介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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社会計画・社会開発・福祉社会開発

2008-07-02 08:23:33 | 政治社会
【COEプログラム5年間の成果】
二木立編集代表の『福祉社会開発学』(ミネルバ書房、2008年6月)
は、日本福祉大学21世紀COEプログラム
「福祉社会開発の政策科学形成へのアジア拠点」の5年間の共同研究を踏まえたものです。
*COE:文部科学省において2002年度から始まった重点的な研究助成
 The 21st Century Center of Excllence Program

【多彩な関心と方法論】
編集代表の二木立教授は、この「21世紀COEプログラム拠点リーダー」でした。
医学博士号を東大で、社会福祉学の博士号を日本福祉大学で得る。

このプロジェクトの特色は、
その広範な問題関心と多彩な研究方法にあります。

二木先生以外の5人の編著者の先生方は、いずれも日本福祉大学の教員ですが、
本の奥書によると、出身校と学位は(敬称略)

穂坂光彦 東京大学 工学修士
平野隆之 大阪市立大学 学術修士
野口定久 上智大学 文学修士
木戸利秋 ロンドン大 社会学修士 M.Sc(ロンドン大)
近藤克則 千葉大学 医学博士 社会福祉学博士

と、なっていて、これらの他分野の先生方による企画・研究はさぞや面白かっただろうと想像されます。

執筆者は、31人で、この中には、博士課程の院生も6人(うち、3人はアジアからの留学生)います。

【理論・政策・実際】
この本の副題には、
「理論・政策・実際」とありますが、
3部構成となっている本書の内容を反映しています。

第Ⅰ部 福祉社会開発の理論
第Ⅱ部 福祉社会開発の戦略
第Ⅲ部 福祉社会開発の実際

この本の特色は、
○ アジアの視点が基本にある
 (中国、韓国、フィリピン、マレーシア、モンゴルの個別事例が紹介される)

○ 欧米の事例による比較研究
 ・イギリスの「社会的包摂」
 ・ヨーロッパにおける健康格差の是正策
 ・アメリカのケアの質マネジメントシステム

○ 日本の特色ある地域開発の例が紹介されている
 ・長野県宅幼老所支援事業
 ・ビッグイッシュー名古屋ネット(ホームレス対策)
 ・山形県最上町地域福祉人材養成講座
 ・「閉じこもり」予防事業武豊町モデル

【世界と日本の福祉政策をつなぐ意義】
次回から、順次内容を勉強していきますが、
このプロジェクトの最も大きな意義は、「福祉社会開発」という概念のもとに
国際社会でも日本でも同様な意識と方法で考える手がかりをえたことではないか
と思います。

個人的な思い出にも重なるのですが、
昭和39年秋、私は大学4年。厚生省(当時)に入ろうとしていた時でした。
面接の時に「社会計画」(伊部英男、至誠堂、昭和39年)という本のことを話した記憶があります。丁度、佐藤内閣のときで、佐藤栄作総理大臣が、所信表明演説で「社会開発」をスローガンとした時期でもありました。

『福祉社会開発学』では、学生の頃、おぼろげに描いていたことが、理論化され、多くの実例によって補強されています。
*このブログのカテゴリで「国際社会」の中に「福祉社会開発学」を昨日からつくりました。

*写真は、

奄美・加計呂麻島なんでもありBLOG

の、7月1日付け記事から。

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