介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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「島では知らない人にもよく叱られます。」

2008-01-05 10:43:17 | 奄美大島
【何故、奄美?】
鹿児島県立博物館へいったとき
奄美大島と屋久島との間のラインで
生物相・動物相がちがうという展示のコーナーがあった。
アマミノクロウサギと普通のウサギをならべてあり
その違いがわかるようになっている。
太古の地殻変動の違いから、奄美半島以南からは自然界の様子が違うと。

キャンパス内で
奄美学の権威である山下欣一先生とお会いする機会があった。
毎週1回、学部で文化人類学の講義をされている。
その関係で、二・三の本を読んだ。
奄美と沖縄の共通点(歌のリズムや言葉)から
奄美以南と以北とは文化的に違うと。
奄美を意識することによって、日本列島の捉え方が違ってくる。

東京→鹿児島→奄美
という縦の関係で文化を捉えるのではなく
奄美・沖縄の文化と鹿児島から北の部分を総合的に把握できると。

そんな程度の生半可な知識があったところへ
昨年お正月、二人で3泊4日の旅をした。
毎週、大隅半島へリュックを担いで義母の介護に
出かける連れ合いが旅行好きなので、その慰安?の要素もあったが。

【素晴らしいのは自然だけではない・・】
奄美はとにかく遠い。
鉄道がないので、車のないわれわれのようなものにはバスしか移動手段がない。
「不便が嫌な人は初めから奄美に近づかない方がいい」
(昨日紹介した双葉社のガイドブック、p115)

しかし、BOOKMARKした奄美ブログの写真をご覧ください。
その不便な分だけ、人間に汚されていないというか
都会的な目からはその美しさを伝える言葉がありません。

でも、2度目の奄美行きで知ったのは、
素晴らしいのは、ひとそのものだ
ということです。
奄美では正月に
干支ごとにお祝いする・・ホテルに
「何々様85歳お祝い会」
「何々様73歳お祝い会」
の看板が沢山。つまり、満年齢で今年の干支の方を祭るという。
親類縁者が集まる。
その宴たけなわの様子を聞いた。
(最後は、「六調」という歌い方で〆るというストーリーを聞いた)

【制度以前の問題】
この50年ほど、「社会福祉」「ソーシャルワーク」など
制度や技術を欧米から学んだ。
介護保険制度が出来ても、高齢者の孤独死が伝えられる。
東京から細かな指示が次ぎ次ぎ出される。

鹿児島中央駅。夕方JRがホームに着く。
最初に降りるのは高校生の女子。いっせいにエレベーターに走る。
次のグループは、エスカレーターへ。
若い人が争って階段へ。
残された中高年は一番最後に向こう側の階段(比較的すいているので)
を登って改札口へ。
これが日常だ(もちろん、私は最後のグループ)

「福祉制度」以前の世界だ。

【みんなが優しい日常】
冒頭のテーマに引用したのは
昨日紹介した写真集『美しい島へ』から。
この写真のあとのページに
「近所の人にはマジ叱られる」というコピーの写真が。
「この島ではお年寄りが子どもを大切にする」
「この島では子どもがお年寄りを大切にする」の写真。
(この写真集は自然を撮っているが、展開は牧野大智という小学4年生の夏を
追うというストーリーになっている)

写真をこのブログで伝えることはできないけど
写真家・新倉万造、コピーライター・松木圭三は
コンビで世界を回り、数々の作品をてがけるうち、
「日本は負けたなぁ」と痛感する日々だった。
『美しい島へ』を撮って
人に近いところで沢山の美を発見した。「勝った」と思ったという。

社会福祉学をまとめて学びなおし、学生に伝えたいという
私にとって、2度目の奄美での正月、
『美しい島へ』は再スタートの力をくれた。
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