徒の区分だけでは飽き足らず、ムスリム内にも一級のアラブ人と二級の非アラブ人という等級構造が世上に存在する。
 このアラブ人最強主義は反イスラムの武器として過小評価されている。「多くのムスリムをしてイスラムの中のアラブ至上性、優れた文明を貶めるアラブの黙契に気付かせるのが重要だ。この戦術は特にイランでよく機能するだろう」
 モロッコでは先住民族たるベルベル人の影響力が制限されている。「我らアラブにあらず、真の歴史を光復するぞ!」ある年の労働の日、ベルベルのタマジット語で数百人が示威した。モロッコの過半数はベルベル系ともいわれるが、モロッコ憲法はアラブ国家と自称している。アフリカ全体でベルベル人は2500万人ほど存在する。
 
 イスラム式不平等の思想は既に欧州へ輸出されている。2005年、デンマークで2人の移民が殺された時、後に預言者戯画騒擾で憎悪煽動を行ったイマームのアブー・ラバンは加害者に対して20万クローネを弁償するよう求めた。これは預言者の時代の駱駝100頭分に相当する額だ。血金の発想はコーランに由来する。「信徒よ、殺人への報復刑をここに定む。自由人には自由人、奴隷には奴隷、女には女への。ただし、害者の兄弟が報復軽減を申請した場合は、犯人は眞心より丁重に弁償せよ。これは信徒への我の情け深き慈悲である」
 デンマーク多文化主義の「左世の王」ポリティケン紙はこの血金の発想を検討価値ありとする。しかし、このイスラム式正義は重大な問題を抱えている。第一これは、西欧の司法体制を無視した部族的な仇討の発想法だ。西欧にも確かに同種の伝統があったが、この部族法を忘れて久しい現在、イスラムの方も血金を放棄すべきだろう。これを認めるのなら、西欧人も自衛のために部族法に回帰せねばならない。
 その上、前近代段階のイスラムの場合、血金は不平等に支払われる。性差別を伴うこれはアパルトヘイトそのものだ。サウジの法廷は女の人命は男の脚と同価に過ぎぬという判決を下した。交通事故で妻を殺し、夫の脚を負傷させたシリア人に対して、それぞれ1万3300ドルを弁償するよう命令したのだ。これが棄教者の場合、殺人無罪となることもある。夷教徒の場合は不平等だ。2002年4月9日のウォール・ストリート・ジャーナルによると、サウジで死亡事件への血金の額はシャリーアに基づき、こう定められている。

 被害者がムスリム男子なら10万リヤル、ムスリム女子なら5万リヤル、キリスト教男子なら5万リヤル、キリスト教女子なら2万5000リヤル、ヒンドゥー男子なら6666リヤル、ヒンドゥー女子なら3333リヤル

 アリー・シーナーは「ムスリム男子の価値はヒンドゥー女子の33倍もある。これがコーラン認定のイスラム式人権とするなら、どうしてイスラムの民主主義を語れよう?」と述べ、イスラム政府に存在するファッショの黙契を列挙し、「イスラムは政治であり、政治イスラムはファッショである」と総括する。

 ・偉大なる聖職者による権力集中
 ・全社会、全宗教を覆う統制主義
 ・テロルと検閲による異分子の抑圧
 ・夷教徒へのゴーマン主義
 ・宗教アパルトヘイト
 ・反理性、帝国主義

 トロントのライアソン大学におけるムスリムの俺最強症候群は深刻だ。ムスリム学生協会が「多信仰の広間」の使用権をムスリムだけで「永久予約」したのだ。広間はイスラムにとってのみ心地よい空間に改造された。カナダ学生協会が介入した時もあったが、嫌イスラム流の問題だけが告発された。
 米国議会図書館のレイモンド・イブラヒム司書はロサンゼルス・タイムズで警告する。

 法王ベネディクト16世がイスタンブールのハギア・ソフィアを訪れる前、大きな懸念がトルコ人にあった。このモスクに改装された正教徒の君府で、法王が十字架を掲げるなどキリスト教を復古するようなどんな紅世の事態が生じるだろうと。

 法王は「東方の君府」たるハギア・ソフィアでジンミーとして行動したので、問題は生じなかった。しかし、「イスラムが自己批判する前に西洋が自己批判を繰り返したことで、西洋はまた、イスラム特権を再確認することになった」

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