【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =096=

2018-09-26 06:14:10 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

 第6話  JAMSTECの拳―天帝編― 

◇◆ ボクの残り少ない青春をすべて、深海の研究に賭けよう =3/3= ◆◇

世界を見渡しても短期的な成果を厳しく求められつつあるような風潮が跋扈する昨今、そういう武勇伝はもはやかなり難しい状況となりつつあると思う。だがしかし、いずれにせよ、大多数の若手研究者にとって研究論文を書かずして、そのポジションを、ひいてはその研究を続ける環境基盤と情熱を維持できるほど、世の中は甘くないのが、今ソコにある現実なのだ。

だからこそボクは、「深海熱水から地球生命は誕生した」という大きな研究に挑戦したいと思うならば、そこに至る具体的な戦略やビジョンが自分のアタマのなかに完全に組み上がるまで、深海熱水やそこに棲む(微)生物に対する、誰も目を付けていない、あるいは気付いていない空白研究領域を見つけ、今の自分にできるベストの研究で論文を書き続けながら、自分を成長させつつ、周りに認めさせつつ、すこしずつでもその大テーマに近づいていこう。そう誓ったんだ。

余談になってしまうけれど、今でこそJAMSTECの同僚や同業研究者に、この連載も含めて「研究の本道を踏み外し課外活動に身を落とした芸人研究者wwwww」などと半分冗談、半分本気で揶揄されるボクだが、この研究論文原理主義者ぶりはその頃から全く変わっていないと思う。

「研究論文が書けなくなった時、それがプロの研究者としての死よ、そらそうよ」と。

ただ最近はそれに加えて、大きな研究テーマを追求するプロジェクトの成就のためには、研究論文や自分の研究能力だけではどうしても突き破れない大きな壁というものがあるという事に「分かり始めたマイレボリューション、(課外活動は)明日を変えることさ」、という渡辺美里主義にも気付いてしまったのだ。

ともかく、プロの研究者になってから3年、自分なりの研究者像を思い描いて頑張ってきた結果として、ボクは晴れてJAMSTECの正式な研究員として迎え入れられることになることがほぼ決まったようだった。この連載を振り返ってみれば、それはとても長い道のりだったような気がするが、実際にはそんな感傷は一切なかった(笑)。

ただし、当時のJAMSTECの正式研究員は、1年契約だわ(プロスポーツ選手の多くと同じ1年毎の契約)、ボーナスなしの年俸制だわ(なんと科学技術特別研究員には年3回の賞与があり、初ボーナスをもらった時はボーナスってこんなに嬉しい誤算なの? と涙した思い出ボロボロ)、総収入は20%程度下がるわで、「でも・・・結構お寒いんでしょう」的な雇用条件だったことは決して忘れない。

そして二つ目の懸案事項と言うのも、今書いた事と関係しているモノだった。 ……続く

母船「よこすか」と潜水調査船「しんかい6500」 (3/6)

 シーツなどはぴしっと整えるのだが、毛布に関しては違う。折り紙のような、ちょっとおしゃれなレストランのお皿の上に乗せられているナプキンのような姿で、部屋の主を出迎えるのだそうだ。 これは、日本の船の伝統。そして、最近ではあまり見られなくなっているという。

 ちなみに、首席ではない研究者や、肩書きに長がつかない乗船員の居室は、ほとんど相部屋だ。男性2人の乗組員の部屋をちらりと覗いて頭に浮かんだ言葉は「学生寮」だ。

 このフロアには、水回りも整っている。トイレ、風呂、洗濯室。トイレは洋式。風呂の浴槽は、一般家庭のものよりもかなり深く、船が揺れても湯が溢れないようになっている。洗濯室には、洗濯機がずらり。

 この水回りは、男女別。よこすかの竣工は1990年だが、女性用の設備が整ったのは、10年ほど前。研究者を中心に、女性が乗船する機会が増えたからだ。

 階段で、さらにワンフロア下る。ここまで降りて、上部甲板と同じ高さのフロアである。

 船首付近にあるのは厨房室だ。定員60名のよこすかの乗員の胃袋を預かる大切な場所。料理のカロリーは少し高めである。食堂は、2カ所。士官食堂と部員食堂だ。このようにわかれているのは昔のしきたりの名残で、新しい船ではわかれていない。出される食事はどちらも同じもの。

 食堂を出て船尾方向へ向かう途中にミーティング室(第1ラボラトリー)がある。調査中、研究者が集まる場所であり、コピー機や、ビデオの編集装置などが整っている。

 ミーティング室を出ると、コンテナが並ぶ一角がある。今回の航行では4本が載るというコンテナは、潜水船の予備品や研究機材を収めておく倉庫であり、また、研究室そのものでもある。

 コンテナ群の近くには、海底で手に入れたサンプルを処理するためのラボ(第4ラボラトリー)がある。腰高の観音開きの冷蔵庫に、ステンレスの作業台。一見、厨房だ。
 しかし、厨房と違うのは、作業台の上に顕微鏡などを固定するための治具が用意されていること、引き出しにはすべてロックがかかること、そして、所狭しと置かれた研究用の装置の数々だ。

 そのラボを出て、船尾方向へ進むと、そこに、しんかい6500がいた。

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 「しんかい6500」&「よこすか」

 

  

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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