6月13日(日本時間14日)の対アトランタ・ブレーブス戦でニューヨーク・ヤンキースの黒田博樹投手が日米通算150勝を達成しました。おめでとうございます。前回の登板で足に打球を受け、状態が心配されていたものの、足の不安を感じさせない粘投ぶりで、チームを勝利に導きました。
黒田投手といえば、カープ時代は「ミスター完投」の異名をとるほどの完投数で、チームの大黒柱として活躍しました。黒田投手と同年にドラフト1位でカープに入団した澤崎投手が既に現役を引退していることを考えると、黒田投手が現在もMLB(大リ―グ)で、しかも名門のニューヨーク・ヤンキースで先発の一翼を担っていることに畏敬の念を抱きます。努力の賜でしょうね。
米国へ行ってからのピッチングを見ていると、低めで動くボールが非常に多くなったと思います。伸びるようなストレートというより、打者の手元で微妙に変化するボール。現在の黒田投手の生命線とも言えるボールなのでしょう。走者を出しても、低めのツーシームやシンカーで内野ゴロゲッツーに打ち取るという場面をよく見る気がします。少ない球数で多くのイニングを投げる「省エネ」投法にはピッタリですね。
ロサンゼルス・ドジャースでの4年間は防御率 (ERA) が常に3点台ですから、凄いものです。2年目には打球が頭部を直撃するという不運にも見舞われましたが、ポストシーズンの試合に登板しているのですから、精神力の強さには驚かされます。普通なら、恐怖心もなかなか消えないだろうに…。
日本球界ではなく、メジャーでの実績が評価されてヤンキースに移籍したということは、これまでの日本人投手には見られなかったことですから、日本でももっと注目されるべき存在だと思うのですが、世間ではダルビッシュ投手、松坂投手の方が話題になり、やや寂しい印象を受けます。
通算150勝目のかかった試合を録画しようと思ったら、NHK BSでの放送はなく、NHKのニュース7でも取り上げられず、ニュースウォッチ9のスポーツコーナーでも取り上げられず…。BSのJ SPORTSで放送されている「野球好きニュース」でやっと黒田投手の力投する姿を見たときには、嬉しい反面、他の選手との扱いの差に理不尽な思いがしました。もっと正当に評価してほしい。
先日、この「野球好きニュース」で黒田投手の「決めて断つ」という本の存在を知りました。
決めて断つ 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2012-04-21 |
少年時代からニューヨーク・ヤンキースに移籍するまでの体験談や心境、それぞれの節目での自分の決断について書かれており、黒田博樹選手の人柄がよくわかる本です。中学生や高校生に読んでもらいたいなあ。謙虚で控えめ、着実に足元を固めながら、1つずつステップアップしていく姿は、一攫千金を狙う生き方とまさに対照的。いつまでもカープファンから応援され続ける理由がよくわかります。
黙々と、そして淡々と自分の仕事をこなしていく姿には男気を感じます。怪我に気をつけて、まずはニューヨークでの初シーズンを無事に終えてもらいたいものです。
余談ですが、J SPORTSの「野球好きニュース」は野球の話題が盛りだくさんで、野球の結果を詳しく知りたいときには便利です。以前、NHK鹿児島でキャスターをされていた平原さんが週1回ぐらいの頻度でキャスターを担当されているので、NHK鹿児島をよく見ていた人は親近感を覚えることでしょう(私もその一人です)。