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名画座「ラブレス」

2018年11月29日 | 映像関連
「ラブレス」

ロシア人の監督さんらしいですね
単純にロシア映画としていいのかな?
まっ、そんなことはどうでもいいでしょうか。
米アカデミー賞の外国語映画賞にノミネート
されましたが、受賞したのはチリの
「ナチュラルウーマン」でした。



アカデミー賞では英語以外は外国語映画賞と
なります。

 映画「ラブレス」公式サイト 👈 


タイトル通り、世界は何処の国を問わず
愛なるものを忘却しつつあるようです。
愛されることを求め、構われることを望み
それでいて愛することをせずに欲するばかり。

冷たい空気が漂う暗い映像の中で、
愛を失い、ひとを責め、
愛に飢えている迷路の中で
もがき、さ迷っているような映画です。
これを名画とするのは、現実に失望し続け
心の安堵の求め先を失いかねません。

お互いが結婚生活に失望し旦那は別居先で
女を孕ませています。
かたや妻は、そんな夫を責め続け汚く罵り
それでいて初老の男の前では裸体を晒し
蕩けるほどの男女の交わりにしがみついて
いる。



夫婦の愛の無い間に生まれた一人息子は
愛されずに両親が投げ合うボールのような
存在にいます。

そして、ある日、息子が忽然と消えます。

明日になれば帰って来るだろうと思われた
のに帰って来ない、捜索の規模は次第に
大きくなるも見つかりません。

こんなことになったのは、お前のせいだ
いえ貴方が原因よ、産まなきゃ良かった
後悔しているわ・・・
お互いが責め合う中にも息子の安否を思い
合う様子が感じられません。

孕ませた女は私を棄てないでと男を頼ります。
ですが、この男を見ていて愛など感じません。
妻は、初老の男に愛してと求めるばかり
男には大事な娘が居て時おりのネット電話で
親子の愛を確かめています。

ひどく損傷した遺体が本当は息子なのか?
いや、違うのか?
息子は消えたまま・・・結論を示さない。

この映画、一度観ただけでは分かりません。
何度か観ているうちに観手の感性が思い描く
其々の愛の意味をさがす結果になるのでは
と感じます。

単純に、よく分からないと投げ出すような
タイプには向かない映画です。
分かろうとする努力を惜しまない、
もしくは、愛なるものの意味を問おうとする
姿勢で生きている方にしか
通じない内容の映画です。
深く考えさせる映画でした。
でも、実は単純なのかもしれません。
ひとを想い、愛すれば良いのですから。