介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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アメリカの格差増大は保守派の思想による【クルーグマン 第1章】

2008-06-25 09:53:42 | 地球→ドイツブログ
【アメリカ経済学】
昨日買った
Paul Krugman,
THE CONSCIENCE OF A LIBERAL, 2007

今朝、その第1章
THE WAY WE WERE (現状への経過)pp.3-14
を読みました。
*全部で13章あります。

【要点】
○ 戦後のアメリカは、中産階級化が進んだ。
 現在は、格差が増大している。
 それは、(一般にいわれているように)経済の国際化といった要因でもたらされたものなのか。

○ 最近における経済格差の増大は、(意外なことに)政治的な思想・運動によってもたらされた。

○ ブッシュ政権のもとで、力を持った movement conservatism のせいである。
*日本で「ネオコン」と訳されているものと同じか。

○ 民主党のニューデーィル以前に逆戻りするような思想がとられた。

○ 共和党のその保守化の根は、カリフォルニア州知事時代のレーガンにある。

○ 1990年代以降は、内政問題に関しては、選挙民ははっきりと革新的な考えに変わっている。

○ 2008年の大統領選挙では、民主党が勝利するだろう。
 *2007年に書かれた本としては、大胆な予言であるが。

○ (2008年の大統領選挙後の)新しい民主党政権の下でのプログラムは、
「21世紀型のニューデーィル」ともいうべき公的医療保険制度 universal health care の創設が重要な課題である。

*第2章以下では、上記の流れを歴史的にたどることから始められるようだ。

【感想】
アメリカを代表する経済学者の語り口が、広く、政党や人種問題への社会のスタンスから説かれていて、日本との違いを感じます。

経済は政策によって動き、その政策は政治によって作られ、さらにその背後には一握りの思想集団がある・・日本もそのようなプロセスといえるのか、日米の違いはと、読みながら考えさせられます。

目次や索引から予想はしていたのですが、公的な医療保険制度をつくることをこれからの内政上の最大の争点としている。

日本では、経済や医療技術でのアメリカの影響が強いため、アメリカの医療費システムも優れていると誤解している向きがあるが、
アメリカ自身が、公的医療保険のないことを大きな克服課題としていることを知るべきです。

・・every other advanced country already has. p14
(「・・他の先進国ではもうすでに持っている公的医療保険」といっている・・)

*写真は、6月22日、鹿児島湾。フェリーから。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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面白かった。 (チン)
2008-08-26 13:55:41
先生からいただいた本をゆっくり拝見しております。
先生おしゃったように英語はとても優しかったですね。
返信する
国際語 (bonn1979)
2008-08-26 14:36:51
結局
アメリカは
いろんな国の出身者に話さなくてはならないので
政治家や新聞、大学の先生達が使う英語は
・短い
・難しいことばは使わない
・面白い
・思想がある
といった共通点ができて
これは昔私などが高校で教わった英語よりはだいぶやさしいです。

文法の構造は中国語と同じなので
中国の人はすぐに上達すると思います。
できたら音読がよいですね。
返信する

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