【さて、どうしたものか】これと同機能の製品が見つからない。

　四月から、ナンバープレート掲示に関する基準が改訂されます。
　ナンバープレート用の樹脂製カバーや取付角度基準等が明確に規定され、アメリカンによく見られる縦横を入れ替えた取りつけ方や角度を変更するキット等が使用出来なくなります。
　否、それは俺はやってないから別にどうでもいいんですけど。


　俺の問題は、これが出来なくなることですね。
　否、角度によっては見えるから別に罰則とかはつかないだろうというのが地元警察の交通課の警察官の意見なのですが、白バイとかにカモられる可能性があるかもしれません。

　俺の場合はツーリングフックとしてではなく、以前のレビュー記事にも載せた通りにナンバープレート盗難の抑止のための盗難防止用品としての意味合いが強く、これが使えなくなると防禦が甘くなるんですよね。
　理由についてはひととおり述べていますが、自動二輪用のナンバープレートって、裏側は個別に独立した二個のナットで留めてあるだけなんですよ。
　したがって、どんなに強固な盗難防止ボルトを使っても、ナットを廻すことさえ出来ればはずすことは難しくないんです。
　よって、防禦を出来るだけ強固にしようとするなら、鉄板などでナットをふたつ連結したものが必要なんですよ――二個のナットを個別に操作出来なくすれば、裏側から廻すことは出来なくなります。さらにそのナットが袋ナットであれば、ボルトの先端に鋸等で切れ目を入れてマイナスドライバーで廻すことも出来なくなります。
　でもそういったものは製品として存在しないので、代用としてこれが必要なんです。

　無論これをフェンダー裏側にして表側からボルトを入れる方法も、あるにはあります。
　でも、それをするとボルトの頭が外から見えるので触りやすくなります。ボルト自体はマックガードですが、普通のボルトに比べれば難しいとはいえ、廻す方法が無いわけではありません。
　POSHのフジツボとかを周りに仕込めば廻しにくくなりますが。マックガードのボルトヘッド(直径十五ミリ）に仕えるフジツボとなると大きすぎて検査標章が隠れます。そうなったらそれはそれでうだうだとうるさくなることでしょう。角度によっては読み取れるツーリングバーと違って、フジツボは検査標章の一部が完全に隠れてしまうので、こっちは一発でアウトですからね。鬱陶しいああ鬱陶しい鬱陶しい。
　ちなみにナンバープレートカバーは新基準が発行していない現時点でも最低でも十六の都道府県で禁止されており、違反すると公安委員会遵守事項違反として最低でも五千円以上の罰金が科されます。

　なので表にこのツーリングバー、裏にフジツボつきのマックガードのボルトが最も強固なのです。表からはツーリングバーを完全に切断しないと廻すことが出来ず、裏側は専用の工具が無いとボルト自体を廻せず、フジツボが邪魔するためにネジザウルス等の工具でボルトの外周を直接掴んで廻すことも出来ず、フェンダー裏という場所柄手元も見えにくく作業もしにくい。あとはフェンダーごと切り取って持ち去るくらいしか出来ませんが、そこまでするくらいなら泥棒は別なバイクを狙うでしょう。
　
　そもそもツーリング用途ではなく、あくまで防犯の強化だけを目的に製品を選んだので、この組み合わせが一番強固なのは間違いありません。
　乃木隊長が言った格言の通り、敵がなにを一番嫌がるか、それを考えるのが戦争なのです。
　この格言に従って、俺は俺ならどんなふうに防禦されたら盗みにくくなるか、それだけを考えてなにを買うか決めました。よって、どんな形であれこれとは違う組み方にしたら絶対に防禦は弱くなるんですよ。
　ツーリングバーの上下を逆にしたら文字は隠れなくなるけど、今度はシートを開けるためのキーシリンダーにキーが刺さらなくなります。刺さっても廻せません。
　交通課の警官の意見はちゃんと聞いて、曲がった部分を延ばそうともしてみましたが、残念ながら万力では延ばせませんでした。
　
　オフセット量がもっと小さいか、もしくはオフセットしてない製品があればそっちに乗り換えるところなんですが、セキュリティボルトと組み合わせられる雌ねじの製品が今のところこれしか売られてないのです。

　となるとPOSHが基準変更を受けて別な製品を発売してくれるのを期待するか、あとは取っぱらうしかないんですが、人がせっかく考えたのを台無しにしてくれるとかいい迷惑ですねえ。ま、自動点燈式ヘッドライト(正確には『消燈出来ない構造』）なんてくそボケた保安基準をこしらえた役人のやることなんで、なに期待しても無駄なのかもしれないけどさ。