介護福祉は現場から 2007.02.22-2011.01.25

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社会福祉学の歴史

2008-01-05 18:07:44 | 社会福祉
【経過】
三島亜紀子
『社会福祉学の<科学>性ーソーシャルワーカーは専門職か?』
(勁草書房、2007)を読んでいます。

内外の原典を丹念に読み込んだ本格的な書物です。
最初(12/21)に「格闘して読むべき本」として、全体の構成をまとめました。
第2回(12/24)は、第1章を読みました。

アメリカの社会福祉学の発展の歴史で
重要な意味のもつフレックスナーの講演(1915年)のことを
手がかりに、医学をモデルとした批判とその受けとめ方を
アメリカの例に即してたどっている。

【第2章の構成】
第2章は、p27からp72と長い。
第1節 日本における学説史が概観される。
第2節 心理学的な方法を援用した発展のあとをたどる。
第3節 マルクス理論を援用した時代をみる。
第4節 現代につながる時代を「統合化」という視点でまとめる。
本書の目的は、ソーシャルワーク理論が全体としてどのように発展していったのか
が主眼なので、多数のさまざまな理論を紹介するわけではない。
(→さまざまな理論を知るための文献が紹介されている。p39)

【第1節 援用される諸学問の理論】
・社会福祉学における研究は,その創始から学際的研究であった。
近代的な研究における専門分化の弊害を見る前に「学際」の形式をとり始めた。
・さまざまな理論が、編み出されては消えていった。時代に応じて選択され、また捨てられるものであったのでないか。(p33)
・「学際志向」は、ジェネラル・ソーシャルワークに続く社会福祉学の伝統といえる。

【第2節 最初の「科学」化ー精神力動パースぺクティブ】
・終戦を境に、当時のアメリカで主流であった心理主義的なソーシャルワーク理論が優勢となった。
・心理カウンセラー的な技術が必要とされた。
・依拠する学問に忠実なソーシャルワーカーの姿が浮かぶ。(p49)

【第3節 ラディカルなソーシャルワーク】
・1971年の中央社会福祉審議会分科会の専門職試案に対しては、マルクス主義者たちはおおむね批判的な姿勢をとった。
・国に対する要求運動に没頭していたように見受けられる。(p56)
・一番ヶ瀬康子の論文「社会福祉学とは何か」(1970)は重要であるが、当時の論壇の共通言語(マルクス理論)を駆使して書かれた。

【第4節 社会福祉統合化へ向けてーシステム/エコロジカル・ソーシャルワーク理論】
・英語圏では主流になりつつあった。(岡本民夫、1987)
・現在の日本では、教科書ではこの理論が掲載され、重点が置かれている。
・統合的で学問的な論理基盤が希求された時期と重なる。
・生活モデルと医療モデルの対立がある。(→終章)
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