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【これで役に立つのか?】共産党や社民党のおためごかしじゃないが、本当に死人が出るかも知れんぞ。

2016年11月15日 23時18分21秒 | 日記・雑記
 駆けつけ警護の法案、閣議決定されちゃいましたね。元自衛官として個人的に言わせてもらうと、自衛隊の交戦規則で駆けつけ警護は自殺行為な気がします。

 外国の軍隊は『してはいけないこと』が決まっています。対して自衛隊は『していいこと』が決まっています。
 してはいけないことが決まっているということは、逆に言えばそれ以外はなにをしてもいいのです。対して、していいことが決まっている場合はそれしか出来ません。
 『していいこと』に含まれていなかったら、駐屯地の目の前で子供が嬲り殺しにされていても手出し出来ません。
 そんな自衛隊が駆けつけ警護、要するに今現在襲撃を受けている他国の部隊に対する増援ですが、そんなこと出来るかな?
 効率よく敵を排除するなら不意打ちは戦闘の基本ですが、今の交戦規則だと『威嚇射撃、そののち応戦』です。これでは増援なんてたいして役に立ちません。足手まといにしかならない気がします。

 たとえば、仮にフランス軍が民兵の襲撃を受けていたとします。
 たまたま日本の自衛隊が近くにいて、民兵に気づかれないまま彼らを捕捉したとしましょう。

        ●
      フランス軍
        ↑
       交戦中 
        ↓
 ◎→先に捕捉→○
自衛隊    ゲリラ

 位置関係がこんな感じだとします。当然、確実、かつ安全にフランス軍に対する増援として戦闘に参加するなら、ゲリラに対して側面から攻撃し、出来れば反撃の暇を与えずに殲滅することです。
 威嚇射撃など必要ありません。
 強襲制圧ハード・アンド・ファースト苛烈かつ迅速ハード・アンド・ファーストに行うものです。
 でも俺の知ってる交戦規則だと、先に威嚇射撃が義務付けられています。逆に言えば、威嚇射撃をしてこちらの位置を相手に知らせて、向こうから攻撃をしてこない限り、自衛隊は攻撃出来ません。
 たしかにフランス軍に対する攻撃は火力が分散するぶん弱くなるでしょうが、自衛隊が攻撃を受ける危険は大きくなり、制圧にも時間がかかります。さらには、敵の増援が来る可能性もあるわけで、正直効率的な戦い方とはいえません。

 というか、安倍総理が七月に起きた南スーダン・ジュバでの戦闘について、『戦闘行為ではない』と言っていますが、自民党お得意の言葉遊びだと思います。
 稲田朋美防衛も、『法的な意味における戦闘行為ではなく、衝突だ』『戦闘行為とは、国際的な武力紛争の一環として行われる人を殺傷しまたはモノを破壊する行為だ。こういった意味における戦闘行為ではないと思う』と言ってますが、そうだね、戦争の定義は国際間の武力行使行為だね。
 でも戦闘は違うだろうって言うか、どんなに言い変えたって中身が変わるわけではありません。
 首相は『武器を使って殺傷、あるいはモノを破壊する行為はあった。大野さんの解釈として『戦闘』で捉えられるだろうと思うが、我々はいわば勢力と勢力がぶつかったという表現を使っている』と説明したそうですが――つまり戦闘があったと認めたうえで、戦闘ではないと主張するために違う表現を選んでるって自分で認めてるやん。
 戦争ではなくても低強度紛争Low Intensity Warfareではあるよね。
 戦闘状況じゃありません!と主張したところで戦闘行動は起こるだろっていうか、そういうところに目をそむけてたんじゃ、活動範囲だけ広がっても行動の基準が変わらないから、安保法案も役に立たないし自衛隊の死者が出る可能性が増えるだけだよ。
 共産党や社民党の子供を出汁にしたやり方はアカ特有の卑怯な手段ですし、このカシオミニを賭けてもいいですが連中は自衛隊員の命なんて心配してません。国民の命なんぞ心配する様な殊勝な連中なら、阪神淡路大震災その他の災害やイラン・イラク戦争の際の邦人救出などの有事にもう少しましな対応しますよ。
 だからこそ、自民党にはもう少しましな状況を整えてほしいですね。
 他国と連携して紛争中の国の平和維持に当たる……それは当たり前ですが、交戦規則が当たり前じゃないです。
 なんか厄介な状況だったら増援の要請を断るみたいなことも言ってましたが、結局あてにならない役立たずだと看做されるだけですしね。

 それに、自衛隊って交戦の経験がありません。
 それってつまり、隊員の誰ひとりとして、人を殺した経験が無いってことです。もちろん――幸いなことに――俺もありません。
 すなわち、実際に戦闘の現場に立ったとき、躊躇無く敵に向かってトリガーを引ける様なマインドセットは出来てないってことなんですよ。
 トリガーを引けば弾は飛び、弾が当たれば敵は負傷し、場合によっては死にます。
 その事実に、今まで全員が交戦の経験を持たない自衛隊員が、耐えられるでしょうか。
 それがわかったうえで、撃てるかな?
 
 さらに不安要素を挙げれば、自衛隊の装備品も、隊員同様実戦の経験がありません。
 89式小銃ひとつとっても、おそらくいろんな環境での動作テストや耐久試験をしてません。外国の軍隊向けトライアルだと泥水に浸して機関部を泥まみれにした状態での作動の円滑性を確認したり高いところから地面に叩きつけて暴発しないかをチェックしたりと、様々な条件下でテストします。仮にやってたとしても、アメリカやイギリス、イスラエルほどのシビアなテストではないでしょう。
 俺がいた千歳の部隊は89式小銃が標準装備だったんですが、当然分解もしたことがあります。特にトリガー・グループが実に細かな部品の集合体で、いかにも塵埃に弱そうな印象を受けました。正直なところ、実際に戦闘に出るということを想像したとき、これで長期間戦えるのかと不安になりましたよ。
 戦争ばっかりやってたアメリカのAR-16でさえ、ヴェトナムで投入された初期モデルはアルミ製の弾倉が簡単に変形する、装薬が合ってないせいでプレッシャー・ピストンの動作に不良が出る、おまけに弾頭は葉っぱに当たって砕け散るほどに脆い、フォークランド紛争でイギリス軍がチリ軍と戦ったときには弾頭の貫通力が高すぎて骨や内臓に命中しなければ敵の動きを止められないと、散々な有様でしたからね。
 
 もちろん自衛隊は――どう言い方を変えたところで――軍隊、もしくはそれに準ずる実力行使を行うための武装集団です。
 戦闘が起これば、死傷者が出るのは仕方無いでしょう。俺も、死ぬのは別にかまわなかった。でも、犬死には嫌です。
 でも駆けつけ警護、言い方を変えてはいますが要するに攻撃を受けている部隊に対する増援としての緊急出動任務ですが、こういった武力行使を行う状況下に投入するなら、交戦規則や装備品等、改善することで生存率が上がる要素をまずはすべて突き詰めてからにすべきです。
 昔小泉政権のころのPKOでは、自衛隊は携行する小火器に弾薬の装填を認められず、実質丸腰の状態で任務にあたっており、他国の兵士に同情されたという話さえありました。
 ここんとこをきちんとわかってるかどうか、正直不安なんだよねぇ……もちろん北沢俊美あたりの指揮下よりは、政権にひげ隊長がいるぶんなんぼかましなんですが。
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